雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高城山でのキノコ狩り その1 (キシツツジの観察)
●10月4日に徳島県の剣山の前衛峰とも言える高城山 (海抜1632m) にキノコ狩りにまいりましたが、沢山の写真を撮ったので陳列します。おりしも台風の最外縁の螺旋状の雲の列がかかってしまったせいなのか、天気が期待外れで、さんざんな目にあいまして、キノコの収穫は僅かでした。しかしながら自然観察だけはシッカリと行い (ただし素人レベル) キノコ採集記となるハズのところ、自然観察記となってしまいました。

【朝の大鳴門橋】
自宅の茅屋、雑想庵を出て20分ほどで大鳴門橋です。申すまでもなく淡路島と四国本島をつなぐ架橋ですが、土曜日の午前7時過ぎですが、車の通行が少ないです。あまりにも少ないです。他に車は見えず、自分のマイ・ブリッジ? プライベート橋か? と錯覚しそうなほど通行量が少ないです。これって京阪神と四国を結ぶ物流大動脈のハズですよね。これじゃ、北海道・道東か道北の原野道路並です。これでは巨万の負債の償還は絶望的ですわね。えらいこっちゃあぁ!
朝の大鳴門橋

【層積雲が垂れこめ、雲底高度も低い】
大鳴門橋を渡り、しばらく行って、高松自動車道を行って板野ICから一般道に降りたところです。徳島平野の北側ですが、向こうに見えている山並は徳島県と香川県の境にある讃岐山地です。写真中央の鉄塔近くに見えているピークは、大山(おおやま、691m)です。雲が低く垂れこめていますが、雲底高度は800~900mぐらいか? 1000mないと思います。今にも降り出しそうでヤバイ。 
低い雲が垂れこめている


●徳島平野を南下して、吉野川を渡り、さらに南下、山間部にある 神山町 (かみやまちょう)  Wikipedia 神山町 という所にきました。神山町は自然が豊かで山も川もあり、徳島市にも比較的近く、移住するのにいいかも? 人口6000人の小さな町の割には昨年度の神山町への移住者は21世帯34人にものぼります。いま関東から西日本への移住者が増えていますが、徳島県神山町はいいかも? ただし、(移住者受け入れ側の) 過疎の市町村のホンネは若い人の移住者を希望しているようです。 お年寄りの移住者については…。言わずもがなであります。神山町広報誌 平成26年7月号の記事 参照。

さて、神山町を訪ねたら、町内を貫流する清流、鮎喰川 (あくいがわ) の渓畔植物の観察です。観察場所は埋め込み国土地理院地形図の赤丸でプロットした所です。 



なお、左ダブルクリックで地図を大きく (大縮尺化)、右ダブルクリックで小縮尺化、右クリックでその地点の緯度経度や標高などの情報が見られます。スクロールして地図を移動できます。



【「渓畔つつじ」 とも言えるキシツツジの観察】
下の3葉の写真はキシツツジという躑躅です。鮎喰川の川岸の岩場に普通に生えています。徳島県の川ならばどこの川でもたいてい川岸にあります。徳島県の人にとっては、ありふれたツツジで、珍しくもなんともありません。しかしながら、鳴門海峡を渡って淡路島から来た者にとっては、物凄く珍しいツツジに見えるのは間違いありません。吾輩も徳島県に来るたびに川岸に降りてつい観察 (鑑賞) します。モチツツジとどう違うのか言葉では表現しにくいのですが、ハッキリと違います。若干コンパクトかなと思える樹形とか、葉の形状とか、やはりモチツツジと明らかに別種です。近縁種ではあっても確かに別のツツジです。しかも、非常に観賞価値の高い美しいツツジに見えます。
キシツツジ

淵とキシツツジ
↑ 川岸の岩場に生育する個体はとくに樹形がコンパクトでまるで盆栽みたいに見えるものが多いです。葉も小ぶりで、細身のものが多い傾向があるようです。

キシツツジの不時開花
↑ 通常は4月~5月に咲く花ですが、本日10月4日に咲いています。不時開花、いわゆる狂い咲きです。おかげで花の形態が観察できます。おしべが10本あります。これがキシツツジの特徴です。写真は縮小しているので分かりづらいのですが、実物を観察すると確かに10本あります。 これがモチツツジとの検索表的な区別点です。(モチツツジは5本です)

●なぜ淡路島から来た者には、キシツツジが非常に珍しいものにみえるのか? 理由はハッキリしています。次の図で明快です。徳島県立博物館 小川誠氏のサイト から借用。あまり島外に出ない人が徳島県に来たら、「見たこともないツツジがあるわね」 ということになります。頻繁に島外に出る人であっても、それまで植物に関心がなかった人が植物観察を始めた場合も同様です。「あれっ、妙なツツジがあるぞ」 ということになります。
キシツツジと、モチツツジの分布域
↑ 淡路島には (兵庫県には) キシツツジは全く分布していないのです。しかしながら鳴門海峡を渡れば吉野川でもどこでもキシツツジが普通種として川岸を彩っています。これが珍しく見える理由です。徳島県を境にして、モチツツジとキシツツジが東西にほぼ棲み分けていますが、徳島県内は両種の分布が重なっています。


【鮎喰川 (あくいがわ)の大きな淵】
鮎喰川の大きな淵
↑ 吉野川の支流のひとつである鮎喰川は美しい清流でありますので、漁期にはアユ釣り客で賑わいます。ただし、アユ・アマゴ・ウナギを釣るには鮎喰川漁業組合 (神山町役場内にある) が発行する入漁証が必要です。入漁料年券は5000円 吾輩はアユは釣りませんが、鮎喰川上流支谷で昔 アマゴ 釣りによく来ました。アマゴはヤマメにごく近縁種ですが、四国にはヤマメの自然分布はありません。アマゴの体の側面には赤い斑点があります。赤い斑点があるのがアマゴで、これが見分けるポイントです。アマゴも釣れるのですが、野生化したニジマスがよく釣れました。

【このあたりは中央構造線のすぐ外側の三波川変成帯
このあたりは三波川変成帯
↑ このあたりに分布する岩石は、そもそもの源岩は泥が堆積してできた泥岩が、地底深くで低温高圧型の変成作用を受けて出来た泥質片岩と思われます。岩石の色は黒っぽくて、あまり見栄えがしないのですが、ルーペで観察すると再結晶した鉱物が行儀よく一方向に配列していて、独特な筋状の構造を呈しています。また、まるで石の中に星があるのかと錯覚するぐらい、見る角度によってキラキラと光る粒が無数に見られます。要するに、わが淡路島の南海上に浮かぶ付属島の 「沼島の石」 と同じ種類の石であります。この三波川変成帯に産出する 結晶片岩 類は源岩の種類の違いで色々な色の石があって、陽が当たるとキラキラと輝きます。で、川原で拾ってきた石を布でツルツルになるまで根気よく磨くと、宝石以上の素晴らしい置物になるんですわ。床の間の飾りに最高ですわ。ひょっとしたら高く売れるかも? 拾ったものだから原価はタダ。あとは根気だけ…。根気が価値を生み出すかも?

(ただし、川原の石を宝石にまで磨き上げるのには、毎日最低1年間以上根気よく執念で磨かなければなりません)

(本稿は続きます)


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