雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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旧洲本測候所の気温データは、淡路島島民の生活実感から受ける気候の印象から乖離している。
●本日は2014年1月21日であります。毎日寒いわけですが、人と会ったときの挨拶が 「寒いですなあ」 であります。昨日20日にはアメダス南淡で最低気温の記録更新が樹立されました。観測統計期間が10年と短いわけですが、-4.3度が示顕し、用水路には結構ぶ厚い氷が張り大きな霜で淡路島南部特産のタマネギの苗が縮かみました。白菜もキャベツも外葉が塩もみしたかのように萎れていました。今冬は暖冬ではなく厳冬だというのが生活実感です。それは正月明けから連日結氷するわ霜が降りるわで、冬の風物詩が頻繁に観察されるからです。20日には北海道の中頓別で-31.6度が観測され南極みたいな低温ですが、それと比較すれば-4.3度など暖かいものではないか、零度を少し割ったぐらいでガタガタと騒ぐな、と北日本の方から笑われそうです。しかしながら寒冷地と比較して寒いと言っているのではなく、以前と比べてどうなのかという話です。南あわじ市では近年冬が大変寒いという印象がします。おそらく他地方の方々も似た印象を持っている人が多いと思います。あれほど大騒ぎした地球温暖化ですが、1998年をピークに気温上昇は停止しています。それどころか、気候変化をモニターする各指標は一斉に寒冷化が始まっているんじゃないかということを示しています。私がいうのではなくて専門家たちが言い始めていますよね。

●ところがです、淡路島南部にある気象庁の観測所は洲本特別地域気象観測所(旧洲本測候所)と、アメダス南淡です。テレビの近畿地方版の天気予報や、新聞の天気コーナーで紹介されるのは、旧洲本測候所の気温データです。前から思っていたのですが、この旧洲本測候所の気温データーが実感と全然合わないのです。連日、氷が張り大きな霜が降りているのに気温データがプラス圏で、あれぇ? 変だぁ? てな感じです。天気予報で紹介される旧洲本測候所の気温は、淡路島地方の気温を代表していないと言えそうで、この問題を検証してみます。


アメダス南淡と、洲本特別地域気象観測所 (旧洲本測候所) とでは、気温の表れ方に、顕著な相違点が見られる。
気象庁観測データから作表

●気象庁の観測データから、旧洲本測候所とアメダス南淡の2014年1月1日~1月20日のデーターセットを抽出して作表してみました。一目瞭然です。こんなに差があるとは私も認識不足で、改めてビックリしています。南淡と洲本の違いを箇条書きに列挙してみます。

アメダス南淡
・朝は冷え込む。期間の20日のうち13日が最低気温が氷点下。
・日中は暖かい。最高気温は10度前後まで上昇。冷込んだ日ほど日中は暖かい。
・日較差が平均で10.2度で非常に大きい。一日の寒暖の差が非常に大きい。

旧洲本測候所
・朝の気温が氷点下になりにくく、最低気温平均が南淡よりも2.5度も高い。
・日中も気温が上がりにくい。最高気温平均が南淡より1.6度も低い。
・日較差平均がわずか5.9度しかなく、南淡のそれの10.2度とは大きな差がある。

さらに良く見ると、寒いといっても2種類の寒さがあります。シベリアから地を這うようにして襲来する寒気移流による寒さと、晴天の無風の夜間にしんしんと冷え込む放射冷却の寒さとがあります。寒気移流による寒さでは、南淡も旧洲本測候所も気温差がほとんどなく、100mの標高差からくる気温減率程度、洲本の方が気温が僅かに低いです。いっぽう放射冷却による寒さの場合には、南淡の方が3度~5度、時には6~7度も低くなります。

●つまり、日々の暮らしから受ける淡路島南部の気象(気候)の印象としては、冬の朝はけっこう寒いのですが、放射冷却で非常に冷え込んだ日の日中は意外な暖かさとなります。ところが氷がバリバリに張り大霜で真っ白になっているのに、淡路島の気温として報道される旧洲本測候所の最低気温は+2度とか+3度などということが頻繁にあり、違和感が生じるわけです。この要因は、両者の観測所の立地条件の違いからくるものと思われます。

アメダス南淡 ……… 平野部に立地している。
旧洲本測候所 ……… 小高い山の上に立地している。

淡路島南部に住む住民 (約9万人) は98~99%が平野部に住んでいます。したがって、淡路島の気温として報道される旧洲本測候所の気温は、生活実感から感じる南淡路地方の気候の印象から合わないものとなるのでしょう。


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その気象観測所の立地場所の地形等により、気温の顕われ方が大きく左右される! 国土地理院の電子地形図 から、アメダス南淡と旧洲本測候所との立地条件を見てみます。

↓ アメダス南淡の所在地 (赤丸の所)
アメダス南淡の所在地
↑ アメダス南淡は淡路島南西部にあり鳴門海峡に面する沿海地です。全くの平地で海抜5m、青年の家入り口駐車場の横にあります。付近の環境は水田地帯です。平地であるため冬の晴天無風の夜には意外に強い放射冷却が発生しています。ただし、西側500mに鳴門海峡 (紀伊水道) の海域があるために、西風が吹いてくると気温はあまり下がりません。夜間に放射冷却で順調に気温が下がっていても、西風がちょっとでも吹きだすと急に気温が上がります。
それから、夏に南東の弱い風が吹くと、隣接するアスファルトの駐車場で熱せられた空気が移流してくるためか、急に気温が跳ね上がる現象が観察できます。


↓ 旧洲本測候所の所在地 (赤丸の所)
洲本特別気象観測所の所在地
↑ 旧洲本測候所は淡路島東南部の洲本市にありますが、三熊山という山の上にあります。観測所の海抜は108m。冬に放射冷却が起こって地表付近の空気が冷えても、山の頂き (尾根筋) にあるために冷気がたまりません。下方に流れ落ちるだけです。したがって平地に比べると放射冷却による低温は緩和されるようですね。
それと、周囲が鬱蒼とした原生林になっているために夏の気温が極めて上がりにくい観測所になっています。夏の最高気温の極値が近畿のみならず西日本でも顕著に低く抑えられていますね。



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おたけさん、お久しぶりです。

アメダス南淡は、2003年まで福良の水源地のところにあったのですが、観測周辺環境は南辺寺山山系の山すそというか、福良の街外れにありました。

現在の国立淡路青年の家の広大な敷地の入口(青年の家と書かれた石碑がある)付近に移転して10年です。その場所の地籍は、阿万吹上ではなく阿万塩屋です。元の場所からは距離にして4.8キロほど離れているだけでなく、山裾(どちらかと言うと谷筋)と、平地の水田地帯という環境がかなり異なります。

で、2003年以前の観測データと、2004年以降のそれとは、観測統計データの連続性が断たれていて全く別物になっています。本来ならば、全く別の場所で観測した観測統計データは別個の物として扱うべきなのに、気象庁のサイトでは、福良での観測データと青年の家での観測データを一緒くたにしてホームページで公開しています。

http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/annually_a.php?prec_no=63&block_no=1337&year=&month=&day=&view=

一応、注意を促すためにデータの不連続が起こっている年に赤線を引いてはいますが、事情を知らなかったら気象庁のアメダス観測統計を利用する場合に誤りをしそうです。

旧洲本測候所にしても、100年近く同じ場所で観測していますが、昔は測候所の周囲は明るい草地みたいな環境でした。現在は樹木が茂りに茂って森の中に埋まっています。で、森の中にあるのでここ20~30年は夏の高温が非常に出にくくなっています。周辺環境が変化すると、たとえ同じ場所で観測を続けても、気温の顕われ方が微妙に変化してしまいます。

わたしが地球温暖化説を根本的に信用していないのは、その土台になるここ100年来の気温の観測のしかたに様々な問題があるのを観察しているからなんです。気象庁が地球温暖化の気温変化を調べる17地点の観測所も、みな地方都市や中都市にありますが、大都市ほどではないにしても、ヒートアイランド現象の影響を色濃く受けていて、温暖化の実態は都市のヒートアイランド化じゃねえか? という疑問を払拭できないからです。

今年は、メダケのササやぶを開墾して畑を広げるつもりで、自給自足ざんまいです。もっか、室内でサツマイモの苗作りです。灘の山の斜面も完全な無霜地帯で野菜が良く出来ます。“山腹温暖帯” という用語もあるように、山の斜面や丘の上などは、放射冷却で冷える平野や盆地や谷筋よりも服が1枚少なくて良いぐらい気温が高いですね。

返信が長すぎて、すいません。

2014/01/22(水) 00:12:22 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
吹上げにアメダスがあったのですね、驚きです。
この地域と、五色の鳥飼、それに洲本の由良などで農業している方から聞いたのですが、霜が淡路の中でも少ない地域なので野菜がよく育ちます、レタスや極早生玉ねぎなどおいしい物が収穫できるそうです。
中でも由良と鳥飼で3月に収穫する玉ねぎの甘さを農家の方が自慢していました。凄いですね
2014/01/21(火) 22:10:55 | URL | おたけ #- [ 編集 ]
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