雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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砂浜海岸は、山菜の宝庫
まだ山菜シーズンは終わらない。浜辺は山菜がたくさん!
●本日は2014年5月23日であります。夕方に、淡路島の最南端ちかくの砂浜海岸にやってきました。海岸にあるものを山菜と言うかどうかは横においておくとして、海岸にも食べられる植物がたくさんあります。とくに、砂質海岸は山菜の宝庫なのです。で、本日は海岸の第一級の山菜、オカヒジキをご紹介しましょう。オカヒジキという名は、文字通り陸 (おかと読む) に自生していて、ヒジキのような形状をしたものという意味であります。枝葉の拡大写真を見ると、葉が針葉でたしかにヒジキみたいにみえます。

↓ オカヒジキの葉は、海に生えるヒジキそっくりです。
オカヒジキ

オカヒジキの枝葉の拡大

【↓ 参考写真】 2012年4月6日、福良湾にて。岩に付着する海藻のヒジキです。ヒジキの枝先の葉は針状ですが、写真のものは4月になっているので長けていて、葉の先端が膨らんでいます。厳寒期のヒジキの葉はもっと細くて針金状です。たしかに、オカヒジキは海のヒジキににています。
岩に張り付くヒジキ

オカヒジキ栽培発祥の地は、山形県。
山形県ホームページ 山形おきたま伝統野菜 「おかひじき」 によれば、おそらくオカヒジキを食用として栽培を始めた発祥の地は山形県のようであります。
引用開始】 江戸時代、庄内浜で取れた「おかひじき」の種が、船で最上川を上り、船着場のあった砂塚村(現 南陽市)に植えられたのが、栽培の始まりと言われ、全国的にみても南陽市が栽培発祥の地とされています。その後、各家庭の畑で栽培されるようになり、代表的な夏野菜として好んで食されるようになりました。 「陸のひじき」というだけあって、カルシウム、カリウム、ビタミンA、鉄、マグネシウムなどのミネラル分が多く、またカロテン、ビタミンCも豊富に含まれています。 【引用終了

●山形県の属する東北地方といえば、小氷期で気候が寒かった江戸時代には何度となく飢饉に襲われましたが、食糧不足を補うために、米沢藩の藩主の 上杉 鷹山 (うえすぎ ようざん) が家臣たちに食べられる野草を捜しなさいと命じ、探させたところ日本海側の庄内海岸でオカヒジキが発見され、食べられることが分かり、栽培を奨励したというふうなことではなかったですか? それとも、これは作られたハナシで、もっと昔から東北地方の海岸地帯では食べられていたのですかね?? これは東北地方の食文化や歴史に詳しい人に聞かないとわかりませんが、昔からオカヒジキを山菜として食べているのは山形県とか秋田県などの東北地方ですよね。近年では関東地方にまで広まっているようですわね。山形県で畑で 商業生産も行われている ようですが、写真をみればモヤシ状に軟白栽培しているようです。埼玉県とか千葉県でも栽培されているようですね。

瀬戸内にも、オカヒジキは普通に分布する
●吾輩は、趣味の自然観察 (植物観察) を始めた30年ほど前に、淡路島の砂浜海岸にオカヒジキが普通に分布していることに気付きました。で、そのころから採って食べています。しかし瀬戸内地方ではオカヒジキを山菜として食べる食文化は皆無で、それどころか、そのような植物が存在すること自体が一般には全く知られていません。で、東北地方で昔から食べられているなどと聞くと、ついオカヒジキは北日本の植物かと早とちりしそうです。ところが、瀬戸内海沿岸地方でも砂浜海岸ではオカヒジキは普通種であって珍しいものではありません。図鑑など書物で調べたら沖縄から北海道まで、亜熱帯から亜寒帯までオカヒジキの分布は非常に広範囲のようであります。 

本日、淡路島最南端にある砂浜を観察したのですけれども、波打ち際の海藻が打ちあがっているところにまで、オカヒジキの小さな実生苗が多数見られました。砂浜海岸の植物はふつうゾーネイション (帯状分布) を形成しているのですけれども、もっとも海に近い飛沫帯 (ひまつたい) にオカヒジキがあるということは、オカヒジキの種子散布は海流散布であることを示唆しています。その種子が耐塩性と浮遊性があって (確認していないですが) 海流に乗って種子が拡散するということであり、亜熱帯から亜寒帯まで広範囲に分布する 汎世界種、コスモポリタン種 なのでありましょう。つまり、本エントリーの下のほうに写真を掲げたツルナと同じです。


淡路島産の天然オカヒジキの収穫と、調理の一例。
オカヒジキの収穫
オカヒジキ料理の一例
↑ オカヒジキを湯がいて、適当に切る。カットしたリンゴとウインナーソーセージを加えて、調味料は塩・胡椒・マヨネーズで和えた。結構うまいです。酒のサカナになります。また、朝食のパンのおかずに宜しそうです。ポイントは、オカヒジキはしゃりしゃりとした歯ごたえが身上の山菜なので、くたくたと茹ですぎないことでしょうか。それと、自生の天然品は塩分を含んでいます。塩分を含むのは海岸植物の特徴の一つです。調味料に塩を使うのならばいいのですが、酢とか味噌など他の調味料を使う場合には、オカヒジキを茹でたあと水にさらして塩抜きをしたほうがいいかも? それと、リンゴは産地に要注意です。 叱られるのを覚悟でまた風説をいうのですが、ベクレルの少ないリンゴを選ぶ必要がありますわね。ある事情で、いま、札幌市の地方史を書き述べた書物を読んでいるのですが、戦前には札幌市近郊でリンゴ栽培が行われ、台湾に輸出までしていたそうです。青森のリンゴならばいちおう及第点ですが、北海道のリンゴが入手できたら更によさそうですわ。現在では、北海道でリンゴ生産はしていないのでしょうか?

↓ こちらはツルナの実生苗。採り頃は梅雨ごろです。
ツルナの幼株

●ツルナは多年生の海岸植物で上等な山菜です。越年株のものはいつでも収穫できますが、長けていて堅いです。写真のような今春にタネから生えてきたものは柔らかくホウレンソウみたいに美味いです。今春の実生苗が20~30センチになる梅雨ごろに蔓の先を摘みます。あと1か月で採り頃です。

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ランクルさんのコメント
ツルナというんですか。うちには子供のころから畑に植えてありました。 アサリの味噌汁によくいれていました。 大根の葉っぱで摺り和えをしますが、大根の葉っぱの替わりにその葉を使っています。

うちでの呼び名は 「ハマヂソ」 と言っていました。 浜にあるチソといういみなのでしょうか。 釣りに行ったとき、砂浜にあるのをみて、これは元々は浜にあるものだとは判っていましたが、いまの時代のようにいつでもお金を出せば野菜が買えるというのではなく、お金というものがなかなか稼げない時代だから、ちょっとした空き地があれば畑にして何かを植えていました。

これからはツルナと呼びます。 野菜嫌いの子供でも食べるし、肥をやるでもないのにずっと我が家のどこかにあります。

山のキノコの返信
標準和名がツルナですが、食べられる海岸植物ですし、分布も日本全土はおろか熱帯から亜寒帯まで太平洋沿岸諸国に広範囲に分布しているようです。おそらく全国各地に沢山の地方名があるハズです。わたしの出身地の村ではツルナを 「はまじしゃ」 と呼んでいます。ランクルさんの村の呼び名 「はまぢそ」 と多分同じと思うんですけど、微妙な発音の違いでしょうか? 意味は明らかに浜に生える レタス = チシャ (萵苣・苣、チサ) ですわね。 わたしの出身地でも、ときには畑に植えて、夏の青菜が少ない時期に味噌和えにしたり、葉をてんぷらにして食べています。

ツルナは、18世紀のイギリスの海洋探検家の キャプテン・クック が太平洋を探検したときに太平洋の島嶼民族がツルナを食べているのを見て、種子をヨーロッパに持ち帰ったようで、以来、ヨーロッパでも一部で野菜として栽培しているみたいです。保育社の 『原色日本野菜図鑑』 にもツルナが掲載されていますし、文部科学省の出している 五訂増補日本食品標準成分表 にも収録されています。なので、ツルナは山菜ではなく立派な野菜かもしれません。

ツルナを畑で栽培したら、野生品とは別物かと思うほど葉が大きく柔らかいものができます。ツルナは砂浜海岸に自生しているんですが、砂浜は乾燥・塩害・強風・飛砂で葉が傷つく・強い日射・夏に砂が50度や60度・肥料分がない…など植物の生育には厳しい条件です。ツルナとて厳しい条件の筈ですが、他に競争相手の植物がいないから砂浜を自生地に選んでいるのではないか? と思います。内陸の肥沃な土地では他の植物の方が生育旺盛で競争に敗れるのでは? 畑で栽培すると人間が除草などするから、水分や肥料分が砂浜よりもはるかに多いぶん、素晴らしくよく育つのではないかな、と思います。ツルナが他の植物との競争力がない証拠に、畑でツルナを栽培していても、ちょっとほうっておくと雑草に負けて消えたりしますわ。

>これからはツルナと呼びます。
いやいや、「はまぢそ」 のままでいいと思いますよ。標準和名など、沢山ある地方名の中から、これをいちおうの共通名にしようと選んだだけです。べつに標準和名を使わないと誤りということなど絶対にないです。地方名が沢山あるというのは、多様性があるということで、なんでもかんでも1つに統一しようとするのは、極端ないいかたでは言論統制と同じですわ。われわれ庶民は日常生活のなかで言うのは 「はまぢそ」 「はまじしゃ」 でいいと思います。ブログじゃ、標準和名を使わないと不偏性のある記事にならないから使っているだけなんです…。


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ツルナというんですか。
うちには子供のころから畑に植えてありました。
アサリの味噌汁によくいれていました。
大根の葉っぱで摺り和えをしますが、大根の葉っぱの替わりにその葉を使っています。

うちでの呼び名は「ハマヂソ」と言っていました。
浜にあるチソといういみなのでしょうか。
釣りに行ったとき、砂浜にあるのをみて、これは元々は浜にあるものだとは判っていましたが、いまの時代のようにいつでもお金を出せば野菜が買えるというのではなく、お金というものがなかなか稼げない時代だから、ちょっとした空き地があれば畑にして何かを植えていました。

これからはツルナと呼びます。
野菜嫌いの子供でも食べるし、肥をやるでもないのにずっと我が家のどこかにあります。

2014/05/24(土) 14:17:51 | URL | ランクル #tSD0xzK. [ 編集 ]
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