雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山でのキノコ狩り 第二話 (その1)
本日は2014年10月21日であります。一昨日の10月19日 (日曜日) に、再度、徳島県の名峰の高城山に登ってきました。10月4日に高城山にキノコ狩りに行ったときは天気が悪く、山にはガスがかかり全く眺望がありませんでした。高城山のキノコ狩りシーズンは8月~9月で、10月も後半となると時期が遅すぎます。キノコはもはやあまり望めませんが、高城山山頂をきわめて眺望を楽しもうという腹積もりであります。


高城山の真の標高は1628mではなく、1632mであります。
●高城山は三角点標高は1628mですが、その東側130mのところに別のピークがあり、標高点が設置され標高1632mです。したがって 高城山の本当の山頂の標高は1632m ということになります。紙の文献でもネット情報でも、高城山の標高が1628mという記述と1632mの記述の2通りがあるのですが、そういう事情です。どちらが正しいとか誤っているとかいうことではなく、三角点がその山の一番高い所に設置されていないことからくる混乱です。 

この事情は全国各地の山でたくさん見られます。実例をいくつか挙げると、一番有名な例が鳥取県の大山 (伯耆大山) でしょうか? 三角点は1709.4mですが標高点は1729mになっています。実に20mの差があります。他にも東北地方の名峰の鳥海山は三角点は2229.0mで標高点は2236mと7m高く、北海道の蝦夷富士と讃えられる羊蹄山は三角点が1892.7mで標高点は1898mと5mほど高いです。九州地方 (九州本島+離島) の最高峰は申すまでもなく屋久島の宮之浦岳ですが、三角点標高は1935mでその隣の標高点は1936mです。たった1m差ですが、文献により両方の記述が見られ混乱しています。

●昔は山の標高といえば、その山の山頂付近の三角点の標高を指しました。ところが最近はその山で一番高いピークの標高を指します。そうすると、三角点がその山の本当の山頂にない場合、山の高さが変わってしまいます。そのような例が続出しました。それに加えて、山の高さといっても測量誤差があり、国土地理院はときどき山の標高の見直しをするので余計に混乱します。地形図が改訂されるたびに標高が微妙に変わることが多いです。山の好きな人々は主要な山岳の標高ぐらいは記憶しているのですが、先の伯耆大山でも昔は1711mとされた数字を覚えた古い人と、最近の1729mの数字を覚えた新しい人が話をすると、「おまえは間違っている」 と口論になってしまいます。別にそんなつまらないことで口論しなくてもいいのですが、双方とも一生懸命おぼえた数字を譲りません。ここで注意すべきは、そもそも口論の下地を作ったのは建設省国土地理院というお役所であります。 (もちろん真の山頂に三角点を置かない事情はあるにしても) 最初にその山の一番高い場所に三角点を設置せず、しかも、山の高さなど本当は誤差がつきもので、とりあえず暫定的な数字を示しているだけで、数字が修正されることはあり得ると広報しなかったのが、手落ちといえば手落ちです。で、山登り (国民) が口論を余儀なくされます。山の高さの測量や地形図の作成は、何も山登りたちのためにしているのではない、という反論もありましょうが、 (飛躍した言い方をすれば) お役所というのは何かにつけ国民同士が口論やケンカするように仕向けわけです。それは、国民同士がいがみ合ってケンカしているほうが支配しやすいからで、つまるところ、分断統治です。


↓ 吉野川の南河岸から高越山 (1133m) を遠望
高越山 (こうつさん) は阿波富士と讃えられる秀麗な名峰です。高越山の真北側から眺めると確かに成層火山のような山容です。しかし、写真のように東側から見ると連山型の姿です。連山の稜線鞍部には 船窪つつじ公園 というオンツツジの大群落があります。オンツツジの西日本一の大群落と讃えられています。もっとも、オンツツジは西日本太平洋側の山にしかありませんが。 (オンツツジの分布は紀伊半島・四国・九州中南部の山々です。ただし紀伊半島のものは花が紫色の品種のムラサキオンツツジに変わります。)
高越山を遠望する
高越山は1133m、奥野々山は1159m。


↓ 神山町の役場手前2キロから、砥石権現を仰ぎ見た
写真左側の高い山が砥石権現 (といしごんげん) で標高1374.9m。砥石にする石材を産出したというハナシですが、右側に見える低い山が東宮山 (とうぐうさん) で標高1090.6m。 砥石権現は山名が示している通り、砥石の神を祀ったのであろうか? 砥石というのは申すまでもなく刀や包丁や鎌などの刃物を研磨するための石です。研磨する金属の硬度にあわせて砥石も硬軟さまざまな岩石から作られるようですが、付近一帯の渓谷や露頭を観察すると チャート という岩石が結構見られます。これは太古の昔、海洋底に放散虫などの遺骸が堆積してできた石で、二酸化ケイ素の含有率が高い硬い岩石だと言われています。砥石権現周辺で見られるチャートで研磨仕上げ用の硬い砥石を作ったのでしょうか? (ちゃんと調べたのではなく勝手な想像です) 

砥石権現を仰ぎ見る


片道99キロ、正味片道3時間コースのようだ
雑想庵 (吾輩の茅屋) 7:05 → 淡路島南IC 7:19 → 鳴門西PA7:38着 15
                  (11km)          (24km)
分休憩 → 板野IC7:58 → 神山町役場付近8:49 → 雲早トンネル → 剣山
    (3km)       (34km)            (19km)      (1km)
スーパー林道入口9:38 → ファガスの森 高城に到着10:06
                (7km)

●山登りたちが高城山登山の拠点に利用しているファガスの森 高城まで、それまでは4時間かかると思っていましたが、そうではなく、寄り道しなければ3時間であることが判明した。道路が空いている未明の3時とか4時に茅屋を出て、休憩などしなければ片道2時間半のコースのようです。



↓ 高城山登山基地のレストハウス、ファガスの森 高城に到着
ファガスというのは分類学上のブナ属のことです。学名の属名です。ブナという種そのものではありません。学名は、「属名+種小名+命名者」 の3点セットで個々の植物名を表します。ブナ の学名はFagus crenata Blume なのであって、単にFagusといえばブナも、イヌブナも、外国産のアメリカブナも、ヨーロッパブナ等も含めてしまいます。この山小屋風のレストハウスの名称は、「ブナの森」 のつもりでしょうが、じつは「ブナ属の森」 という意味であります。吾輩は水を差すようなことばかり言う癖があるのですが、ちょっと気になる名称です。営業時間は午前10時~午後4時。食事ができます。
ファガスの森に到着する

レストハウスの背後の森は、ブナの大木を中心として、ヒメシャラの大木が目立ちます。低木層には シロモジ が非常に多いです。ていうか、シロモジばかりです。いずれも、だいぶん紅葉 (黄葉) が進んでいますが、あまり綺麗には見えません。
店の背後の森にはヒメシャラの大木

↓ ファガスの 森高城の駐車場の端にある三角点の標石です。海抜1300.7m。
国土地理院 「基準点成果等閲覧サービス」 で検索したら四等三角点です。

標高1300.7mの三角点標石


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初めてファガスの森 高城に入ってみた

● ファガスの森 高城のホームページはこちら です。このあたりには過去数十回きていると思う。少なくとも、年3~4回、残雪を見る、シャクナゲの花見、ブナ帯の植物観察、キノコ狩りですが、スーパー林道開設工事のころから来ているから30年になると思います。やはり100回ぐらいは来ていると思います。しかしながらファガスの森に1度も入ったことがありません。理由は弁当とか非常食を持ってくるからです。なんせ人里から遠く離れた奥山です。行ったわ、臨時休業していたわ、ということはあり得ます。したがって、登山でも自然観察でも奥山に入るばあい食糧を持たずに入ることなど心得としてあり得ません。そうなると、営業していても利用する意味がない、ということになります。他の客というか登山者の話を聞いたら、多くの人がここに車を置いて高城山に登山するようです。で、駐車料金は無料なので利用させてもらうお礼に食事をするらしい。(食事代という形で駐車料金を納入) なるほど。

ファガスの森 高城の食堂に入ると、奥の方に厨房があり、手前には16×3の48席か? これならば、かなりの団体登山客がきても昼飯ができそうです。山小屋風な建物で、窓が大きく明るい店内です。建物をぐるりと一周して観察したら、電気は裏に自家発電棟があった。電気が使えたら水は少し下の沢からポンプアップしているのであろう (たぶん)。

店内の食堂

ファガスの森 高城の人気メニューは、シカ肉カレーの大盛りらしい。店内を覗いて手ぶらで出るわけにはいかないから、写真のシカカレー並盛と、山菜うどんを注文しました。評価は、こんな山奥で昼飯が食べられるという特別な事情で下駄を履かせて、シカカレーは ☆☆☆☆☆ ですが、山菜うどんは残念ながら ☆☆ であります。うどんの麺は四国では珍しく柔らかで美味いのですが、スープがダメじゃ。ダシがよろしゅうないワ。うどんのスープは昆布と煮干しでダシを取り、塩と薄口醤油で味をつけ、隠し味に砂糖を絶対に入れない、というのが一番美味いのです。カツオ節でダシを取るのは宜しくないのです。

シカカレー

山菜うどん

(拙稿は続く)



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