雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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高級食材とされるハマボウフウは、第一級の山菜!
高級食材として知られるハマボウフウも、天然品はかなり苦い
今年の2月15日に、山梨県の甲府地方気象台で114センチの積雪が観測されました。これは120年の観測統計期間での従来記録の49センチを大幅更新する大雪でありました。で、山梨県を始め、関東地方西部の山間部などを中心にして大混乱でした。道路上で雪に埋もれて立ち往生する車が続出し、ガソリンが切れて暖房がなく凍死者もでました。物流が途絶えて生活に大きな支障が出たのは、まだ記憶に新しいところです。結局、自衛隊も出動して除雪等にあたったのですが、自衛隊の最高司令官であるところの安倍首相が、東京赤坂の高級料亭 「楽亭」 でてんぷらを食べていたことがネットで話題となりました。そのころ報道された首相動静によると、安倍首相が 「楽亭」 に着いたのは16日17時49分です。

甲府地方気象台で記録的大雪を観測
気象庁の観測記録によると、甲府では、2月14日 の06時前から降雪が始まり 2月15日 の09時過ぎに止んだようです。まるまる一昼夜降り続いたことになります。雪は降りやんだのちに急速に溶けて行きましたが、首相が高級料亭 「楽亭」 に到着した頃の2月16日18時の積雪は、58センチと半減しています。しかし、雪が解けるのは気温が上がる日中だけで夜間には解けなかったので、意外に雪がしぶとく残り、甲府で積雪がゼロとなったのは10日後の 2月25日 です。

問題があるとすれば、それは権力と報道の癒着だ!
ネット言論空間、ネット井戸端会議では、「豪雪で死者が出たり、孤立する地区が続出する緊急事態に、最高責任者がのんきに高級料亭でてんぷらを食っているとは何事だ!」 という非難の集中砲火でした。ま、庶民であろうと首相であろうと天皇陛下であろうと、何かメシを食わにゃならんわけです。首相が高級てんぷらを食おうが何を食おうが良いわけで、そのこと自体は何も問題はありません。東海・東南海・南海の3つの連動大地震が起こるとか、浜岡原発が爆発するとかというレベルの事象ならばともかく、最高司令官がなんでもかんでも指示を出すわけじゃないのです。この大雪は事前に予測がついていたハナシで、気象庁がもっと強く警戒を呼び掛けなかったとか、高速道路管理者が早期に通行止めの措置をとらなかったとか、県知事が自衛隊に早期に出動要請をしなかったとか、首相ではなく、もっと下の方での対応のマズさが目立ちました。

もし問題があるとすれば、大雪の後に首相が高級料亭でてんぷらを食べたことではなく、しばしばマスコミの幹部と首相が夕食を共にしているということでありましょう。これでは権力と報道の癒着の疑惑が否めません。テレビや新聞が近年はあからさまに政府の広報機関化しています。政府の大本営発表を垂れ流すだけです。報道機関が政府のプロパガンダを流すだけだったら、国民の知る権利が根底から蹂躙されますわね。


ハマボウフウは、庶民には縁遠い高級料亭で使われる食材
ハマボウフウは、主として刺身のつまとして使われることが多いようでありますが、一般庶民には縁のうすい食材でありましょう。ハマボウフウはてんぷらにも出来ます。首相が食べたてんぷらがどれぐらいのお値段なのかは分かりませんが、ま、普通の勤労者の所得水準では日常的に行ける店ではないでしょう…。年数回程度ハレの日に御馳走を食べようと奮発することは出来るかもしれませんが、そう毎晩行ける店ではないのは間違いないです。で、これが超高級な食材であることを知らない人が多いためか? その浜には大群落になって自生していますが、誰も採りませんわ。目の前に山のように宝があっても、その価値を知らなければ、ただの雑草ということでしょうかね?

↓ 兵庫県南あわじ市の砂質海岸に自生するハマボウフウ
ハマボウフウの大株
詳細な自生場所は非公開です。一番の危惧は業者が根こそぎ採ってしまうことです。やるならば、種子の採取にとどめるべきです。淡路島南部ではハマボウフウの種子採取適期は7月中旬~8月上旬ぐらいかなと思います。種子自体はニンジンの種子に似た小さなものですが、果実が小豆ぐらいの大きさがあるので採取しやすいです。畑で栽培できます。普通に蒔いたのでは発芽率は非常に低いです。で、工夫がいりますが、そのハナシはまたの機会に…。

↓ 葉が展開するとかなり苦い
ハマボウフウの中ぐらいの株
このハマボウフウは山菜とみなすならば超高級品です。しかしながら採集適期は春浅く葉がまだ半ば砂にうもれている状態の黄色いものです。太陽を浴びて濃緑になった葉は苦くて堅いです。てんぷらならばともかく、刺身のつまには無理です。で、ウドの軟白栽培のように、日光を遮断して育てれば良品が採取できます。あまり大きな声で言えませんが (書けませんが)、早春にハマボウフウの株に土寄せ (砂寄せというべきか) をすればいいのです。何回か砂寄せをすると葉柄が白くて柔らかく、食べるとシャキシャキっと歯ごたえが素晴らしく香りもいいです。まさに超高級な山菜になりますわ。でも、自生地はプライベート海岸じゃあるまいし、勝手にそういうことも出来ませんわね。(吾輩はこっそりと1回やったことがありますわ) どうしてもやりたければ畑での栽培品でやるべきですわね。で、繰り返しますが種子採取適期は7月中旬~8月上旬ぐらいです。ただし淡路島でのハナシです。ハマボウフウは北海道北部から沖縄県まで分布が非常に広いですので、サクラ前線が3か月を掛けて列島を北上するみたいに、種子採取適期は場所によって大きく変わるでしょう。

↓ 半ば砂に埋もれたロゼット状の葉の真ん中に、つぼみが見える
早くも花のつぼみが出てきた
気の早い株では、つぼみが見えています。5月の中頃にもなればお花見ができそうです。そのころになればハマヒルガオだとか、ハマエンドウの開花も始まり、砂浜はちょっとしたお花畑になるでしょう。高山植物のお花畑も素晴らしいものですが、海岸のお花畑も、それはそれで綺麗なものです。沖縄じゃハマボウフウの花は早いものだと冬でも咲くらしいですが、やっぱり淡路島は寒い島ですね。もっと温暖化したらいいのに…。何べんも言うのですが、暖かいことはホントいいことなんですよ。ヒトという種はシロクマみたいな毛皮を持たないし、アザラシのような厚い皮下脂肪も持たないです。寒さには適応していません。逆で、我々ヒトは毛のない裸のサルで、皮膚には多数の汗腺があるなど暑さに適応していますね。体の形態や機能から考えても暖かい方が良いわけです。暖かいと暖房費は要らないし、薄い衣装1枚あればいいので服代も要らないし、庭にバナナの木を植えてたら勝手になって食費も浮かせるのです。暖かいのはパラダイスなんです。

↓ ハマボウフウ群落
ハマボウフウが群生する

砂質海岸の植物たち
↑ 上の2枚はハマボウフウ群落の様子であります。上側の写真の部分をザアーッと数えたら50個体ほどありました。意外に小さな個体も多いです。これだけあれば人為的な破壊がなされない限り、この群落は安泰だろうと思います。下側の写真に写り込んでいるビンを洗うときに使うブラシみたいなもの (茶色のもの) は コウボウムギ 、写真右下部分にある丸い葉のものは ハマヒルガオ です。

↓ ハマボウフウの芽生え
ハマボウフウの芽生え
この砂浜をよく観察すると、写真のようなハマボウフウの芽生えが無数にあります。20~30本ほどの実生苗がひと塊になっていますが、このような塊が無数にあるのです。塊ではなく単独の実生もありましたがそれは少ないです。なんか奇妙な現象です。ま、たくさんあるのでこのハマボウフウの群落は今後も維持されていくでしょうが、20~30本の集団で生き残るのは1本か2本でしょうね。それは群落を観察すると親株はそれぞれ単独で自生しているからです。親株・成株は塊となっているわけじゃありませんので。生存権を賭けた熾烈な競争は植物の世界でも同じですわね。

↓ 本日の収穫
本日の収穫
小さめの葉を5枚頂戴しました。株を傷めないように、1株あたり1枚づつ採取。展開した濃緑の葉はにがいです。かなり苦いです。したがって 「てんぷら」 以外には使いみちはありません。てんぷらならば高温で処理するので苦味は減殺し、むしろほろ苦さがうま味に転化しますわ。でも、葉っぱもののてんぷらは素人には難しく、プロの料理人の技術が要りますね。一番良いのは、てんぷらが美味いと評判の店にいって、てんぷら料理を注文するかたわら、持ち込んだハマボウフウの葉を揚げてくれと交渉することですわ。どんなに逆立ちしても素人芸はプロの技術にかないませんわ。草野球選手が束になってもプロ野球選手に勝てないのと同じです。

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追記
●ハマボウフウは料亭などに高価で売れるので、各地で自生品を育成して栽培化できないものか模索しているようであります。たとえば、北海道留萌振興局の 「ハマボウフウプロジェクト」 など。「ハマボウフウやオカヒジキの地域特産物としての振興や機能性に着目した新しい食品開発など『産業の創出』を目指し…」 などと言っています。他地での真摯な取り組みにケチをつける意図は全くないのですが、地産地消型の小規模生産ならばともかくも、大々的にやるのは難しいのではないか? ハマボウフウの産地として埼玉県川口市がブランドの名声を確立していますから、新興産地が頑張っても先行者利得には歯がたたないのが普通です。それに全国各地で似たような取り組みがありますから、もし各地が一斉にやって大量生産をしたならば販路がないとみるべきです。ハマボウフウには大量の生産物がさばけるほどの市場はないように思えます。あくまでも山菜的な脇役で、主力野菜ではありませんわね。

同じ山菜としてワラビなどとは消費の土壌がことなります。ワラビは昔から日本全国の田舎で食べられていました。東京や大阪などメガロポリスに住む都会人でも、子供のころ出身地で食べていたという人は多いです。ワラビは郷愁をさそう田舎の素朴な山菜として潜在的な需要があります。一方、ハマボウフウを食べてきたのは一部の人々だけです。食べたことも、見たこともない人のほうが多いでしょう。したがって、ハマボウフウを大々的に産業として栽培するには、みずから需要を開拓していく必要があるのです。新たに需要を開拓するのは大変なことであります。

●一般的に申して、海浜植物というのは種子の “海流散布型植物” が圧倒的に多くて、分布が非常に広いものが多いです。自分の地方の浜辺に自生する植物をつい地域の特産品などと錯覚しがちですが、意外に亜熱帯から亜寒帯まで分布するものも多いです。ハマボウフウも日本全土の砂質海岸に分布しています。オカヒジキも地域の特産品にということですが、これも分布は広範囲です。オカヒジキの先行者利得を握っているのは秋田県ですかね? (私の認識誤りです。千葉県や山形県ですね。) ビジネスとして、新しい商売としてやるならば、他地方にないものをと思うんですが、どうでしょうかねえ? 潜在的な需要の大きさに依るでしょうけど、皆が一斉にやることは共倒れになるというのが経済の鉄則みたいなものだと思うんですが…。つまり、ハマボウフウもオカヒジキも一般にはあまり知られていないですけれども、全国どこの海岸にもあって、全く珍しいものではないということであります。珍しくもなんでもないものを、地域の特産品にというのは無理があります。(ただし、潜在的な大きな需要があるものはハナシは別です)


↓ 淡路島南部に自生するオカヒジキ】 淡路島南部のわが南あわじ市の海岸にも、オカヒジキは普通に自生しています。ただし、1年草なので今は種子から芽生えたところです。これも第1級の山菜でシャッキとした歯ごたえを楽しむものです。淡路島南部では収穫適期は5月に入ってからです。遅くなると堅くなるので食用不向きになります。収穫適期の範囲は狭いです。
オカヒジキの幼株

↓ こちらもオカヒジキですが密集しすぎです。すこし移植して間隔を開けたほうがいいですが、海岸砂浜は畑じゃあるまいし勝手にそうして良いものかどうか??ま、5月中頃にまた来ますね。軽く湯がいて醤油と鰹節をかけて食べると非常に美味い山菜ですわ。
ちょっと密集しすぎ
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