雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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台風も、ハリケーンも巨大化していない。(その4) 過去300年で最強のシーボルト台風 
● 歴史地震学(古地震学) とか 地震考古学 という研究分野があります。近代的な観測機器による地震の観測データが存在するのは歴史上ごく最近のことであります。江戸時代とか平安時代には気象庁はまだなく、地震計による客観的な観測データはありません。気象庁が地震観測網を整備し始めたのは1885年からですので、近代的な「観測」はまだ100年ちょっとにすぎません。しかしながら、地震は太古の昔からあったハズです。昔の地震について知るためには、幸いなことに古文書に “地震が発生して大変な被害があった” というふうな記述は全国各地に膨大に存在しています。わが淡路島南部にも地震について記述した古い書物がけっこうあります。それから、考古学の遺跡発掘の際に断層崖とか噴砂など地震跡がみつかります。で、自然科学系の「地震学」と人文科学系の「歴史学・考古学」を横断的に研究する学際的な学問が必然的に発生しました。この分野の本格的な研究には、自然科学としての地震学の素養を踏まえた上に、しかもミミズの這ったような古文書も解読できる人でないと手が出せないと思うんですが、あるいは両分野の研究者が連携するのでしょうか? とにかく歴史地震は歴史史料からその地震の規模を推定するしかないのですが、誤差はあってもかなりの程度まで推定できるようですね。(でも、歴史上の地震の真のマグニチュードが不明なので、どの程度の推定値との誤差があるのか、それ自体が分からないとは思いますけど…)

●気象学でも事情は同じで、古気候学 という言葉があるように、昔の気候(気候変動)については、色々な手段で推定するほかありません。古気候学などと言ったら地質年代的な時間スケールのなかでの、古生代石炭紀の気候だとか、ヴュルム氷期の気候だとか言うふうなニュアンスですけれども、気象庁が近代的な測器で観測を始める以前の “古台風(?)” を研究することを「台風歴史学」とか「古台風学」と呼ぶのでしょうかねえ?  それはさておき、台風歴史学で推定した過去300年のAランクの台風のリストを見てみましょう。

●非常に古い論文を引っ張り出すのですけれども、日本気象学会 の機関誌 『天気  に掲載された50年ほどまえの論文から、過去300年間の伊勢湾台風クラスの被害が顕著であった歴史台風のリストを借用させていただきます。日本気象学会は事務局が気象庁の中にあり、地球温暖化に加担する政府の支配下にありそうな学会なので、自由な議論ができないみたいで、CO2二酸化炭素温暖化に疑問を呈する論文が投稿されても、温暖化推進の査読研究者によって握りつぶされボツになるそうです。科学的真実を追求する学術団体なのでしょうけれども、若干政治的な色が付いているように見えます。ですが次の論文を無料で公開しているところから察すれば、まだまだ良心はありそうですね。
日本気象学会 「天気」 1962年9月 277-281 高橋浩一郎『過去300年間のA級暴風雨』


過去300年間のA級の暴風雨

●1900年代の物の気圧等は実測値です。それ以前の物は被害史料を精査した推定ですから厳密には両者に統計的な連続性が必ずしもありません。赤色を施したのが有名なシーボルト台風です。過去300年(50年前時点での300年だから、現在からは350年)で最強の台風だったと推定されています。シーボル台風の名付け親は根本順吉氏です。根本順吉 『付記 シーボルト台風について』 シーボルト台風の上陸時の中心気圧に関して、高橋浩一郎氏は900hPaと推定、小西達男氏は935hPaと推定しています。小西達男 『1828年シーボルト台風(子年の大風)と高潮』 真の値は全く不明でありますが、小西達男は九州北部で13,000~19,000人の犠牲者であったと推定し、これは1959年の伊勢湾台風の犠牲者5098人を遥かに超えていて、記録のある限りでは日本で最大の犠牲者を出した台風です。

もちろん、推定誤差はつきものですが、昔の台風がいかに猛威をふるったかを良く認識する必要があります。いたずらに地球温暖化で台風が巨大化するなどと恐怖心を煽りたてて脅迫するヒマがあるのだったら、本当に台風が巨大化しているのかを考える基礎資料として、古い台風の研究をしっかりとやってほしいものです。とくに、マスゴミどもは、過去30年ほどの短い観測統計期間だけを抜き取って、その中で巨大な台風だなどと、見え透いた阿呆な印象操作・世論誤誘導をするな。


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