雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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雪になるか? 雨になるか? 気象観測統計からみたその確率。
●冬に天から落ちてくるものが雪になるか? 雨になるか? は寒冷地であろうと温暖地であろうと重大な関心ごとです。先日、山梨県の甲府地方気象台で114センチの積雪を観測しましたが、高速道路や一般道など大混乱があったみたいです。山間部では孤立する集落もあり、人的被害もかなりあったようですが、政府の対応の遅れが際立ちました。やはり、この国の政府は国民の生命や健康や財産や権利を全く護る腹がないことが判明しました。もしこれが雪ではなく雨であったならば何事もなかったであろうかと思います。降水量としては98.5ミリで結構まとまった雨でありましたが、降雨強度は最大でもたった8ミリ/時にすぎませんでした。これでは洪水など起こりません。ところが雪であったため1メートル14センチの積雪の深さとなり大混乱です。もちろん普段あまり積雪のない地方であったため1メートルもの積雪に何の備えもないのが大混乱の要因でありましょうが、このように雪になるか? 雨になるか? で社会が受ける影響が全くことなるわけで、雪か雨かは重大な関心ごとであります。

●さて、そこで、厳寒期の1月および2月に空から落ちてくるものが雪になるか? 雨になるか? の観測統計上の雪になる確率を調べてみました。各地の雪になる確率を表にしました。気象庁のホームページから各地の観測データを抽出しましたが、数字は1981―2010年の30年平均値です。降水日数Aというのは、1月および2月の0.0ミリ以上の降水日数の合計です。雨量としてはゼロであったとしても少し地面が濡れたなどの僅かなにわか雨があっても日数にカウントしているものと思われます。降雪日数Bというのは、たとえ雪が積もらなくとも、またみぞれであったとしても、雪片がひらひらと少しでも舞えば日数にカウントしているものと思われます。で、BをAで割り算した比率B/Aの数字(%)を、降水が雪になる観測統計上の確率としました。たとえば、首都の東京の28.9(%)というのは、100回何らかの天から降水があれば。そのうちの28.9回が雪として落ちてくるという意味であります。


1月・2月における降水が雪となる観測統計確率
各地の1月2月に降水が雪になる観測統計確率
各地の1月2月に降水が雪になる観測統計確率
↑ 上の表は 気象庁HP 過去の気象データ検索 から各地の気象台の観測データを拾い集めて作りましたが、測候所 (名瀬と帯広) を含みます。

次に、上の数値群の表を散布図に加工しました。
その観測地点の 「年平均気温」 と 「降雪確率」 という2つの変量の関係性を、パッとひと目見てパターン認識出来できるようになるのがグラフ化する意義でありましょう。しかしながら、この散布図では、年平均気温が低い寒冷地では降雪確率が高く、年平均気温が高い温暖地では降雪確率が低いという、しごく当たり前のこと を示しているだけです。(何か分からなかったことが、新たに分かったわけではありません)

1月2月における各地の降るものが雪になる観測統計確率

この散布図を観察して、言えそうなこと
●年平均気温が12度以下の地方では、1月2月に降る物はほとんど雪。(85%以上の確率)特に年平均気温が10度未満の北海道ではほぼ100%雪になる。
●年平均気温が20度以上の地方では、1月2月の厳寒期でも雪の可能性はない。
●年平均気温が10-20度の範囲にある地方では、平均気温が上がればと雪になる確率が下がるという右肩下がりの負の相関関係がある。補助的に引いてみた多項式近似曲線の観察から雪になる確率はおおむね、次のような目安です。

1月2月に降水が雪になるかどうかの目安
年平均気温と降水が雪になる確率

ところで、標高が上がると気温が下がりますが、例えば海抜約800メートルに町や寺院群がある高野山では、年平均気温が10.9度です。近畿地方中部の平地で雨降りであっても1月2月はほとんど雪になっています。10.9度という年平均気温は東北地方北部と同等で、90%の確率で雪となるわけですが、現実と作製した目安とがピタリと一致しています。したがいまして、上に示した雪になる確率の目安は水平方向の気温差だけでなく、垂直気温分布にも適合しそうです。

●散布図をよく見ると、太平洋側の地点が近似曲線の下側に入り(つまり雪になる確率が下がる)、日本海側の地点が近似曲線の上側に来る傾向(つまり雪になる確率が上がる)が僅かに認められます。たぶん、おそらく、次の要因ではないかな?? 

 雪になるかどうかは湿度が大いに関係していて、湿度が30%や40%の場合には気温が5度とか7度でも雪になることがあります。逆に、湿度が高くて90%ならば1度や2度でも雨になることが多いです。
 太平洋側で雪が降るのは、冬型の天気分布で日本海側の降雪雲が北西季節風に乗って太平洋側まで流れてくる場合もあるのですが、降雪の多くは南岸低気圧に因る雪で、つまり南からの暖湿気流の侵入で湿度が高い状態での降雪が多いから、雪になる確率が下がるのではないか??
 一方、日本海側は降雪雲がすきまなく空を覆い豪雪にもなれば湿度は当然上がるにしても、季節風の吹きだしの初めに季節風に乗って風花が飛んでくるような状態では湿度が低いです。そういう湿度が低いときの高温時降雪が意外に観測されるからではないか?? 


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