雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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真に日本一暑い街は、大阪なのであって、多治見でも熊谷でも江川崎でもない。 (その2)
●今年の8月12日に、高知県のアメダス江川崎で41.0度という気温が観測されましたが、これが本当に日本一の暑さと言えるのかどうか? 大いに異論が生じるところであります。まず、気象庁の観測統計データから、41.0度が示顕した日と前日の48時間の気温推移のグラフを作成してみました。
2013年8月11日~12日の、江川崎および大阪の毎正時の気温変化

●グラフにしてみると一目瞭然です。大阪と江川崎の暑さはかなり趣を異にします。異質であると言ってもいいです。江川崎では日中はカーッと急激に気温が上がっていますが、夜間はしっかりと冷えています。明け方には25度以下まで下がり、熱帯夜を免れています。非常に気温の日較差が大きく、熱しやすく冷めやすい暑さといえましょう。ちょっと砂漠みたいな気温の変化であります。

●一方、大阪の気温変化は緩やかで熱しにくく冷めにくいといえましょう。江川崎が気温の上がる条件が重なったために41度が示顕しましたが、これと比べると大阪の38.2度は見劣りするような錯覚がしますが、しかしながらこれはこれで体温よりも高いです。24時間にわたってほぼ30度以上の温度帯が続き、気温のレベルが高い状態での推移で、大変危険な高温であることには何らかわりありません。大阪の気温変化の特徴は夜間の気温が非常に下がりにくく、熱帯夜どころかスーパー熱帯夜であるといえましょう。図の赤線・青線の気温変化曲線をよく観察すると、大阪の赤線を基準にすると、江川崎の青線は上に振れたり下に潜り込んだりしていますが、上にはみ出る部分の面積よりも、下に振れる部分の面積の方が、明らかに大きいです。これは平均気温を計算したら大阪の方が気温が高いことを物語っています。

江川崎では、日中の気温は高くなっても数時間の辛抱さえすれば、夜になると気温が急低下するので、暑いながらも凌ぎやすいハズです。一方の大阪では夜間も30度近い気温ですから、寝苦しい熱帯夜です。昼間もそれなりに暑く、夜間も昼間の猛暑の余韻を引いているから疲れがとれません。次第に体力を消耗してくるでしょう…。


暑いと言っても、色々な暑さがあるハズです。江川崎のような瞬間的な暑さや、連日うち続く真夏日や猛暑日の暑さ、熱帯夜の寝苦しい暑さ、湿度が高いムシムシとする暑さ、乾燥したカラッとした暑さ…、そういう色々な暑さがあるハズで、ただ単に日最高気温の数字をいくら誇っても、日本一の暑さと言えるのかどうか?疑問のあるところです。そこで、3種類の暑さの数字を積算して比較するという手法で、日本一暑い町はどこなのか?ランキングを作成してみました。

①、8月上旬の最高気温平年値………夏の恒常的な暑さの指標であります。
②、8月上旬の最低気温平年値………熱帯夜の寝苦しい暑さの指標であります。
③、日最高気温の一番高い値…………瞬間的な暑さの指標であります。

①+②+③の積算温度でランキングしたのが下表ですが、8月上旬の最高気温平年値が33.1度以上の45地点、日最高気温の記録が39.9度以上の24地点、ただし8地点が重複していますので、重複分を除いた61地点のランキングです。全ての気温を観測する地点を網羅したランキングではありませんが、上位20位ぐらいは揺るぎない順位であろうかと思います。


やはり、日本一暑い町は大阪であります。
気温3要素を積算したランキング
気温3要素を積算したランキング

●並んでいる数字をよく精査すれば分かるのですが、40度超の最高気温の記録を持つ地点は、意外に最低気温が低いのです。盆地とか山間部それから関東平野の奥に40度超の記録がある地点が点在していますが、暑いことは暑いけれども気温の日較差が大きく、朝晩の気温は結構下がるということが言えそうです。

ランキングの中に山形県が3地点入っています。山形地方気象台の40.8度は2007年に熊谷と多治見に破られるまでは、日本の最高気温の王座に何と74年間も君臨し続けています。(ただし、区内観測所の徳島県撫養・現鳴門市の42.5度などは除く) では、山形市が日本一暑い街であったかというとそうじゃないハズです。8月上旬の最低気温平年値が21.4度です。熱帯夜が常態化している東京ー名古屋ー大阪ー福岡を結ぶ太平洋岸メガロポリス線上の寝苦しい夜に比較すれば、非常に涼しいハズです。これを考えても、ただ単に最高気温の日本記録を観測したからその町は日本一暑い町だとするのは、大いに間違っています。日本一暑い町と評価するのは、いろんな気温の要素からの総合的な判断をするべきなのです…。


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