雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ミミガタテンナンショウのお花見
ミミガタテンナンショウの観察

●佃煮の材料にするためにサンショウの若芽を採取したのですけれども、その谷には (そのダム池近くには) 兵庫県版レッドデータ種でAランクになっているサトイモ科のミミガタテンナンショウという多年草の自生地があります。ちょうど花期にあたっていたから観察しました。鶴峰山 (608m) 周辺には同じ仲間の植物として、アオテンナンショウ・ウラシマソウ・ナンゴクウラシマソウが見られますけど、これら3種よりもミミガタテンナンショウは花期が早いです。1か月近くも早いです。暖冬の年には3月中旬から咲いています。普通は淡路島では3月下旬~4月上旬がミミガタテンナンショウの花期です。

●テンナンショウ属の植物には、ずばりマムシグサという種もあるように連想するイメージが陰気っぽく、この仲間の植物を嫌う人が多いですわね。けれども茶道ではウラシマソウを茶花に活けることもあるようで、洲本の三熊山からウラシマソウが消えた理由が、茶道の人たちが採ってしまったからだとも言われています。グロテスクな花でも珍重する人々もいるわけです。ま、ミミガタテンナンショウは、とくに淡路島に自生する集団は花の色が薄いのでグロテスクさがほとんどありません。個体によって花色の変異の幅がかなりあり、緑色っぽいものや、赤っぽいものも見ています。お花見をするような花ではないのですけれども、結構観賞価値があるのではないか? 観賞価値があるといっても自生地で自然のままを愛でるだけにとどめ、採ってはいけません。


↓ クヌギ林の林床に生じたミミガタテンナンショウ
この写真のものは花の色がかなり薄いので、上品な感じさえします。葉の小葉の真ん中に、斑入りのような文様が見られます。

ミミガタテンナンショウ

↓ 口辺部が耳状に張り出すのが本種の特徴
花の中央にある棍棒みたいなものは付属体。その棍棒から左斜め下方向に張り出しているのが口辺部。ミミガタテンナンショウは耳形天南星の意味で、この口辺部の張り出しが標準和名の由来であります。

口辺部が耳状に張り出す

↓ こちらは別の個体です
花の色がやや濃いめであります。また、葉に斑入りみたいな紋様がありません。

これは別の個体

↓ さらに別の個体です
こちらの物は花の色が紫味を帯びています。耳たぶ状が整った半円形であります。良く観察すると、人の人相は十人十色と同じように、花色や花相も十花十色でありますね。

さらに別の個体の耳状の張り出し

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『改訂増補 淡路島の植物誌』 2012.10 から借用

名著として絶賛され、淡路島の自然を考えるときには、なにはさておいて先ず第一に見るべき文献であるところの、小林禧樹・黒崎史平・三宅慎也 共著 『改訂増補 淡路島の植物誌』 CD-ROM版 2012.10 自然環境研究所 刊行 の40頁から、ミミガタテンナンショウの解説を以下に借用させていただきます。

引用開始
 海岸から山地の林下に生える多年草。仏炎苞の舷部が紫色から紫褐色(まれに緑色)で口辺部が耳状に著しく張り出す。わが国固有で、本州(青森~静岡県)・兵庫県(淡路島)・高知および愛媛県(西部の海岸と島)・九州(大分県)に分布しており(図11)、淡路島は東へは静岡県まで、西へは愛媛県まで隔離分布している。(小林2004)。
 兵庫県では1993年にダム建設に伴うアセスメント調査のときに諭鶴羽山地の一角のスギ植林地で初めて見つかった。その個体群は工事に伴い移植されたが、今では確認できなくなっている。その後の調査により、周辺地域や洲本市でも新たな生育地が見出されているが、いずれの生育地も個体数は限られており、保全のためのモニタリングが必要となっている。淡路島で本種が見出される以前は、四国西部のものは耳の張り出しが大きいことと、中部地方から遠く隔離分布することからオキノシマテンナンショウ var, conspicuum として基準変種から区別されていたが、東北から四国にかけての7集団の形質を再検討した結果、四国西部のものも基準変種にまとめられることがわかった。(Kobayashi et al, 2003)。淡路島の集団については、仏炎苞の色がやや薄く、緑褐色~褐紫色になる傾向があり、地域的な変異が認められる。【引用終了


図11を模写、ミミガタテンナンショウの分布
ミミガタテンナンショウの分布図

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因果関係はないが、放射能汚染の分布と酷似だわ

●小林先生が、各地の研究機関の標本庫に所蔵されている標本のラベルに記載された産地を、日本列島の白地図にプロットして作成されたのであろうと思われるミミガタテンナンショウの分布図でありますが、何かに似ているなと思うのですが、これはフクイチ過酷事故で放射能汚染が広がり、放射能汚染スポットの分布図に酷似していますわね。淡路島と、四国西部の何箇所かを消せば、放射能汚染分布図ですわね。

●風評を言うなと叱られるのを覚悟でもうせば、何回も言うように、日本列島は長細い国であったのはラッキーでしたね。もし日本が円形の国で、真ん中にフクイチ原発があったのならば目も当てられませんわ。それと本州の走向にそって真ん中に脊梁山脈があったのもラッキーでしたね。2000mの海抜高度がある脊梁山脈が、屏風になって放射能雲の日本海側への侵入を防ぎました。危機一髪で北陸地方と東北地方日本海側が助かりましたね。日本地図を見るたびにそう思いますね。

●今朝 (4月4日) の神戸新聞1面に、福井県での原発事故を想定した広域避難に関する記事がデカデカと掲載されています。アホな、としか評しようがありません。広域避難体制を整えるから原発を再稼働すべきだとの文脈で、大本営発表の太鼓持ちをしているのが新聞です。いまや新聞は権力ベッタリ、原発利権者どもの走狗に成り下がっています。最早、新聞には権力の横暴を監視するのだという矜持などカケラもありません。新聞は大本営発表を右から左に流しているだけです。元の情報は 関西広域連合 が3月27日にリリースした報道発表資料のようです。 関西広域連合 「平成25年度 福井エリアにおける検討結果」 新聞が (マスコミが) 大本営発表を右から左に流すだけなのならば、マスコミの存在理由はもはやありませんね。なぜならば、ネットが普及して誰でもが取材元の情報に簡単にアクセスできるからです。つまり新聞の必要性が低下しているのです。それも原資料を直接読むことが出来ます。新聞は原資料の一部を切り取って、何らかの意図の下に都合良く報道をしていますね。新聞の不買運動を起こすべきですね。

広域避難体制を構築するから、原発を再稼働すべきだと考えるのは根本的な間違いです。広域避難体制を構築したからといっても原発が安全になるわけでは決してない。危険性はなんら変わらないのです。広域避難体制を考えなければいけないほど、原発は危険をはらんだものであるということです。しばしば 「安全な原発ならば進める」 などというアホウな主張がされますが、矛盾しています。本当に安全なのならば避難など考える必要はないのです。広域避難などと言っていること自体が、暗黙に、原発は非常に危険なんだよと原発推進者どもが認めているわけです。したがいまして、新聞は読者の目となり耳となって、読者の立場に立つのであれば、次のように論陣を張るべきなのです。そうでないと、新聞は早晩に読者から見離されるであろう。


広域避難を考えざるを得ないほど、原発は非常に危険なもの

である。したがって、即刻に原発を止めるべきだ!



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