雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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お花見に行こう! その② フジの花はサツマイモ苗定植の指標
最低気温が10度を越えるとサツマイモの苗を定植
●寒暖計など無かった時代には、暑さも寒さも定量的に客観的に気温を知ることはできませんでした。今日では、最低気温が概ね10度を越えたらサツマイモの苗を定植しても大丈夫というふうに栽培指南されています。日々の気温は激しく乱高下するから、実際的には5日移動平均を算出します。その最低気温が10度を越えてきたならば霜の心配もなくなり、畑の畝に黒マルチを張ってサツマイモを植えられます。で、淡路島近辺で最低気温の平年値 (30年間の平均値) が10度を越えるのは何時か観測統計資料に当たってみました。

【大都市および県庁所在地】
神戸4月8日、高知4月10日、大阪4月11日、和歌山4月12日、徳島4月12日、高松4月18日、

【田舎あるいは都市郊外】
淡路島郡家4月25日、淡路島洲本測候所4月17日、高知市郊外の御免4月14日
大阪府熊取4月20日、大阪府豊中4月21日、和歌山県川辺4月17日
徳島県日和佐4月14日、香川県引田4月23日、香川県小豆島内海4月23日

都市部と田舎とを比べたのですが、内陸部にいくほど朝晩は冷えるから遅れるのは当然です。なので、できるだけ海岸から等距離にある観測所、また立地の地形が似ている所をえらびました。で、都市部ほど、大都市ほど最低気温が10度を越える日が早まっています。神戸海洋気象台は六甲山の裾野にあり、立地場所としては山の斜面です。神戸(4月8日)は、小高い山の上の旧洲本測候所(4月17日)と比較するのがふさわしいです。で、都市のヒートアイランド現象のために9日も早くなっています。中都市あるいは小都市とも看做せる徳島(4月12日)でも、太平洋沿岸の温暖な徳島県南部の日和佐(4月14日)よりも2日早くなっています。

●ところで、気象庁が地球温暖化の気温変動の基礎データとして選定している観測所は15か所です。網走、根室、寿都(すっつ)、山形、石巻、伏木(高岡市)、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島。
気象庁 「日本の平均気温の偏差の算出方法」 
気象庁は 「1898年以降観測を継続している気象観測所の中から、都市化による影響が少なく、特定の地域に偏らないように選定された以下の15地点の月平均気温データ」 と、“都市化による影響が少なく” と言っていますが “影響がない” といっているわけではありません。これには騙されてはいけません。

それよりも、1898年以降のデータですから、116年の長期です。その間に日本の総人口は大膨張しましたわ。1900年の日本の総人口は4385万人です。人口ピークの2008年には1億2808万人です。なんと2.92倍!! → 総務省統計局の資料 つまり、田舎が過疎化になるのは116年間では後半の部分です。都会はもちろん膨張しましたが、田舎も人口膨張しているんです。田舎でもその地方の中心になる都市ではたとえ小都市でも膨張しています。田畑が潰され市街地化しています。都市化による影響が少ないなどと考えるのは錯覚なんですわ。たとえば、網走や根室は都市化とは無縁だとつい錯覚しそうですが、そもそも北海道は僅かのアイヌ人が住んでいただけで (江戸時代には、渡島半島に松前藩があることはありましたが) 人の居ない原野が本州からの移住者たちの手で開拓された土地です。原野から街が出来て行ったと考えるべきで、これは都市化そのものであります。それに北日本の観測所では、道路等の除雪が気温を上げる要因になっていると気象学者の 近藤純正 氏 が指摘されています。気象庁が選定している15か所の観測所のなかには、何と県庁所在都市まで含んでいるのはおかしいです。これでは都市化による昇温を除去できません。全く都市化と無縁なたとえば旧室戸測候所がなぜ選定されないのか? 理由はハッキリしています。100年以上の気象観測の歴史があるのは僅かな数で、みな都市部にあるからです。地球温暖化の議論で一番肝心かなめの地球の気温の算出のいい加減さ、デタラメさ、というよりも地球の気温を計算する観測データ自体が、存在していないといっても過言ではないでしょう。古い観測データがあるのは先進国だけで、しかしそれも都市化の影響で汚染されたデータです。もちろん、気象庁の技術官僚たちは百も承知ですが、もっと上の方の官庁で政治的に決められたことには、逆らえない…、ということのようですわね。

温度計がない時代は生物計(バイオメーター)がその替わり
暖かさを定量的に測定出来なかった時代は、色々な花の開花など植物季節 (フェノロジー) を観察して、種まきなどの農作業を始める指標としました。で、本日とりあげるフジは、満開になればサツマイモの定植適期であります。黒マルチを張ればさらに2週間早く定植ができます。昔はフジの花が咲いたら田植えが行われました。ただし、南あわじ市では現在は田植えはタマネギ収穫後ですが、ほかにもフジの花が咲いたらサンドマメ (インゲンマメ) の種まきや、夏野菜の苗が定植できます。

●もちろん、農作業を始める指標 (ものさし) は花の開花だけではありません。動物も利用されました。ウグイスが鳴くとか、ヒバリが飛来するとかも利用されましたが、動物の季節変化はブレが非常に大きいです。その点は植物の開花等のほうが実用的です。生物以外の季節を知る指標で有名なのは雪国や北日本の 駒ヶ岳(こまがたけ、こまがだけ) ですわね。駒ケ岳の雪が解けて残雪の模様がウマの形にみえたら田植えを始めるとかは有名です。駒ケ岳の駒はウマの意味です。残雪がウマの形に見えるから駒ケ岳なのです。中部山岳から北陸や東北地方には駒ケ岳がたくさんあります。その馬も雪で白い馬もあれば、逆に岩肌が馬形に見えるネガ型の黒い馬もありましょう。白馬岳も似た山名ですが白いポジ型の馬ですわね。近畿地方以西の西日本には駒ケ岳は1座もないのは理由はハッキリしています。西日本の山は低く、山に本格的な積雪が見られないからです。


4月23日 南あわじ市八木成相渓谷にて
↑ 2014年4月23日、南あわじ市八木成相渓谷にて。フジ (ノダフジとも言う) の花が咲いてきました。フジの花が咲いてくるとサツマイモの苗を定植できます。この花が農作業の目安です。農家の人も、家庭菜園の愛好者も、フジが咲いたらサツマイモや夏野菜の苗の定植適期であります。いちいち温度計を見なくてもフジの花が知らせてくれますわ。

●なお、フジの花には、花房の長いフジ(ノダフジ)と、花房の短いヤマフジがありますが、わが淡路島に自生するフジ属植物は、花房の長いフジ(ノダフジ)と、盛夏の8月に花房が小型で黄色っぽい花が咲くナツフジの2種が自生しています。藤の花は野生種はたった2つしかないのに、非常に覚えにくい植物です。左巻きだの右巻きだの言っても、少し古い書物では定義が混乱しているし、フジ(ノダフジ)も山に普通に生えているから、ついヤマフジだと思ったりします。フジとヤマフジという標準和名は誤解を招く非常に紛らわしい名称です。とにかく、淡路島にはヤマフジは分布していないようですわ。捜せば出てくるかも? でも栽培品の逸出かも? フジ・ヤマフジ・ナツフジの見分け方


栽培品 4月24日 南あわじ市灘 沼島汽船乗り場にて
↑ 2014年4月24日、南あわじ市灘 沼島汽船乗り場にて。見事な満開です。これは栽培品です。品種名は不明ですがヤマフジ系のものでしょうか? 花付きが非常に良い系統を選抜したものでしょうか? フジの棚が花で埋め尽くされています。

本日の収穫
本日の収穫
フジの花の調理の一例】 藤の花入り山菜なま酢。
フジの花入りの料理

●フジのお花見が終わったら、花をすこし頂戴しましょう。(失敬する) 普通はフジの花は山菜というふうには認識されていませんが、味に苦味やアクがなく食べられますわ。採取するのは花が咲いたものです。つぼみはやや堅いです。公園にあるシラフジ (ヤマフジの白花品) が香りよく清楚な色で大変よろしい。管理人の目を盗んで失敬します。山菜や野草の類は酢と相性がいいです。

●写真の試作品は、全然美味しそうには見えませんが、フジの花入りで美味しいですよ。フジの花を山菜として推奨します。材料は、ワラビ、イタドリ、フジの花、カワハギの身です。酢のもの (なます) であります。フジの花は湯がいて使います。食感はカンピョウや千切り大根に似ていますわ。なお、イタドリは昨年に本場の土佐国 (高知県) からイタドリ食文化が南あわじ市に伝来しました。太短いイタドリの若芽をさっと熱湯をくぐらせて皮をむき、適当にカットして清水でさらして酸味を抜きます。根元の堅い部分はタケノコの代用品になりますわ。タケノコは値段が高いですが、イタドリ (イタッポ、イタズリ) は無料です。道端にいくらでもあります。


キリの花も咲いています
キリの花 4月25日 南あわじ市福良にて
↑ 2014年4月25日、南あわじ市福良にて。むかしキリの木がよく栽培されたから、いまでも島内各地で野生化したキリの花があちこちで見られます。フジの花と全く同時期に咲きます。よく見ればなかなか観賞価値がありますわ。これもお花見の対象であります。

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