雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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台風も、ハリケーンも巨大化していない。 (その1)
●本日は2013年10月25日であります。日本の遥か南海上には、2つの台風が存在しています。一つはT1327で国際名はフランシスコ、もう一つはT1328で国際名はレキマーです。ネットでは阿呆な書き込みで賑わっていました。100年に一度の台風か?はマシなほうで、台風兵器だ!などと、たぶん真顔で語る書き込みまであり、阿呆さかげんは救いようがありません。台風や地震が人工的な兵器であって、何者かが人工的に作り出しダメージを与えたい国や地域にぶつけているのだ、などという主張はオカルトを通り過ぎて精神異常のレベルです。本当に台風が人工的な兵器であるなどと信じている人は早く精神科で診てもらったほうが宜しい…。

さて、T1328が10月23日00時~24日09時まで、中心気圧が905ヘクトパスカルと解析されておりましたが、これをもって観測史上最強だの、世の終わりだの、事実をわきまえない思い付きの大量の書き込みがネットであふれ返っていました。全く資料とか文献に当たらずに主観的な想像で書き込みをすることが、ネット情報があまり信用されず評価が低い一因でもありましょう。で、今一度、台風やハリケーンについて観測統計資料にあたって再確認してみましょう。

●T1328の905ヘクトパスカル(hPa)というのは、実測値ではなく、ドボラック法による衛星画像の雲パターンからの推定です。かつて戦後米軍が観測飛行機で台風の目の中に命がけで突入して、観測機器を投げ落として実測していました。1979年の20号台風が10月11日15時に沖ノ鳥島南東海上で870hPaが観測されました。これは米軍の飛行機観測による実測値です。この870hPaが台風やハリケーンで観測された世界最低気圧です。しかしながら北西太平洋エリアでの米軍の飛行機観測は1987年に終了しています。したがって現在はるか南海上にある28号台風が雲パターンから905hPaと解析されても、それが当たっているかどうか真の値が不明なので分かりません。仮に当たっていたとしても870には大分及びませんから、なんら史上最低気圧とは言えません。そもそも、900hPa割れなどというのは、台風が洋上にあるときにはよくあったことで、全く珍しくはないです。そして、台風が北上と共に減衰するのが普通で、870hPaという世界最低気圧(海面での)を観測したT7920も、本土(和歌山県白浜町)に上陸したときは965hPaです。最盛期からは95hPaも衰弱しています。たいていの場合、洋上にあるときの勢力のまま台風が本土上陸をするのではないので、ガタガタと大騒ぎするのはみっともないのです。 国立情報学研究所 北本研究室 『デジタル台風』 を参照。


ハリケーンは巨大化していない
最近はマスコミたちの報道はおとなしくなりました。1998年以降は世界の平均気温が全然上がらずに横ばいで、一方大気中の二酸化炭素濃度の上昇に拍車がかかっています。温暖化と二酸化炭素との相関関係が崩れるという不都合な真実を隠すために “温暖化の報道をしない” という方針になった模様です。下手な報道をするとヤブヘビになってしまう恐れがあるので、黙っておこうという “沈黙作戦” だと思われます。それはさておき、数年前には、地球温暖化で台風やハリケーンが巨大化・凶暴化するということが喧伝されました。将来、数十年後あるいは100年後に巨大化するのであるが、すでに巨大化しているという認識が示されていました。


下表は、米国の ナショナル ハリケーン センター のサイトでリリースされている技術メモNWS NHC-6 1851年~2010年の間に、合衆国を襲った最も破壊的で、被害額が大きく、最強の熱帯性低気圧。(かつ、その他の要望の高いハリケーンの実態) の13ページの表から抜粋借用しました。

下に掲げる表は米国本土を襲ったハリケーンの上陸時の中心気圧が低い方からの順位ですが、熱帯性低気圧の暴風雨の強さは、中心気圧の低さとほぼ相関しているから、これが気象現象としてのハリケーンの凶暴さの順位です。なお、犠牲者の数とか、被害額で順位をとると、自然現象としての強大さと必ずしも一致しないです。当たり前のことですが、カテゴリー5の強力なハリケーンが猛威をふるっても人口の少ない地方を襲ったのでは犠牲者が少ないです。カテゴリー1の弱いハリケーンでも海抜0mの低湿な人口密集地帯を襲えばそれなりの犠牲者が出ます。自然現象の強度と、災害の大きさは指標としては別物です。被害者や被害額の多寡でハリケーンの強大さを論じるのは間違っています。
米国本土に上陸したハリケーンのランク

上の表は、20位までの抜粋ですが、25位ならびに35位のハリケーンはカテゴリー4に評価されているので付け加えました。これはカテゴリー4以上のハリケーンのリストです。黄色のマーカーを施したものは1990年以降のものです。朱色で示したものは、出典の本表の最後にADDENDUM(補遺)として追加されているので、抜粋借用したリストに割り込ませた。したがって実際は24位までのリストとなります。(ただし23位と24位は941ミリバールと同値です)

【参考】 Saffir–Simpson hurricane wind scale から抜粋して作表。
シンプソン ハリケーン スケール
【訂正】風の強さの欄で、「m/時」とあるのは「m/秒」の誤りです。

●この表を目を凝らしてみると、近年ハリケーンが凶暴化(巨大化)しているということは、全くありませんですよね。地球温暖化がやかましく騒がれだした1990年以降に、とくに強力なハリケーンが増えたというふうには全く見えません。それどころか、大昔の強力なハリケーンが目立ちます。1位のFL(Keys)は、1935年 レイバー デイ ハリケーン と呼ばれフロリダ半島で892hPaを観測していますが、78年も大昔です。2位のカミールも44年も昔です。5位のインディアノラに至っては127年もの超大昔です。とにかく50年前とか90年前とかの古いハリケーンがやたらに目立ちます。これでは温暖化でハリケーンが巨大化しているなどとは言えません。

●2005年に882hPaというハリケーンの観測史上最低気圧を観測した ウィルマ がないではないかとツッコミが来そうですが、ウィルマの882hPaはカリブ海の洋上でアメリカの観測飛行機が実測したものです。表に並んでいるものとは同列にできません。ウィルマは上陸時の中心気圧は950hPaです。出典の元資料では1851年からのハリケーンの観測データに基づいているようですが、飛行機が発明されるずっと前からハリケーンの観測が続いています。昔は洋上のハリケーンの気圧など測る手段がなかったハズです。飛行機観測が行われているのは第二次大戦以降です。だから、昔と最近とで統計の取り方を変えてはいけないのは当然です。昔はハリケーンの上陸時の気圧、近年は洋上での気圧、を一緒くたに並べたのでは、データの連続性が無いわけであって、近年にハリケーンが巨大化したかのように印象付ける誤魔化しになってしまいます。統計というのは、その統計を取る全期間において、同じ条件で観測したデータで統計を取らなければインチキです。地球温暖化の話が信用できないのは、気候変動の研究者も平気でそういう誤魔化しを弄し、マスゴミどもが何の批判も疑問も加えずに、そのまま垂れ流すからに他なりません。


(拙稿は続く)

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