雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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関東以西の太平洋側では、降水強度100ミリ/時など当たり前!
地球温暖化に替わる新利権が、「観測史上最大」 利権だ!

●どうやら、“観測史上の記録更新” というのは、気象庁の予算獲得のメシの種なのであろうか? 観測史上の記録が更新されるというのは、未曾有の大変な危機であり、したがってシッカリと観測し、シッカリと予報業務を行い、気象災害から国民の生命や財産を護らなければなりません。で、そのためにはカネが要るわけで、十分に予算をまわしていただきたい、とシーリングで主張するために 「大変だあぁ!」 と言っているのだと思います。また、マスゴミどもは物事を針小棒大に危機的に煽って報道しなければ、新聞も売れないし、テレビは視聴率をかせげない。ということのようであります。地球温暖化のハナシから日本国家はすでに降りたから、それにかわる新しいメシの種が 「大変だあぁ!」 危機なのであります。実は観測史上最大の原因は何でもいいのです。とにかく 「大変だあぁ!」 と言える顕著な気象現象でありさえすればいいのです。それが証拠に大変な気象災害が発生したさいに、テレビで解説する気象庁関係者の目がなんと輝いていることか! 全然深刻そうな顔じゃないです。もう多くの国民は気付いていると思いますけど、気象庁は地球温暖化という言葉をあまり口にしなくなりました。新しいメシの種がありさえすれば、地球温暖化じゃなくてもいいのです。いまだに地球温暖化を言っているのは環境保護活動団体ぐらいのもので、メシの種が無くなってさあ大変。特に白クマ絶滅危機を材料にして寄付金を集める団体です。ネットで最近必死になってカモを勧誘しています。白クマが減少したのはヒトによる狩猟が原因であったことがとっくに判明しています。温暖化など関係ないのに。もし本当に温暖化で白クマが絶滅するのであれば、縄文海進のときに絶滅した筈です。地球の気温が2~3度上がり、海水準も数m上昇しているのは完全に確定した説です。

●それにしても、観測史上などという大袈裟な表現はおかしいです。史上というのは歴史上ということですが、日本の歴史は文字による記録が始まって1500年程度か? 科学的な気象観測がはじまったのは明治時代のことで、最大限130年ほどしか経っていません。アメダスに至っては1970年代に設置運用がはじまったもので、まだたった30年あまりしか観測統計がありません。30年チョイのものを史上などと表現するのは誇大な不当表示なのです。そもそも史上などという言葉は、最低でも300年や400年以上の歴史の積み重ねがあって初めて使える言葉なのです。

武田邦彦先生も気象庁やテレビに対して怒っています。
「記録的」 がもたらす災害 (1) 大げさで抽象的な表現が災害を生む 
「記録的」 がもたらす災害 (2) 橋が流れる原因・・・正しく伝えることが防災の基本

一部引用
 『数年前から気象庁の表現は大げさで抽象的になり、生活をしている方としてはなにをどうすれば良いかわからない。 … 中略 … 一刻も早く気象庁は表現を正確に (「記録的」 とか 「観測史上最大」 という代わりに、「九州・中国地方では何年ぶり」 という表現) に直すべきである。』

『このブログでは、「記録的」、「これまでに経験したことがない」、「観測史上初めて」 といういい加減な言葉を気象庁が使うことの危険性 (国民が犠牲になる) を指摘してきたが、この事件もいい加減な治水対策をそのまま示したものだが、マスコミは 「異常」 を繰り返している。』  【引用終了

「観測史上最大」 が次々に塗り替えられるカラクリ

●さて、1時間降水量が100ミリに達したことがクローズアップされて、お祭りの如き報道がされています。観測史上最大ということらしい。しかし報道をよく見ると、その観測所において観測史上最大ということであります。1970年代に始まったアメダスは次第に数が増えて、現在では全国に1400箇所ほどもあります。つまり、“1400個の観測史上最大” がありえるわけです。アメダスの分布密度は17キロ四方に1個づつですが、局地的な豪雨ではアメダス観測網ではとらえきれないから、しばしば国土交通省の河川等での雨量観測まで持ち出されます。つまり、更に6000個もの観測史上最大があり得ます。他にも農業試験場とか市町村役場などで降水量観測をしているところも多いから、この国には1万個ほどの観測史上最大が存在するのではないか? 日本は 「観測史上最大大国」 と言えましょう。本質的な問題点として、これら1万個あると思われる雨量観測所の大部分は、たかだか30年余りの観測統計期間しかないことです。短かすぎます。そもそも80年前や100年前にはアメダスは存在していなくて、僅か150箇所あまりの気象官署 (気象台や測候所) しかありませんでした。ただし区内観測所というのはありましたが、大部分は人手による1日1回の観測で、いちいち1時間雨量など測れていません。 ようするに観測統計を取るときの土台となる観測所の数 (母数) が近年膨大に増えたのが、見掛け上、100ミリの時間雨量が近年増えたように見える最大要因です。

観測史上最大といっても、統計期間が2003年からの僅か10年ほどのものがたくさんあります。アメダスの統計開始年は1976年からのものが多いですが、観測所を新設したり、観測所を移転して旧地との観測データに断絶が生じることも多く、1998年からとか、2003年からとかの、短すぎる観測統計期間のものが多いです。統計をとるとき、ある集団の最大値というものは、母数が大きくなるにつれて極端に大きな数字が出現するものだし、統計期間を長くするほど最大値が大きくなるのは当たり前です。10年に1回の出現頻度の現象は小さいですが、100年に1回の現象は大きく、更に1000年に1回の現象は非常に大きいです。(地震なんかは全くそうです) 今後、気象庁が潰れないかぎり、気象観測は営々として続けられると思われます。100年続いた気象官署は200年あるいは1000年を目指します。まだ30数年しか経ってないアメダスも100年あるいは200年を目指します。 「観測史上最大値」 が次々に塗り替えられるのは当たり前です。

「観測新記録」 と表現すべき。なお 「観測期間」 も併記。 

「史上」 などという誇張言葉を使うのはよくありません。 「史上」 にこめられた狙いは、次々に塗り替えられるものを、あたかも国が始まって以来の大変事だと錯覚させようとしているのです。史上最大なのでしかたがなかった、と行政の様々な責任を免罪にする意図もあるのかも分かりません。スーパーマーケットが大安売りを 「販売史上最安値」 だ、天候よろしく大豊作を 「栽培史上最大の収穫」 だ、満員電車を 「営業史上最大の乗車率」 だ、などとなんでもかんでも史上最大などと言ったらとても変です。オリンピックでも単に記録更新 (世界新記録・エリア新記録・国新記録) と表現します。「スポーツ史上最大値」 だあぁ! なんて言いません。「観測史上」 という表現は大袈裟で非常にあいまいな問題表現なのです。武田邦彦先生が主張されるように 「観測史上最大」 などというイメージ誘導を狙った表現はもう止めるべきです。


意味が全然違う
「観測史上最大」 …… 後にも先にもそれが最高値である。歴史が始まって以来の大変事のイメージ。ちょっとやそっとでは更新することができないもの、という感じ。長い歴史の中で1回だけ起こること。決定的な数字。これ以上は起こらない打ち止めの数字。

「観測新記録」 …… たんに従来の記録を塗り替えただけ。記録は次々に破られるもの。記録は必ず更新されるというイメージ。固定的・決定的なものではなく、暫定的な数字である。まだまだ上がありそうという感じ。



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日本列島の 「1時間降水量の階級別分布図」 を作成

気象庁の観測データに基づいて、吾輩が1日がかりで作成しました。自画自賛になってしまいますが、なかなかの労作です。大いに転載・引用して拡散してください。連絡戴いたら作成した元図を差し上げます。 アメダスは統計期間が短くてハナシになりません。そこで統計期間が長い (50~120年程度) 気象台と旧測候所のデータを使用しました。各気象官署での、「1時間降水量の観測最大値」 を、20ミリ刻みの7階級に色分けし、日本地図上にプロットしました。こうしてみると、どの地方が比較的に危険地帯なのか? あるいは安全地帯なのか? 明瞭です。

あなたの地方は大丈夫か?

日本一危険な県はどこか? おそらく高知県であります。危険第一位の150ミリ/時の清水と、危険第二位の149ミリ/時の室戸岬があります。高知県では、最近も大水害があったのを見てわかる通り、最危険県の座は不動です。

日本一安全な県はどこか? おそらくオホーツク総合振興局 (旧網走支庁) であります。安全第一位の32ミリ/時の紋別と、安全第二位の38.5ミリ/時の網走とがあります。安全上位群の北見枝幸や雄武もオホーツク海沿岸です。(なお、北海道は広いので旧支庁を一つの県と考えます)


1時間降水量の階級別分布


● 関東以西の太平洋側・九州は危険地帯。150ミリ/時の降水強度があり得る。
  この地域では、100ミリ/時などは特別に珍しいものではない。
● 東北地方・内陸盆地・瀬戸内地方など、100ミリ/時は起こりにくい。
  しかし、80ミリ/時超の 猛烈な雨 は起こっている。
● 北海道では最大限50~60ミリ/時の降水強度のところが多い。
  オホーツク沿岸地方は比較的に安全地帯か?
  苫小牧で過去 (1950年) に126ミリ/時の雨があり油断できない。
● 薄緑、濃緑の地域が安全だというわけではないです。
  たんに、暖色系から寒色系へと階級別に色分けしただけです。
  たとえ時間雨量が30ミリでも、半日続けば非常に危険であります。
● データを見ると、数10年前の古い記録が結構あります。
  気象官署では近年目だって降水強度が増しているわけではない。



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●以下に、上掲の1時間降水量の階級別全国分布図の元データを掲載しておきます。データの観測は申すまでもなく気象庁の観測です。 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 観測史上1~10位の値( 年間を通じての値) から (リンクは一例として旧洲本測候所のもの)、各気象官署ごとの 「日最大1時間降水量」 1位の記録を丹念に拾い集めて作表しました。洲本では1965年9月16日に、95.2ミリの1時間雨量を観測しています。100ミリには僅か足りませんが、このように関東以西 (以南) では1時間降水量100ミリなどごく当たり前の現象であります。広島で1時間降水量が100ミリに達していたと、連日うるさい報道でありますが、そんなの特別なことでもなんでもなく、昔からごく普通に起こっていた現象なのです。100ミリどころか、太平洋側では “降雨強度150ミリ/h” もあり得るという認識を持っておかなければいけません。


気象官署での1時間降水量の記録 西日本

気象官署での1時間降水量の記録 東・北日本


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