雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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淡路島では少ない 「ナラタケ」
●本日は2013年11月16日です。一昨日に淡路島では比較的に稀産の 「ナラタケ」 を採集しましたので少し書いてみましょう。ナラタケは非常に有名で優秀な食菌です。キノコの王国であり聖地である東北地方では、ナラタケの発生が非常に多く、どこにでも生えて大量に採れ、味も良くダシもでる庶民のキノコとしてもてはやされています。 わが淡路島南部の南あわじ市では、私はナラタケを毎年見ることは見ていますが、そうやたらにどこにでもあるというキノコではなさそうです。恐らく瀬戸内海式気候が関係しているのでしょう。秋から冬にかけて非常に乾燥し、キノコの発生や生長に不可欠な水分とか湿気が不足しています。晩秋のキノコであるナラタケとか野生のエノキタケが出てきても、生長の途中で乾燥に遭い生育が止まってしまいます。枯木の上で乾燥キノコになってしまったものもよく見かけます。このような気候特性があるから、南あわじ市でナラタケ狩りをするには、山の北斜面の沢筋を歩くのがコツであると言えましょう。

Wikipedia の説明 「ナラタケ」

Google 画像検索 「ナラタケ」
●ナラタケは肉眼的な形態の変異の幅が非常に大きいキノコであります。近年ではいくつかの別種に細かく分類されているようです。種の範囲を大きくとるか細かくとるか、また他種との境界がどこにあるのか? どのように判断するのか? 同じ物が研究者が違うと別の同定になったりと、大変難しい問題で、顕微鏡観察・胞子紋・試薬による呈色反応・究極的にはDNA解析…、と肩が凝るハナシになってきそうです。深みにはまったら大変なことになるので、われわれ一般のキノコハンターは、Google画像を沢山みて変異の幅が非常に大きいことだけ知っていたらいいのではないか? それにしてもGoogle画像検索は優れ物であります。 (下の方になってくるとセンボンイチメガサとか違う物が出てくるので要注意) 


↓ 半ば地中に埋もれたウバメガシの枯れ木に群生したナラタケ。兵庫県淡路島の南あわじ市灘にて。わたくし山のキノコの実家の前の小高い山の北斜面に生じた。
ナラタケの群生

↓ 傘の裏の 「ひだ」 は白色~黄土色で、必ずしも白とは限らない。ナラタケは変異の幅が大きく白でないものもある。白であっても古くなると茶色くなる。
柄の上部に明瞭なつばがある

↓ 胞子紋は白~クリーム色。瓦を重ねたような状態なので、上の子実体の「ひだ」から落ちた胞子が下のものの傘の表面に積もっていますが、白っぽくなっています。胞子紋が白であることを窺わせています。
胞子紋は白っぽい

↓ 柄の下部は古くなると黒っぽくなる。写真のものは一見して野生のエノキタケみたいですが、エノキタケほどには黒くならないです。
古くなると柄の下部が黒っぽくなる

↓ 本日の収獲】 味噌汁の実にして食べた。出しが良く出て軽いぬめりがあり、舌触りもなめらか。大変に美味いキノコであります。
本日の収獲

引用】 山と渓谷社 『日本のきのこ』 1988年、から引用します。

「標準和名のほかに、ボリボリ、モダシ、ナラブサなど、おびただしい数の地方名があることでわかるように、古くから多くの人々に食べられてきた有名なきのこの一つ。歯切れ、舌ざわりがよく、ほのかに甘い香りがある。汁物に入れればぬめりを生じ、よいだしが出る。ナラタケのこくのあるうま味は、全く癖がなくどんな料理にも使える。いたるところに生えて収穫量も多いきのこだが、食べ過ぎると腹痛を起こしたり、下痢をすることがある。消化が悪いためだけではなく、生食すると中毒を起こす成分を含むので要注意。」 【引用終了】


●膨大に存在する地方名。しかし、ナラタケの地方名は圧倒的に雪国・北日本での名が多いように思われます。西日本ではあまり野生キノコを食べないのです。したがってあまり地方名は存在しないのではないかと思われますが、手元にある文献で西日本の地方名を調べてみた。なお、淡路島でのナラタケ地方名は無いのではないか? もしあるのならばご教示を賜わりたい。

『岡山のキノコ』 山陽新聞社 もとあし(蒜山地方)
『広島県のキノコ』 中国新聞社 ざざんぼ
『徳島県のきのこ図鑑』 徳島新聞社 地方名記載なし
『熊本のきのこ』 熊本日日新聞社 クヌギナバ(阿蘇郡小国地方)ササナバ(菊池市) 


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