雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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自給自足の奨め、南あわじ市の夏ワラビ。
●世の中には色々な価値観を持つ人々がおります。人の考えは、十人十色どころか百人百色かもしれません。ていうか、必ずしも一人一色だとは限らないです。人は誰でも時間の経過とともに考えが変わります。ああでもない、こうでもない、と思案を巡らせているうちに考えが変わります。主義主張の変節など当たり前です。で、以前はA色だったが、そのうちB色に変わり、さらにC色にと変遷していくことがありましょう。その場合には一人一色とはいえません。また、AがいいのかBがいいのか自問自答するうちに、そのどちらでもあるという結論に達することもありましょう。その場合には、一人二色というべきでしょう。そのように理屈を考えてみれば、十人十色ではなく、十人二十色であったり、十人三十色だったりすることもありましょう。ただし、十人がみな同じ考えで同じ色の可能性もあります。その場合は十人一色か??

●さて、山菜のワラビというのは全国に分布しています。九州南端の鹿児島県から北海道にいたるまで春の到来を讃える山菜として珍重されています。(ところで沖縄県にもワラビは分布しているのですか?) 自ら野山にワラビを採りに行く山菜ファンも各地に多いでしょう。ふつうはワラビは春のものだというのが常識です。ただし、春といっても南北に長い日本列島ですから、南の地方で春といえば3月、北日本で春といえば5月でありましょう。そういう地方によるズレはありましょうが、ワラビが春のものだというのは不動の常識、ゆるぎのない固定観念でありましょう…。ところが、ワラビは夏でも出ます。世の中は、十人十色、いろんな考えがありますから、ワラビは夏に採るものだという風変りな考えの人たちも、山菜ファンの中でも非常に数は少ないでしょうが、おります。

↓ 7月27日に、兵庫県南あわじ市で採取した夏ワラビ
夏ワラビ 2013年7月27日採取
↑ 本日、2013年7月27日に午前中はかかりつけの病院に薬(不老長寿の薬ではない)をもらいに行ったのですが、その帰りに、山裾を回って道草を食い、夏ワラビを採りました。今の時期には自給自足用の菜園畑にはキュウリ・ナス・ピーマン・インゲンマメなど夏の野菜が食べきれないほど出来るので、大量にワラビを採ってもしかたがありません。食べきれずに捨ててしまいます。で採取したのは写真のもの、ちょうど1キロほどです。沢山採って近所の人におすそ分けしようとしても、良い返事が返ってきません。「これ、何や? 夏のワラビてか? いまごろ、そんなん出るんけ? 食えるんかいな。堅て食えれへんやろが」と、先入観というのは強固な鉄の檻(おり)です。簡単には打ち破れないのです…。
さて、ここに夏ワラビの採り方を公開します。ワラビ採りは春の風物詩などという固定観念を捨てて、夏ワラビを賞味しましょう。 ただし、以下に記述する夏ワラビの採り方は、南あわじ市(淡路島南部)での話です。地方が異なれば、当然に採り方は変わりましょう…。


①、ワラビ狩りは、農業用の溜め池の土手を捜せ!
淡路島は、おそらく、間違いなく、日本一の溜め池高密度分布地であります。農林水産省「溜め池」  を閲覧すると、わが兵庫県は溜め池の数において、日本一に君臨しています。また、兵庫県ホームページ 【参考資料】ほ場整備面積、ため池数 を閲覧すると兵庫県内の溜め池の半数が淡路島にあります。

全国および兵庫県の溜め池数
↑ 出典は上記の農水省および兵庫県のホームページから数字を拾い集めた。比率(%)は山のキノコが計算。

●農水省の数字では兵庫県の溜め池数は47,596箇所です。兵庫県調べの43,256箇所と大きく食い違っております。なぜだろうか? と考えてみましたが、四国新聞社 「追跡シリーズ 揺れるため池王国」 が示唆しています。

【記事のリードを引用】 (大規模消失 30年で4000個) おわんを伏せたような丸い山とその周辺に点在するため池は、地域の歴史から人となりまでを一目で語る香川の原風景と言われる。そのため池がピンチだ。この三十年間で四千の池が消えたという調査結果を県がまとめた。ため池密度日本一の座(註)は堅持しているものの、消失の規模とスピードは、ため池を支えてきた香川の暮らしの在りようが激変していることを物語っている。水は環境の健康度を測る指標ともいう。ため池の周りで何が起きているのか。それは、私たちに何を突き付けているのか。今回は揺れる「王国」の裏側に迫る。【引用終了】

溜め池が減少しているのは、耕作放棄の田畑が広がる中で、山間部の小さな溜め池が次々に放棄されてたり、種々の工事で溜め池が埋め立てられるのが主な原因で、調査するたびに溜め池の数が減るということらしい。

(山のキノコの註釈)四国新聞社が言う香川県が “ため池密度日本一” というのは都道府県単位のものです。これは全く正しいです。そもそも、都道府県の面積はばらつきが非常に大きいです。香川県は47都道府県で面積最小の県で僅か1876平方キロメートルです。淡路島(592平方キロ)の約3倍しかないです。兵庫県は8396平方キロで全国12位です。単位面積当たりの溜め池数密度ということであれば、47都道府県で香川県がトップであります。もし、都府県を数ブロックに分割した地域単位で比較するならば、香川県の約3分の1の面積しかなく、香川県を遥かに凌駕する数の溜め池がある淡路島こそ、地域別の溜め池分布密度では全国トップであることは疑いようがありません。淡路島こそ日本一の溜め池王国なのです。

●余談が長くなりましたが、なぜ溜め池に注目するかと申せば、溜め池の土手にワラビが生える率が極めて高いからです。詳細な調査はまだしていないのですが、私の観察で直観的に言えば、少しでもワラビが自生していたならばその溜め池にワラビがあるとカウントして、2割の溜め池にワラビがあります。土手一面にあるというものは1割か少し満たないか、という印象です。もう少し詳しく申せば平野部の溜め池には少なく、山裾の溜め池には多くなります。つまり、ワラビ狩りをするならば溜め池巡礼をするのがコツなのです。ただし、これは淡路島での話で、他府県・他地方でも通用するかどうかは未確認です。が、案外、全国的に通用するのではないでしょうか? ワラビは乾燥気味の陽光地を好むシダ植物です。溜め池の土手はこの条件にピッタリと適合しています。


②、田主らが草刈り・火入れをした後2週間目を狙らえ!
●溜め池の土手は、田主(たず)というその池の水利権所有者が、管理組合をつくって管理しています。管理作業の中には、おりおりに土手の草刈りや、ときには奈良の若草山みたいに火入れ・野焼きがおこなわれています。つまり、管理草原と全く同じ環境なんです。放置した草原は日本みたいに四季とも雨量の多い国では、じきに茫々と生い茂り、やがて樹がはえ、森に遷移してしまいます。ところが田主が管理しているからいつまでも草原の状態が保持されています。これがワラビ狩りにはとても都合がいいのです。

●その溜め池管理組合は田植えの前とか、田植え後とか、日時はまちまちですが溜め池の土手の草刈りをしています。春早く(南あわじ市では3月中旬~4月上旬)に出たワラビは、長けて夏前には草丈1mになり茫々です。このぼうぼうのワラビの草むらを刈り取ったり、あるいは野焼きしたあと、1週間とか2週間後にワラビの新芽が一斉にでてきます。これを狙ったのが夏ワラビであります。たとえ火入れの野焼きが行われても、ワラビの地下茎は地中にあり生きています。じきに新芽を出してきます。そうではなくて、夏でも茫々のワラビの草むらをかき分けて捜すと、地面に疑問符の形をした新芽がありますが、これは数が少ないし品質が劣りますから、お奨めできません。夏前に溜め池の土手の草刈り後に出た夏ワラビは、柔らかく品質は極上なのです。


溜め池の土手にワラビが生じる
↑ 2013年7月27日、南あわじ市阿万本庄ダム奥にて。山間部の溜め池の土手にワラビが生えています。ワラビはシカ(鹿)の不嗜好植物なのでよくはびこります。シカの好きな植物は根こそぎ食べつくされ、シカの嫌いな植物ばかり残ります。写真の右下部分にシソ科のレモンエゴマが見えていますが、これもシカの不嗜好植物です。

刈り払った跡に夏ワラビが生じる
↑ 2013年7月27日、南あわじ市北阿万の山裾にて。おそらくシカ除けのフェンスの手入れの一環でしょう。フェンスに沿って草刈りをして、その草を野焼きしたみたいです。その草刈り跡に夏ワラビが出ていました。写真の左上のほうに、刈り残されたワラビの成葉が少し見えております。このような状況のところが狙い目なのです。

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