雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山でのキノコ狩り 第二話 (その2)
●四国山地の東部の盟主、剣山 (1955m) から山地の主稜線は更に東へと数十キロ延びるのですが、その主稜線上の大きな膨らみが高城山 (1632m) であります。この高城山の山頂直下の海抜1300mのところにあるレストハウス 「ファガスの森 高城」 で昼飯には早いが腹ごしらえで名物のシカカレーというものを食べてから、早速にキノコ探しです。10月19日では時期的に遅すぎるのは承知ではあるけれども、ひょっとしたら晩生のキノコが残っていないか? あるいは、同じキノコの種であっても、山中で天然状態であっても、高温発生性の系統や、低温発生性の系統に分化していることもあります。で、低温発生性の系統が子実体を出しているかも? と淡い期待をもって剣山スーパー林道から谷の方へ (つまり下の方へ) 降りて行きごそごそと探しまわったが、こりゃあダメじゃ。なんせ、2週間前にあれほど沢山あったツキヨタケが陰も形もなく消え去っています。

↓ 高城山の山頂北斜面のブナ自然林
高城山の山頂北斜面のブナの自然林

↓ シロモジ (クスノキ科の低木) の黄葉
シロモジの黄葉

●剣山一帯の山岳地帯の市町村の観光課であるとか、観光協会などは 「紅葉が美しい」 と自画自賛しています。沢山の観光客や登山者やハイカーがわんさかと来てお金を落としてほしいという願望がにじみでています。ところが、吾輩の目にはあまり美しい紅葉には見えません。ブナ林というのは黄葉しますが、綺麗なレモンイエローではなく、まあ申せば土色です。とても綺麗とは言えません。山岳地帯で本当に綺麗な紅葉が見られるのはもっと標高が高い亜高山帯です。たとえば噴火で大勢の犠牲者が出ましたが御嶽山とか。ブナ帯は、ブナが純林を形成することが多く、どうしても単調な印象を否めません。痩せ尾根の岩角地などでは、矮小化したヒメコマツやウラジロモミなどの常緑針葉樹の緑色と、ナナカマドやドウダンツツジなどの赤色との対照が非常に美しいのですが、剣山地には意外にそういう所が少ないようです。真っ赤に色ずくカエデ類も少なく、黄色っぽいカエデ類の方が目立ちます。


時期遅し! めぼしいキノコはなし。
クリタケ がありました。汁物にすれば濃厚でコクのあるダシがでる良いキノコです。淡路島南部の柏原-諭鶴羽山地のコナラ林でもよく出ます。写真の物は老成したクリタケが乾燥に遭い干からびた状態です。傘の裏側のヒダを観察したら鉄サビ色に黒くなっています。こりゃあダメです。若い段階のもの (ヒダがクリーム色の状態) が乾燥クリタケになったのならばともかくも、採集不適期のものは見送りです。近年、クリタケから毒成分が見つかっているので少し注意が要ります。(大量に食べなければ大丈夫)
クリタケの乾燥したもの

ヌメリスギタケモドキ もありました。これも良い食用菌です。ただし、樹上で乾燥して干しキノコになっています。傘の表面のヌメリは乾燥のために光沢のある皮膜みたいになっています。傘表面に散在するささくれ (突起) も乾燥のため傘の表面に張り付いてしまっています。キノコのつぼみの段階で一挙に乾燥してしまったようです。これもダメです。天然キノコの採集の原則は、採集適期の物だけを採ることに尽きます。老成してヒダが変色したものや、乾燥して時間が経ち古くなったものには、基本的に手を出しません。
ヌメリスギタケモドキ


早々にキノコ狩りを切り上げ、「徳島のへそ」 まで来た
右側のチョン切れた標識に 「徳島のヘソ 木沢村」 と書いています。この地点が徳島県の中心点らしい。どうやって中心を計測したのか知りませんが…。剣山スーパー林道随一の展望所 (海抜約1490m) です。高城山風致探勝林 (釜ヶ谷国有林) の説明文の中に、「遠く淡路島まで眺望できる大パノラマ」 などと書かれています。逆にいえば、淡路島南部の山や海岸から高城山はよく見えています。高城山と淡路島最南端との直線距離は55キロ、高城山と諭鶴羽山との距離は65キロです。ちなみに諭鶴羽山から兵庫県最高峰の氷ノ山までは127キロ。つまり、淡路島南部の住民にとっては、自県の最高峰に登るよりも高城山に登るほうが遥かに近いのです。淡路島は幕藩時代には徳島県 (阿波藩) に属したのも理にかなっています。上代にさかのぼっても、淡路島は南海道に属しています。畿内じゃありませんワ。可能ならば兵庫県を脱退して徳島県に編入してもらいたいところ…。
「徳島のへそ」 にある説明看板

↓ かすみがかかっていなければ、淡路島と記入したあたりに淡路島が遠望できます。大鳴門橋も視認できるハズです。淡路島と記入したところから少し右側に徳島市が見えるのですが、市の中心部分は眉山の陰になるので見えません。
淡路島方面を眺める

徳島のヘソから、東~東南東を眺めたところです。高城山、雲早山、高丸山の3つを勝浦三山と言うらしい。四国山地は日本の代表的な曲隆山地であります。西南日本外帯を大地形的にみれば東から、曲隆山地の紀伊山地、曲降盆地の紀伊水道、曲隆山地の四国山地と曲隆-曲降-曲隆を繰り返して配列しています。四国山地も全体が一様に隆起したのではなく隆起の中心は石鎚山と剣山との2極あるように見えます。その剣山一帯は山地の隆起の中心部分で付近の山々は海抜高度が1600-1900mに達しているピークが目白押しです。しかしながら曲隆山地の中心から一回り外辺部の高城山周辺まで来ると、海抜高度は1300-1600m程度で全体的に300m下がっていますわね。山地隆起の中心部分から外れているので、しかたありません。もうすこし山の高度があればなあと残念です。

徳島のヘソから東を眺める

(拙稿は続く)


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