雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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森林を破壊し、山を切り崩して、ナルトサワギクが生える。 (後篇)
森林を破壊し、山を切り崩して、ナルトサワギクが生える。(前篇) からの続きであります。

●まず、兵庫県のホームページ から 広域農道 南淡路地区 (通称:オニオンロード) 計画平面図 を借用させていただきます。 大変 立派なトンネル があったり、朱塗の絢爛豪華な 夢の橋 があったりですが、幅員が車道7.25m、歩道3.5m、計10.75mもあって国道よりも立派な道路であります。歩道が立派すぎて場所にもよりますが自動車が通行出来るぐらいの広い歩道であります。誰がこんな山中の歩道をお散歩するのでしょうかねえ? 鮎屋夢大橋 (あいやゆめおおはし) と名付けられた夢の架け橋ですが、ムダの架け橋かも? 問題はだれにとっての 「夢」 なのか? ここ鮎屋川が交通の難所で大水が出るたびに渡し船が事故を起こすのであれば、旅人にとっての夢なんでしょうが、そもそもこんな山の中には誰も来ませんワ。そうしますと、この橋の建造で儲けた建設会社の夢だったのかも??


広域営農団地農道整備事業「南淡路地区」

●通称オニオンロードは、淡路島南部の柏原ー諭鶴羽山系の北側山麓を、南南西ー東北東の走向で建設中の20キロほどの広域農道ですが、計画当初は新聞による報道では、淡路島南部の農産物を紀淡海峡大橋を通って大阪市場に速やかに出荷するために必要なんだ、と喧伝されました。今から思えば、紀淡海峡大橋など出来るかどうか不明なのに、とってつけたような大義名分でしたね。紀淡海峡大橋など出来るハズがないから、大義などもともとなく、工事がしたいだけの道路であったとの見方が当たっているでしょう。県 (洲本土地改良事務所) は次のように言っています。

【引用開始】 淡路島は農家が競い合い、少しでも多くの生産、収入を得るため農地を広げてきました。そのため、農産物を運搬する道路は必要最低限の幅しか確保されず、近年の消費地への大量輸送を行うことが困難な状態でした。これらを解消するため、農地に隣接する道路はほ場整備と合わせ整備し、農地(団地)と距離の離れた幅の広い道路あるいは集出荷場までをつなぐ道路を整備しています。現在は延長約17kmの道路整備を実施中です。 【引用終了】

●なんとも奇妙な理由付けです。オニオンロードには全く当てはまりません。道路が狭くて消費地へ輸送しづらいので、17キロの道路整備 (オニオンロード) なんだということですが、あまりにも変です。農家の人は、例えばレタスを例にとれば、畑で収穫したレタスを軽トラックにのせて持ち帰り、家に隣接する農業用倉庫で、外葉を落として調整しセロハンに包んで箱に詰めます。その箱を軽トラックに満載して農協の集出荷場に持ち込みます。そして大型トラックで京阪神市場に輸送していますが、オニオンロードを通ることはありませんわ。オニオンロードは田畑から外れた山裾にあるので、ルートが全く異なります。畑 → 農家倉庫 → 集出荷場 → 国道28号や県道 → 神戸淡路鳴門自動車道 → 明石海峡大橋 → 大阪市場等、の出荷ルートではオニオンロードの出番などありませんよね。紀淡海峡大橋の出来る可能性があったならば、ひょっとしてオニオンロードの出番はあったかもしれません。しかし、紀淡海峡大橋計画は凍結されて久しく、最近またぞろ出来もしない計画を蒸し返す動きもありますが、膨大な借金に潰れていこうとするこの国の逼迫した財政状況ではもはや誰がみても絶対に無理です。143億円もの巨万のカネを流し込むオニオンロードですが、一旦計画した事業はどんなに状況が変わっても絶対に中止しないのが、お役人たちのやり方です。民間事業ならばこりゃあダメだと分かったら、パッと中止して傷が浅いうちに撤収です。結局、責任を取らない、取らされない (法的にも) 人たちに税金の使い道をゆだねていることがこの国をダメにしているのでしょう…。フクイチ原発過酷事故が典型例ですが、政府も東電もだれ一人逮捕もされず刑務所にも入っていません。責任を取らなくても済むということが、いかに狂った判断になるか如実に示しています。

なお、100歩ゆずって紀淡海峡大橋が出来たとしましょう。大阪湾をぐるりと一周する大阪湾環状道路が出来たとしても、オニオンロードには全く意味はありません。関西地方の地図を見れば一目瞭然ですが、大阪湾は楕円形であって北側に大阪市があり南側が淡路島南部です。したがって、明石海峡大橋経由で南淡路産の野菜を大阪に輸送しようが、紀淡海峡大橋経由であろうと、全く等距離です。時間的にも変わらないでしょう。大阪湾環状道路を時計回りで行くか、反時計回りで行くかの違いだけです。淡路島南部の野菜を紀淡海峡大橋経由で出荷しなければいけない必然性や利便性は全くありません。お役人は 「消費地への大量輸送を行うことが困難」 だったなどと意味不明のことを言うのですが、やはり、工事をしたいだけの道路であったことは疑いようもありません。


淡路島南部の野菜を大阪市場に輸送するルート
↑ 明石海峡経由でも、紀淡海峡経由でも、大阪中央卸売市場までの距離は同じ。将来の紀淡海峡大橋を通って迅速に野菜を出荷するためにオニオンロードが必要なのだ、という当初の説明はもともとおかしい。


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●さて、余談に力を入れていると、田舎なので頭にたんこぶが出来るかもしれません。地縁・血縁・義理・利害でがんじがらめに縛られているのが田舎です。田舎のムラ社会は恐ろしいものです。うっかり、ものを言っているとヒドイ目に遭います。商売人ならば不買運動の標的になります。(ありましたよね!) で、本題のナルトサワギクの話です。 下図はオニオンロードの平面図を抜粋拡大したものですが、「通行可」 「工事中」 の文字を追加記入しました。また、①、②、③の数字を赤色で入れました。この数字は写真を撮った位置を表わします。

オニオンロードの旧緑町付近

オニオンロードは格好の自然観察場
●オニオンロードは工期が長く、平成6年に起工して20年経つのにまだ工事が続いています。毎年、細切れ的にあっちをし、こっちをさわり、少しづつ工事をしているためですが、単年度ごとに少しづつ予算が出るためか?? 建設業者にとっては細く長く仕事があるので、その方がむしろ良いかも? この毎年少しづつ工事をすることが、はからずも自然観察上の格好の観察素材を提供しています。オニオンロードの場所によって、法面の古さがさまざまなのです。工事したてのホヤホヤから、2年経過、5年経過、10年経過…と時間経過がまちまちで、しかも管理が手薄で 法面 (のりめん) の草刈りをしないのです。その結果、道路工事後の法面にできる植生の経年変化が一時 (いっとき) にできるのです。普通ならば10年程度かけて観察すべきことが、オニオンロードを2~3キロ観察しながら歩けば分かるのです。 以下に、道路の法面の植生変化を 「新 → 古」 の順で写真を並べます。

路肩の盛り土法面にナルトサワギクが侵入 の場所)
裸地が出来て1年目
↑ 道路の路肩下の法面斜面は造られて1年以内のホヤホヤで、しかも法面緑化工事が行われていないです。この人工的な裸地にどのような植物が侵入してくるか興味深いのですが、早速ナルトサワギクが侵入してきました。点々と草が生じていますが全部ナルトサワギクです。

ナルトサワギクが見事に大繁茂! の場所)
裸地が出来て2年目
↑ 2年も経てば法面は一面のナルトサワギクです。春ごろには黄色の見事なお花畑になります。この段階のものを見ると、ナルトサワギクが大繁殖して在来植物がやられてしまうなどと錯覚するのも無理はないかもしれません。それほどにナルトサワギクの当初の繁殖力は爆発的にすさまじいです。癌細胞が増殖する勢いというか、燎原の火 (りょうげんのひ) が燃え広がるような勢いです。しかし、よく見ればナルトサワギクが爆発的に繁殖しているのは、人間が在来植物の植生を破壊して土がむき出しになった場所です。この事実を見落としてはいけません。

ナルトサワギクが消え、ススキがはびこる の近くの場所)
4~5年目
ナルトサワギクの黄花爛漫 (おうからんまん?)、わが世の春は期間が短いです。ナルトサワギクが一面にはびこれる期間はせいぜい2~3年か3~4年までしかありません。数年も経てばススキやイタドリなど豪壮な多年草に押されてナルトサワギクは消えていきますわ。自分より大きな草に被陰されるのが消えていく要因だと思われますが、ナルトサワギクは 厭地(いやち) 現象を起こす草なのかも? あるいは、アレロパシー (他の植物の生長を阻害する化学物質を出す) があって、やがてその刃が自分自信に向かう 「自家中毒」 みたいなものがあるのかも??

法面がブッシュ状に生い茂る! の場所)
7~8年目
↑ ここは工事後7~8年経っています。3~4年前まではナルトサワギクがありましたが、今では影も形もありません。どのような草が生えているか観察しましたところ、ススキ・ヤブマオ・ナガバヤブマオ・イタドリ・レモンエゴマ・ノハカタカラクサ・ノアザミ・ヨモギ・セイタカアワダチソウ・ボタンヅルなどの草本や蔓植物です。加えて樹になる幼木がすでに侵入しています。コマツナギ・マルバウツギ・サンショウ・イヌザンショウ・クサギ・タラノキなどです。タラノキの幼木が沢山侵入しているので山菜採りができそうです。

●つまり、環境省が目のカタキにして、NPO法人が駆除補助金にたかっていて、侵略的外来植物と問題視しているナルトサワギクですが、ほとんどの場合、人間が在来植物の植生を破壊して土がむき出しになったところに生えてきます。裸地では爆発的に殖えるのは事実ですが、ところが他の草が侵入してきたら簡単に競争に敗れます。遷移の進行とともにあっという間にナルトサワギクは消えていくのです。裸地ではなく既に他の草が生育しているところでは、ナルトサワギクは侵入することもできません。これのどこが問題だというのか? ナルトサワギクなど放っておけばいいのです。ナルトサワギクが在来植物を駆逐するなどとウソ八百を言って問題視するのは、本当の狙いは税金にたかっているのです。 この国には税金にたかる白アリ・寄生虫・コバンザメ・ハゲタカ・ハイエナ・穀潰しのなんと多いことか!



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