雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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タラの芽よりも美味いハリギリのてんぷら
山菜の王者タラの芽を凌駕する美味さ
●本日は2014年4月14日であります。 (日が替わって15日になった)
今日 ハリギリ の芽を採ってきました。ハリギリはブナ帯 (冷温帯) に分布の本拠がある落葉高木で、信州とか北海道に多い樹木とされています。けれども淡路島のような暖温帯にも分布していることはしています。多分屋久島まで分布していると思います。屋久島ではかなり海抜の高いところのようですが、西日本でも僅かですが平地にもあるようです。わが南あわじ市では賀集~神代~八木あたりの山裾、すなわち諭鶴羽山系の北斜面の裾野あたりで見られます。ウバメガシなどの常緑樹のなかに混じって点々とある程度で、個体数はわずかです。わたくしも20本ぐらいしか確認していません。どちらかと言うとめったにないというべきかもしれません。ハリギリは非常に美味い山菜で、新芽のてんぷらは絶品です。ハリギリのてんぷらがあれば、お酒が何杯あっても足りませんわ。淡路島南部での大雑把な分布をいま明かしましたから、淡路島南部在住で山菜ファンはハリギリの樹を捜しましょう!


↓ ハリギリの大木を見上げる
樹高は優に20mを越えていると思われます。猿蟹合戦のカニみたいに手の届かない高い枝を見上げました。ちょうど採り頃の新芽がたくさんありますが、手がとどかないですわね。下部の枝の葉は展開していますが、上部の枝先の芽は採り頃ですわ。場所は南あわじ市神代社家の山裾であります。人家の近くです。海抜は110mぐらい。けっして山奥ではありません。

ハリギリの大木を見上げる

↓ 高枝ハサミを使って、ハリギリの新芽を採取
アウトドアの秘密兵器、高枝ハサミでちょうど採り頃の新芽を採集して観察しました。枝にはまばらで大きなトゲがありますが、タラノキよりもトゲが少ないという印象を受けます。

高枝ハサミで新芽を採取する

↓ ハリギリは大木になるとトゲが消える
このハリギリの樹は大木です。生え際から1.2mの胸高で、巻尺で樹の周囲を測ると約180センチありましたので、径60センチぐらいであろうかと思います。で、幹には全くトゲがありません。樹皮には深い縦じまの溝があります。径20センチぐらいのハリギリの樹ならば幹にトゲが残りますが、大木になるとトゲが消失するようです。

大木になるとトゲが消える

↓ 本日の収穫です
今晩のおかずの材料です。今晩のおかずは山菜のてんぷらであります。ちょっと長けていないか? と言われそうですが、確かにちょっと長けていますわね。でも、高い枝のものは採りごろなんですが高枝ハサミを駆使しても手が届かないのです。

本日2014年4月14日の収穫

↓ ハリギリの大木が照葉樹林の中に残存する
ハリギリの分布の中心と思われます北海道や本州中央高地の方がこの写真を見たら、異様な感じがするかもしれません。分布の本場ではふつう明るい夏緑樹林の中に生えるハリギリですが、淡路島じゃシイの樹やカシ類やツバキなどの鬱蒼としげる照葉樹林の中にあります。写真では枯れ木みたいに見えるのがハリギリです。厚ぼったい樹林の中にポツンと生えています。なお、これは上の写真とは別の樹です。場所は1キロほど移動しまして、南あわじ市八木馬回です。海抜は約100mです。これも山奥ではなく人家の近くです。

照葉樹林のなかに残存するハリギリの大木

↓ ハリギリの葉はカエデの葉に似る
カエデの葉に似ていますが非常に大きな葉です。これはまた別の樹なのですが、4月14日の時点で早くも葉がかなり展開しています。既に掌ぐらいの大きさになっています。この樹は採りやすい樹だったので惜しいことをしました。多分、3月末ごろが採取適期だったのではないか? 来年はもっと早く来たいと思います。葉は10枚前後枝先に集まって着きます。おなじウコギ科のヤツデに葉の形は似ていますが、葉の厚みとか光沢が全く異なります。ハリギリの葉は薄いし光沢はありません。

カエデの葉のような形

↓ ハリギリの新芽のてんぷら
絶品です。ハリギリをイヌダラなどと軽視する向きもあるようですが、タラの芽を凌駕する美味さですわ。山菜の王者かもわかりません。ただし、タラの芽よりもアクが強く若干の苦味があります。しかしながらこのアクの強さがハリギリの身上で、ビールが苦いのと同じで、食通好みの美味さなんです。ハリギリの芽の美味さが分かって初めて一人前の山菜ファンといえましょう。

ハリギリの新芽のてんぷら

山菜を長く賞味するには山登りだ!
↓ タラの芽もすっかり長けてしまった
タラの芽もあっというまに長けてしまいましたわ。こうなるともう食べられません。1本の幹の先端に大きな複葉が集まって着くさまは、沖縄や奄美大島の木性シダの ヒカゲヘゴ になんとなく似ていますわね。タラの芽のシーズンはちょっとの間でした。まだタラの芽やハリギリの芽が食べたかったら山登りです。ただし、他県まで行って山菜採りをする場合には留め山でないかどうかよく確認し、トラブルを起こさないように。生物季節前線 (サクラ前線) は1000mの山を1か月近くをかけて登って行きます。吾輩が毎年行くのは徳島県高城山 (1628m) ですが、剣山スーパー林道で1500mまで行けます。山頂までタラノキもハリギリも沢山自生しています。採り頃は5月上旬~中旬です。5月下旬でもまだ採れます。ただし、クマ(熊)に注意。四国東部のクマの個体群は絶滅寸前でもう数頭しかいないと言われていますが、わたくしは1回だけですが見ました。20年近く前のことですが、距離300mぐらいで双眼鏡で確認しました。数日前に、北海道でクマに襲われる事故がありましたわね。本州のツキノワグマは北海道のヒグマより小さいですが、小さいといっても恐いですわね。

タラの芽はもう長けてしまった

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コメント
コメント
北関東の山は高くていいですね
ぬかぼし 様

コメントありがとうございます。

>豪雪地帯の山なのでコシアブラは入れ食い状態ですが、ハリギリとタラの芽はお宝のような存在です。

というのは、コシアブラは沢山あるけど、ハリギリとタラの芽は少ないという意味でしょうか? 山菜の少ない瀬戸内の島からみたら意外なという気もします。豪雪地帯では、あらゆる山菜がわんさかとあるようについ思ってしまいます。

私の住む島ではタラノキは沢山あるのですが、コシアブラの自然分布はないです。タカノツメも分布していないです。兵庫県本土側の山に行ったら少しはあるのですが、明石海峡大橋の通行料金が高すぎて、気安くいけません。豪雪地帯がうらやましく思います。

今日は寒波が日本列島にまで降りてきていますが、北関東の山々じゃ(日光男体山とか)雪が降ったんではないですかね? ていうか、まだまだ残雪があるでしょうけど。そちらの山は高くていいですね。
2016/04/29(金) 14:43:53 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
はじめまして
私、北関東に住んでまして、1週間前に山登りのついでに少しだけハリギリとタラの芽を採取できました。
豪雪地帯の山なのでコシアブラは入れ食い状態ですが、ハリギリとタラの芽はお宝のような存在です。
で、復習もかねてハリギリで検索してみたところこのサイトと出会いました。
詳細な解説ありがとうございます。大変参考になりました。
2016/04/29(金) 13:02:42 | URL | ぬかぼし #- [ 編集 ]
たぶん、北国のハリギリは格別に美味いと思います。
蕗 様

コメントありがとうございました。

タラノメを半分逃したということですが、北海道じゃタラノメ採集は5月に入ってからのようですので、本州の北部あたりでしょうか? 

ハリギリの評価は分かれるところですが、ひょっとしたら地方によってアクや苦みの強さに違いがあるのでは? という気がしています。

そもそも植物は同じ種であっても、環境が替わると姿かたちが微妙に変化します。たとえば、フキは南ほど草丈が小さいのですが、秋田県や北海道では2mとか大きくなりますよね。(これは倍数性の関係もあるのかもしれませんが) 木の芽といえば西日本ではサンショウのことですが、新潟県や山形県の豪雪地ではアケビの新芽のことを指すようで、豪雪地ではアケビの新芽をもてはやして食べているようです。で、私も自分の住む兵庫県・淡路島のアケビの新芽を何回も試食していますが、苦みが強すぎて、どのように料理しようが食べられませんわ。

いちばん考えられることは同じ山菜であっても地方によって味が異なるのではないか? ということですが、たぶん、多くの山菜は、寒冷地ほど、また積雪が多い地ほど、柔らかくてアクや苦みが少ないのでないか? と見ています。

西日本太平洋側では山菜の人気が乏しいのは、真冬でも畑に青菜が豊富にあるというだけでなく、そもそも山菜が不味いということがありそうです。温暖な気候のため山菜のアクが強く苦いせいじゃないかと思います。野菜でも気温が高いときのキャベツは不味いですが、冬の霜に当ったキャベツは甘くて美味いです。

タラノメを逃して、代わりにハリギリの試食をされるということですが、たぶん、北国のハリギリの芽は苦みが少なく美味いのではないか?? と想像しています。
2016/04/26(火) 16:11:41 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
こちら北国、季節の進みが早くてタラノメは半分逃してしまいましたが、4/25、かわりにこの芽が出ていました。検索したら出てきました。とても勉強になりました。

苦味が強い山菜といえば茸のクロカワを思い出します。心地よい苦味で、ビールや日本酒に合ったと記憶しています。このハリギリはそれとはまた違った味わいなのか?? 試食が楽しみです。
2016/04/26(火) 14:36:24 | URL | 蕗 #yRAeQiHM [ 編集 ]
浅薄な机上の知識を言う暇があったら、園芸とか植物生態とか学びなさい
あんた馬鹿か。

それはタラノキについて言うハナシやで。

何でか言うたら、タラノキは主幹が1本立ちとなって側枝が出にくい性質が強い。そういう性質の樹木の頂芽を採取したのち、さらに、頂芽欠損を補填するために出てきた側芽をも採取すると、樹勢を削ぎ、枯らしてしまう危惧があるということなんや。樹高20m以上に大きく育ったハリギリの短枝が何百本もあるうちの1本や2本枝ごと採取しても、樹全体の樹勢には全く影響なしや。まちがっても枯れたりしえへんわ。樹種・樹齢を間違えるな。アホたれ。
(ただし、ハリギリも幼木の場合はタラノキと同様)

比ゆ的に、九牛の一毛か二毛を抜くみたいなものなんや。あるいは、小さなネズミから10CC採血するとネズミには致命的やが、大きなゾウから10CC採血してもゾウには痛くもかゆくもないと言うたら、理解できるかな?

マナーちゅうもんはあるけど、単に、教条的に、お題目を言うのとは違うんやな。その樹種や、樹齢や、生育環境や、生育状態に応じて、臨機応変に柔軟性をもって考えなあかんのや。おまはんが言よるのは、たぶん山菜の解説書などで得たんやろう、浅薄な机上の知識なんや。これが都会のヤツが陥る盲点なんやで。

大きく育った樹はな、むしろ、積極的に大枝を間引くように整枝剪定してあげて樹冠の内部にも陽光がよう差し込むようにしてあげたほうが、その樹が健康で、生育が良うなるんやで。適度に枝を切って透かしてあげたほうが、害虫や病気に強くなるんや。これは果樹栽培や庭木の管理の基本や。山野の樹木も全く同じなんやで。おまはん、たぶん、都会のヤツやろう。自然とか、樹木とか何も知ってないな。おまはん少し園芸とか林学とかを学んだほうがいいよ。

他人のブログに落書きする暇があったら、フィールドにでて樹木や自然や植物や生態をよく観察しなさい。フィールドの現場で実地の勉強をしなさい。机上の浅薄な知識をふりかざすな。だから、都会のバカ者が田舎にきたら嫌われるんやで。

ついでに言うとくが、二番芽ちゅうのはね、頂芽欠損があった場合に、潜在的に隠れていた芽が急速に育って出てくる二番目の芽なんや。あくまでも時系列で後から出てくる芽よ。写真のものは頂芽と側芽が同時に出ていて、これは二番芽などとは言えへんよ。
2016/04/18(月) 16:22:40 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
芽物を取るときに枝ごと切るのはマナー違反ですよ。二番芽も三番芽も採っちゃって…
あまつさえこんな形でブログで公開して。恥を知りなさい
2016/04/18(月) 14:42:51 | URL | 山菜好き #- [ 編集 ]
うちの庭のはりぎりは、アクがつよくて、とてもたべられません。
2015/10/21(水) 13:01:50 | URL | #- [ 編集 ]
森竜樹様
コメント有難うございます。

べつに詳しいわけじゃ全然ありませんが、晩のおかずの材料探しで野山をさまよっています。
春も遅くなれば、四国の山の上にあがって北日本並の遅い山菜を探していますが、交通費等を考えると高いものにつきます。

西宮市にお住まいのようですが、我々の住む兵庫県でも北部の山々の海抜800mあたりから上にネマガリダケ(チシマダケ)が分布していますよね。ネマガリダケは小さくて細いタケノコですが、アクがなく、美味いタケノコです。味噌汁に入れても美味いし、煮物にも天ぷらにもなんでもいけます。但馬の人らは「スズコ」と呼んで採って賞味しています。今時分がちょうど採る時季ですね。わたしも昔は兵庫・岡山県境の後山によく採りにいきましたが、行くまでの高速道路代やガソリン代を考えると大変高いものにつきます。最近では年もとったし県北部まで行く元気がなくなりました。というか、淡路島のような田舎者ですので兵庫県本土側の高速道路を突っ走るのが交通量も多く恐くなってきました。もっぱら四国の山に入り浸りですが、四国山地にはチシマダケが分布していないので残念です。

以前、山で掘りとった苗のチシマダケを持ち帰って、里山の北斜面の涼しい所で栽培を試みましたが完璧に失敗しました。チシマダケは最深積雪50センチ以上のところの山に分布する日本海要素の植物で、冬に乾燥する太平洋側や瀬戸内の平地で栽培するのは、気候が違いすぎて無理のようです。チシマダケは環境条件にたいする要求度が極めて高い植物(つまり気難しくて、ちょっとでも環境条件が合わないと機嫌が悪い)であることを思い知らされました。
2015/05/30(土) 11:01:48 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
勉強になりました
ありがとうございます。はりぎりを検索すれば出てきました。とても参考になり勉強になりました。山菜取り取り詳しい方にお供すれば楽しいでしようね。西宮植物ふしぎ研究所森竜樹
2015/05/30(土) 05:25:05 | URL | 森竜樹 #WbNlhIfY [ 編集 ]
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