雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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大雑把な計算ですが…。

大雑把に計算してみます】 
定量的に、正確・厳密には計算しようがありませんから、本当に、大雑把なラフな計算であり、オーダーとしてはこれくらいかな? ということであり、桁数が1ケタや2桁あるいはそれ以上の誤差はありうるという前提での計算であります。あえてしてみましょう。

太平洋は、地球の表面積のおよそ3分の1を占めていると言われています。理科のデータブックであるところの 『理科年表』 によると、太平洋の面積は166.241百万平方キロメートルです。 (ただし、日本海・カリフォルニア湾・豪亜地中海などの縁海を除く) 平均水深は4188mと推定され、体積は696.189百万立方キロメートルです。もっとも、広大な太平洋の海底地形を詳細に実測し尽くすことは出来ないでしょうから、見積もり誤差はありましょうが、 太平洋の海水の総量は、6億9618万9000 立方キロメートル、であると理科年表が言うのです。


太平洋の海流図 Wikipediaより抜粋引用
↑ Wikipedia 「太平洋」 より抜粋引用した太平洋海流図です。太平洋には6億9618万9000 立方キロメートルもの膨大な量の海水があり、海流があって掻き回されています。静止しているわけではありません。表面の海流だけでなく深海でも海水の流れがあり、深海水が表層に湧昇するところや、表層水が深海へと沈降するところが知られています。

フクイチ原発からダダ漏れした汚染水が、太平洋全体に拡散・希釈したら…
どうなるのだろうか? どの程度の汚染濃度になるのでしょうか? 非常に気になるところであります。情報は隠蔽されているし、断片的なことが漏れ伝えられるだけであり、また情報が錯綜して色々な数字が飛び交っていて、何を信じていいのか判断しづらいところです。しかし、毎日300トンの汚染水が漏えいしていて、それは2011年3月の事故以来2年6か月にわたって続いており、その間に27万トンの汚染水が太平洋に流されたことを東京電力は認めています。これは信じてよさそうですが、過少に誤魔化しているかもしれません。27万トンというのは、水の比重はほぼ1だから27万立方メートルと考えて良いでしょう。

で、結局、27万立方メートルの汚染水を、6億9618万9000立方キロの大量の海水で均一に希釈したら、何倍の希釈倍率になるのか? 元の放射能汚染水の汚染レベルが、希釈の結果、何分の一になるのか? というハナシです。簡単な割り算なのですけれども、数字が極端に大きいから位どりを間違えないように注意が要ります。1立方km=10の9乗立方mだから、 

(6.96189 × 10の8乗 × 10の9乗)÷ (2.7 × 10の5乗)= 2.578 × 10の12乗

限りなく、ゼロに近いほど、希釈されると思います
2,578,000,000,000倍に薄まることになりますよね。なんと2兆倍余りに薄まってしまう勘定になります。仮に、27万トンの流出した汚染水の平均汚染レベルが1億ベクレルであると仮定したところで、2兆倍に希釈されたならば、2万分の1ベクレルにしかならないです。実際の汚染水の汚染レベルは断片的に報じられているところでは、数千~数万ベクレルであって、1億ベクレルなどという高濃度ではなさそうです。つまり、太平洋の膨大な海水の質量に希釈されれば、汚染濃度は、事実上限りなくゼロに近いということになってしまいます。これは意外というよりも、冷静に、論理的に考えるとそうならざるを得ないです。

こんな計算をすると、原発推進者を喜ばすことになりますが…
●そうじゃないと思います。そもそも、この計算には現実とは異なる面がありましょう。まず、北半球と南半球では別個の環流が存在しているから、北半球の海水と南半球の海水は容易に混ざらないのでは? という気がします。次に、表層水と深海水とは混ざりにくいのではないか? 特に熱帯域や亜熱帯域では表面の海水温が高い(つまり水が軽い)ので、低温の深海水(つまり水が重い)とは安定的な成層をなして、そう簡単には鉛直方向に攪拌は起こらんでしょう。そう考えると汚染水が拡散するのは太平洋の数分の一の水に対してではないか? そうならば希釈率は1ケタ程度割り引く必要がありそうです。それから、重い核種の放射性物質は海底に沈殿することもあるでしょうし、実際に福島県沖で底層の魚種のヒラメとかで高い汚染度が計測されています。浮遊性のゴミが特定の海域に溜まることが報告されていることから考えて、太平洋の特定海域で汚染濃度が高いこともあるかもしれません。それから、たとえ海水中の汚染濃度が低くても、生体濃縮が起こるし、食物連鎖の上位段階の大型魚(マグロなど)では危険なレベルまで濃縮があるかもしれません。

●それから、フクイチ原発から流出した汚染水は27万立方メートルというのが過少かもしれません。東京電力の隠蔽体質から信用出来ない面がありそうです。さらにこれから先ずーっと流出すれば、年数に比例して流出量も増えましょう。汚染水ダダ漏れが終息(収束ではない)したわけではないのです。この10倍にも100倍にも1000倍にもなるかもしれません。さらに、大気中に放出された放射性微粒子が大気中を漂ううちに、雨に吸着されて太平洋にかなり降下しているハズです。放射性物質は汚染水だけではけっしてないハズです。悪い材料はいくらでも考えられるから、希釈倍率は2兆倍余りなどではなく、2000億倍かもしれません。200億倍かもしれません。正確な数字など全く不明で、オーダーとして2桁も3桁も、ひょっとしては5桁ぐらいも違っている可能性はありましょう。ダダ漏れした放射能汚染水は、太平洋に拡散して非常に薄められることには違いないでしょうが、そもそも広い海洋に満遍なく希釈されることは考えにくく、フクイチ原発近海とか、遠くでも海域によっては問題となる汚染レベルであるかもしれません…。したがって拡散するから大丈夫だなどとは絶対に言えないのではないか。



↑ このシミュレーションが話題になっていて、太平洋はもうお仕舞いだなどと憂うる向きもありますが、右肩にあるスケールをよくご覧下さい。10の-3乗、10の-6乗、10の-9乗、10の-12乗と目盛りが打ってあります。10の-9乗では10億分の1です。 『太平洋 放射能 汚染10年間予想図』 などと銘打っていますが、汚染10年予想図ではなく、汚染10年希釈図と言うべきでしょう。汚染拡散の初期値をどういう状態での数値を与えているのか不明ですし、どのような拡散モデルで計算しているのか不明です。さらに、汚染濃度の最高レベルを黄色に、濃度が下がった方を赤の警戒色を使っているのは非常に意図的な配色です。いたづらに、この図を真に受けないほうがいいです。 (ただし、汚染水を太平洋に流すのは問題ないなどと言っているのではありません)

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