雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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2014年春の山菜採り納め、 シーズン終了間際に真打ち登場!
山菜の横綱 “ゼンマイ” を採る人は島にはいない
●淡路島では、2014年の春の山菜も採り納める時期がまいりました。採り納め寸前となって真打の登場であります。ゼンマイは、これも北海道から沖縄県まで日本全国に分布し、田舎人ならばこれを知らない人はいないでしょう。ゼンマイを見たことがないという人は田舎人に非ず、田舎人のふりをしたモグリといってもいいほどで、それほど知名度が高いです。どこのスーパーでもゼンマイの水煮が売られていて、商品価値がすこぶる高いです。地方によってはゼンマイは山村の貴重な収入源で、自生する場所は留め山とされ、もし無断で山に入ったならば窃盗罪で逮捕されるほどらしいです。

●淡路島でも、秋のマッタケ山は留め山となり、見張り小屋が建てられ、見張りがおって、無断で山に入ったならば現行犯逮捕されます。しかしながらゼンマイを採って逮捕されたというハナシは寡聞にしてまだ聞いたことがありません。それどころか、島民にはゼンマイを採る人はほとんどいないようです。吾輩はワラビを採る人を見たことは限りなくありますが、誰かがゼンマイを採っているのを見たことはまだありません。島内にもいたるところに、たとえば山裾の道路の法面だとか、溜め池の土手など身近なところに、ゼンマイは結構生えています。資源量はかなりあるように思いますけど、島にゼンマイを採って食べる食文化は無いようですわ。ていうか、関西人はゼンマイよりもワラビを好む傾向があるようです。ゼンマイを喜ぶのは東北人や東日本人ではなかろうか? じっさい、ゼンマイ自生地の写真 (ワラビとゼンマイの両種が混生する) を下に陳列しましたが、そこではワラビを採取した跡はありましたが、ゼンマイを採取した形跡はみられませんでした。で、島でゼンマイを採っている現場を見られても、しょーもない雑草をとっているわ、と変人を憐れむような視線で一瞥されるだけです。こらあぁ! おまえ、現行犯逮捕だァ、なんて誰もいいませんわ。で、採り放題、大当たりですが、じつは吾輩もあまりゼンマイは採らないですね。ゼンマイの煮物は美味いですけど、ゼンマイは採取したのち生薬 (しょうやく) してアク抜き・手揉み・乾燥させるのが非常に厄介です。しんきくさい大変な手間ヒマを考えたら、吾輩でもスーパーの水煮の物を買い求めますわ。要するに、磯のヒジキと同じです。磯の岩にいくらヒジキが付着していても誰も採らないです。磯ファンの吾輩もヒジキは採りませんですわ。


【↓ もう、すっかり長けてしまったゼンマイ】 赤っぽいものは胞子を作る 胞子葉 (ほうしよう) です。緑の葉は胞子を作らず光合成をする栄養葉 (えいようよう) です。ゼンマイ採りをするには長 (た) けてしまっています。ゼンマイ採りをする適期は2週間ぐらい前だったか? 4月22日兵庫県南あわじ市にて。
ゼンマイの胞子葉と栄養葉

【↓ まだ若いものも残る】 その個体によって春の出芽の早晩の差がかなりあり、まだ綿毛をかぶった若いものも見られます。手前に栄養葉が2本、奥に胞子葉が1本見えています。左側にワラビが1本あります。
まだ若いものもある

【↓ 斜面にゼンマイとワラビが混生する】 溜め池の土手の斜面に、ゼンマイが自生していますが、ワラビと混生しています。明るい緑色のものがワラビです。ワラビには胞子葉と栄養葉の区別はありません。1本の葉で光合成もするし胞子も作ります。ワラビは乾燥したところに、ゼンマイは湿気が多いところに棲み分ける傾向はみとめられますが、混生することも多いです。
斜面にゼンマイとワラビが混生する

【↓ 本日の収穫】 左側のものがゼンマイ、右側のものがワラビです。1回分のおかずになる程度、少しだけ頂戴しました。あまり沢山頂戴してもゼンマイは後の加工が大変、ワラビは十二分にアク抜き (灰などアルカリ性の資材と、熱とで) しないと強烈な発がん性物質を含んでいます。本来はワラビは強い毒草であります。
 しかしまあ、フクイチ原発が撒き散らした毒のほうがよっぽど恐いですわね。除染なんて、右の毒を左に移し、左の毒を右に移しているだけじゃねえのか? 除染していない山の方からまた毒が流れてくるんじゃねえのか? 政権党に返り咲いた自民党庇護のゼネコン業界が、利権にしているだけじゃないのかい?

本日の収穫


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“ワラビ = 藁火” のことで、ゼンマイの胞子葉のことか??
薬学部教授が国文学 (上代文学) に領空侵犯して、面白い珍説を主張! そやけど、それなりに説得力があるわ。
↓ これが本当のワラビなのか?】 淡路島での山菜シーズンが終わりになってからゼンマイを持ちだしたのは、この胞子葉が展開して赤くなるのを待っていました…。

ゼンマイの胞子葉

● 名著 『万葉植物文化誌』 を著わした薬学部教授の木下武司氏が、文系(人文系)の国文学・上代文学研究に闖入され、植物の分布や生態からの独自のユニークな視点から、国文学者とは一味も二味もちがう万葉集和歌の異色の新解釈をされています。氏によると、万葉集で詠われているワラビは、ワラビではなくゼンマイだと言うのです。
古典植物再考:いにしえの「わらび」はゼンマイであった 
自然の摂理と移ろいの中で暮らしていた古代の万葉人たちは、周囲の自然に強く依存し影響を受け、生活と自然が表裏一体であったであろうと思われます。そんな中では、おのずと花鳥風月や植物など自然物に、和歌の題材を求めたことでありましょう。で、じっさいに万葉集には沢山の植物が詠まれています。木下先生の論文は、国文学研究も文学研究という閉鎖の中だけではなく、自然に関する植物地理学や植物生態学など学際的な視点が必要であることを教えています。氏の主張の骨子は次のようなことであろうかと思います。


主張の骨子

●論文を書いて何かを論考したとしても、ただちにそれがその分野の人々により認められたということにはならないし、別の研究者の目で再考察、再検証が必要なのは人文科学でも同じでしょうけれども、国文学研究とは別の所で発表されているようなので国文学の研究者による査読は付いていないのではないか? でも、まあ、目からうろこが落ちる非常に面白いハナシです。それはさておき、一つの検証として、本当にゼンマイの胞子葉が藁火に似ているのか? 実験してみました。なお、藁火 (わらび) とは藁 (わら) の束に火を点けたものであるらしい。

藁火の燃焼実験をして観察しました。似ているのですか?
藁火の燃焼 ①

藁火の燃焼 ②

藁火の燃焼 ③

藁火の燃焼 ④

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