雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山でのキノコ狩り その8 (ブナ帯で見られる植物たち)


ファガスの森 高城

ファガスの森 高城 の前を吾輩は何十回となく通っているどころか、この建物が出来る前のこの場所のとんでもない状態も知っているのですが、いまだかつて入ったことがありません。どういう施設か知らなかったのですが、ホームページを拝見すると、登山者やオフロード走行を楽しむ人々の休憩所であり、昔風な言い方では茶屋でありお食事処、バンガローがあって避暑のキャンプ場というところか? 敷地の端に国土地理院の三角点があり海抜1300.7m。気温減率を100mあたり0.65度とすると平地よりも8.45度気温が下がります。森の中にあり尾根筋で風通しもいいから、夏涼しく平地よりも10度気温が低いのではないか? よって夏の避暑に来るのに最高の場所であろうかと思います。そこで平地よりも何度低いか検証。

2014年10月4日14時10分 気温10度

↑ ご覧の通り10度です。気象庁の検定済みの温度計ではなくおもちゃみたいな温度計で器差は大きいでしょうが、いくらおもちゃみたいな温度計でも最大限1度程度の誤差です。2014年10月4日14時10分です。 同日同時 (14時) の徳島県内の観測データは、海抜100m以下の地点 徳島地方気象台 で23.4度、アメダス穴吹で21.6度、アメダス池田で20.2度、アメダス日和佐で23.4度、アメダス蒲生田で22.5度、アメダス海陽で23.8度です。山間部の標高の高い所でもアメダス木頭(海抜330m)で20.5度、アメダス京上(560m)で18.4度です。やはり平地よりも気温が完璧に10度低いです。瀬戸内地方の避暑地として最適です。四国東部の軽井沢と言えるのではないか?

ファガスの森 高城


↓ 高城山の登山口です。

ここで海抜1360mぐらいです。高城山の山頂まで標高差はわずか270m程度ですが、急斜面の痩せ尾根を直登しますから相当にきつい登りです。安易なハイキング気分で、気易く登るところでは全くありません。

高城山登山口


↓ ヤマブドウです。

以下4枚の写真はヤマブドウです。日本在来の野生ブドウです。これが本当のヤマブドウです。淡路島の自然愛好家が時に間違ってヤマブドウと言っているのはエビヅルで、本家のヤマブドウはブナ帯の植物であり、淡路島のような暖温帯下部には分布していないです。

ヤマブドウ

高城山の海抜1300m以上には沢山あります。徳島県西部の祖谷地方では海抜800mぐらいから見られますが、すくなくともブナの樹が見られる高度にならないとヤマブドウはないです。10月4日の時点で、美しく紅葉していました。葉は巨大で、エビヅルはもちろん栽培ブドウよりもはるかに大きいです。すくなくとも手のひら大、大きなものは子供の顔ぐらいの大きさがあります。

ヤマブドウの葉

↓ こちらは紅葉初期という感じですが、生育旺盛で、マント状になって他樹を覆い尽くしています。
ヤマブドウの葉

↓ これがヤマブドウの果実です。果実の粒の大きさは、せいぜい栽培種のデラウェア程度です。栽培種みたいに果粒がびっしりと着くのではなく、まばらでパラパラと着く程度です。味ですが、酸味があります。非常に酸っぱいというわけではなく爽やかな酸味です。山登りで疲労した後には結構美味いものです。秋が深まって初雪がきて霜げたり凍ったりすると酸味が抜けて甘くなります。酸度が高いので甘く感じないだけで、糖度そのものは高い野生ブドウで葡萄酒の材料に適しています。東北地方には、山中のヤマブドウから選抜育種した優良系統があるようで、1果房250グラムもあり栽培もされるようです。 なお、ヤマブドウは雌雄異株で当然メス株にしか実がなりません。(まれに雌雄同株もあるらしい) 雌雄異株の植物はたいていメス株・オス株半々になるのですが、高城山のヤマブドウはめったに実がなりません。オス株ばかりなのか、メス株であっても実が着かない要因があるのか分かりませんが、別の山では実が着く株が多かったりと、バラツキがあるようです。ちなみに、剣山登山口の見の越祖谷側の谷のヤマブドウは実がよく着きます。
ヤマブドウの果実


ホンシャクナゲ

高城山 (1632m) や、雲早山 (1496m) 一帯にはシャクナゲの自生が非常に多いです。葉の裏の毛が少ないホンシャクナゲと、葉の裏に赤褐色の毛が多いツクシシャクナゲの両方が見られますが、分類学的には、ツクシシャクナゲを基本種としてホンシャクナゲはその変種という位置づけです。本質的にそう大きな違いはなく、典型的な物では両者はハッキリ区別できますが、どちらとも言えない、或いはどちらでもある、という中間型が出てきます。ていうか、この山系一帯には中間型のほうが多いような気がします。5月下旬ごろが花見適期で非常に見ごたえがあります。ただし、海抜800~1600mの間に自生しているから、その標高によって花期にづれが生じます。写真は海抜1400mあたりのものです。
ホンシャクナゲ群落

シャクナゲ群落の林床を見ると、実生の小さな苗が沢山育っています。ごく小さいものならば無数にあります。ごく小さなものが全て大きく育ったら物凄く密集して大変なことになるから、適当に自然間引きで減っていくでしょうが、後継樹が確実に育っています。ここがわが淡路島南部の山岳地帯のホンシャクナゲと違うところです。淡路島自生のシャクナゲは、このままでは消えていく運命にあります。
ホンシャクナゲの実生苗


↓ オタカラコウです。

10月4日の時点で満開でした。平地にあるツワブキの親戚の花ですが、徳島県のブナ帯に来るとこの オタカラコウ や、良く似たメタカラコウが普通に観察できます。良く似て見分けにくいのですが、オタカラコウは頭花の舌状花の枚数が7~8枚あります。メタカラコウは2~3枚程度で少ないです。
オタカラコウの花


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