雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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2014年春の山菜 (フキ)
消えてゆくフキ、自生地が激減!
●昔はどこにでもあったのに、最近めったに見なくなった身近な植物に山菜のフキがあります。淡路島南部の鶴峰山 (608m) の南斜面の海岸の村では、かつては陸の孤島で、離島振興法の対象地域になっていますが、今年平成26年3月31日をもって対象地域から解除されます。まことに目出度いことであります。離島振興法解除の理由は立派な道路が出来て、淡路島の中心地区との交通が容易になったためです。むかしは陸の孤島であったから、物を買う店らしい店などなく、春の晩のおかずといえば、ワラビ・フキ・竹の子・村の豆腐屋さんが手作りしていた油揚げを煮つけたものが定番のおかずでありました。家の周囲の野山でおかずの材料 (山菜) を調達していたのです。で、子供のころ母親にフキを採って来なさいと命じられ、小学校から帰るとフキ採りをしたものでした。ところが、いまではその村でもフキがほとんど見られなくなりました。

フキが激減した理由はハッキリしないが、色々考えられる
なぜ、フキが急速に減少したのか不明です。ミカン山の畦等にたくさんフキがあったから、ミカン園が耕作放棄され雑木林に戻っていった為かもしれません。あるいは薪炭が要らなくなって山の木を伐らなくなり、光環境が悪化して陽生植物であるフキには日蔭すぎるのかもわかりません。あるいは、フキはかつてはシカ (鹿) の不嗜好植物でありましたが、草本植物が減少するにつれ餌資源がへって、フキを食べるようになったのかもわかりません。あるいは、農家の人が長年除草剤を使った影響で消えたのかもわかりません。あるいはヒトが乱穫したためかもわかりません。あるいは南の地方ではフキは栄養繁殖する三倍体のものが多く、栄養繁殖を長年するうちにウイルスに感染し生育不良を起こしたとか? いろいろな要因が思いつくのですが本当の理由は何なのか、調査をしないことにはハッキリと分かりません。


フキのとう
↑ フキのとうです。 “とう” とは花茎のことですが、これはすでに長けています。フキのとうの採取は、淡路島南部では2月下旬~3月上旬ぐらいです。ちょっと遅すぎましたわ。てんぷらにするとほろ苦さがあるものの美味いです。また来年です。

フキ
↑ フキの佃煮を作るためにフキを捜しに来ましたが、まだ小さいものが多いです。この写真の物はそこそこの大きさですが、これは特別に大きいのであって、今年は冬が寒かったので生育がかなり遅れています。あと2週間待ちます。

南の地方のフキは小さく、北日本のフキは巨大
というのは良く知られています。有名なのは秋田フキとラワンブキ。リンク先の記事や写真を拝見すると、たしかに巨大です。大きければ良いというものではなく、茎が4mに達するほど巨大では佃煮には向かないですわ。佃煮は茎の丈が20センチほどの小さなものを皮付きで煮るのが美味いのです。JAあしょろのホームページでは15種もの料理法を陳列していますが、やはり佃煮がありませんわ。

秋田県観光総合ガイド あきたファンドットコム 特集>秋田の食>秋田ふき

北海道十勝総合振興局 足寄郡足寄町 JAあしょろ ラワンぶき

●北日本のフキが巨大になるのは、倍数体(ばいすうたい になっているからだと説明されますが、フキは2倍体と3倍体が知られ、4倍体や6倍体のフキはまだ発見されていないようです。愛知早生フキなど栽培種は3倍体のものが多いらしいです。野生品にも2倍体も3倍体もあるらしい。だとすると、倍数体になっているから北日本のフキは巨大なのだという説明では、説明しきれていないように思えますが、どうなんでしょうか? 遺伝的な差異があるとか、環境の違いによるとか? てなことはないのだろうか? (よく分かりませんが) 北海道の巨大なラワンぶきの苗 (地下茎) を取り寄せて、淡路島の気候の下で栽培したらどうなるのかな? 案外、ちっちゃい50センチぐらいのフキになったりして…。栽培実験をやってみたら面白そうです。

南の物が小さく、北の物が大きくなるという例は、他にもウバユリ (オオウバユリ) とか、イタドリ (オオイタドリ) とか色々ありますわ。他の物はどういう理由で北の地方で大きくなるのでしょうか? 

●葉という器官について、普通は南に行くほど座布団みたいに大きく、熱帯のバナナの葉とかタロイモの葉とかは巨大です。熱帯では真上から太陽が照らすので座布団みたいな大きくて広い葉をベローと広げるのが有利です。北に行くほど葉が小さくなる傾向があり、高緯度の寒帯の樹木は葉が針葉になります。針葉は、高緯度のため太陽高度が低く、太陽の直射ではなく大空全体からの散乱光を受けて光合成するためには針葉が有利と言われますわね。フキはこれと逆で北ほど葉が大きいというのが面白いところです。


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動物が北にいくほど大きくなるのは、有名なベルクマンの法則
ベルクマンの法則 というのは生物の教科書にも載っています。教科書ではクマが引き合いに出されます。たしかに、北海道のヒグマは本州のツキノワグマよりも大きいです。高緯度の北の地方に行くほど気候が寒くなるから、動物は体が冷えないように大きくなるというハナシです。相似な物体は大きくなるほど、体積にたいする表面積の比率が小さくなる、つまり表面積の比率が小さくなると物体からの赤外放射が少なく冷えにくい…。これは 2乗3乗の法則 の一つの顕われであります。小動物ほど運動能力が高いのも2乗3乗の法則から説明できます。筋力は筋肉の横断面積に比例して大きくなるだけです。横断面積が倍になるには筋肉の量は2.828倍になる必要があります。つまり体重が約3倍になって筋力が2倍になるのです。小柄な体重50キロの女性4人と200キロの巨漢とが綱引きをすると、たいていは小柄な女性軍が勝ちます。小柄な女性は細身であり、200キロの巨漢は太くて体型は違うのですが、それでも小柄な細身の女性軍が勝ってしまいます。小さな昆虫は自分の身長の何十倍もの跳躍が出来ますが、ゾウは飛び上がることが出来ないのも、2乗3乗の法則から説明できます。

2乗3乗の法則

2乗3乗の法則


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