雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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自給自足の奨め、淡路島福良産のアサリ。
●昔は、月2回めぐってくる大潮のたびごとに、旧南淡町唯一といってもいい某干潟に行ってアサリ掘りをしました。30年ぐらい前までは沢山アサリがおって、熊手でちょいちょいと干潟の表面を掻くと、誇張でもなんでもなく、それこそ石ころを拾うようにアサリが獲れました。干潮のピークの前後1時間ずつ(結局2時間)一心不乱になって貝掘りをすると、すくなくともバケツ半分ぐらいは獲れていました。上手くいけばバケツ一杯とれていました。それだけ持ち帰っても、いっぺんに食べられないから、近所の人にもおすそわけの分配をしたり、アサリを軽く茹でて身を取り出し、醤油とミリンで煮締めて佃煮を作ったものでした。アサリの佃煮を作るさいには隠し味として、畑で栽培したショウガをいれたり、山で採取したサンショウの葉を入れたりしましたが、これらの香辛料の香りの高い佃煮になりました。

●ところがです。いつのまにかアサリが減っていったように思います。ある年を限って突然に減ったのではなく、経年的にジリジリとアサリの資源量が減ったというふうな印象で、いまでは天然採集のアサリの佃煮など望むべくもありません。夕餉のお味噌汁のダシに少し獲れれば上出来という程度まで減っています。その某干潟は漁業組合が管理しているのでないから基本的には無料であります。本来ならばアサリも漁業権が設定されている海産物であろうかと思いますが、勝手に獲っていいものではないハズです。しかし漁業組合はアサリ漁業をしていないので、黙認です。黙認であるから、管理されていないから稚貝の放流などの資源持続性の方策が全く図られていません。大潮ごとに南あわじ市の全域からわんさかとヒトが来てアサリを掘るのですから、いなくなるのも無理はないでしょう…。わたくし山のキノコの観察によると、この干潟でアサリが激減した最大の要因は、ヒトによるアサリの採取圧の強さであろうかと思うんですが、果たして当たっているかどうか?? (おそらく、そういうふうに見えるのだけれども、別の要因もあり得ましょう…。思いこみに囚われないほうが良いかも?)


12行追記】 たったいま考えたのですが、昔は、三原郡(現在は南あわじ市と改名)じゅうからわんさかと立錐の余地もないぐらい潮干狩り客が来ていました。しかし、それでも粘ればバケツ一杯アサリが獲れていました。ヒトの採取圧は強力であったと思いますが、それでも獲れていたということは、強い採取圧に負けないだけのアサリの繁殖力や生育力があって、目立つようなアサリ資源の減少が観測されなかったとも言えそうです。採取圧と繁殖力がつりあう平衡状態で、資源が持続的に維持されていたのではないか?? ところが、現在ではアサリがあまりいないから、どうせ行っても獲れれへんわということで、かつての賑わいはありません。アサリも激減したけど、潮干狩り客も激減しています。そうすれば採取圧が弱まってアサリが繁殖し増えてくるハズではないか?? ところが現実にはアサリが昔のように資源回復する兆しが観測できません。というふうに考えてみたら、乱獲以外にアサリ激減の大きな要因があるのではないでしょうか??

日本水産学会誌 の Vol. 74(2008) No. 2 の137頁ー143頁に、松川康夫ほか3名 『我が国のアサリ漁獲高激減の要因について』 というアサリの生態と資源に関する既往の報告を総覧する論文があります。この論文を閲覧すると、単純に乱獲なのだ、とは言えないかもわかりません。アサリの漁獲高激減に関して、アサリの産地ごとに種々の要因があり、各地の産地を横断して共通の要因もあれば、その産地特有の要因もあったりで、産地ごとにケースバイケースであるようです。次に列挙する様々な要因が、アサリの漁獲高を激減させたようであります。

【有明海では】 乱獲。底質悪化。浮遊幼生の大量減耗。ナルトビエイの食害。ニホン
         スナモグリの競争圧などの可能性。
【三河湾では】 温暖化と青潮。乱獲の可能性。
【東京湾では】 冬期の衰弱と波浪の撹乱による死亡の可能性。
【全国的には】 パーキンサス原虫の感染による産卵能力の低下の可能性。


本日の収獲
↑ 本日(2013年7月24日)の収獲物であります。1時間半かけて、粘って、たったのこれだけです。1回分のアサリの味噌汁を作る分しかありません。本当にアサリが減りましたですわねえ。バケツ1杯獲れていたころがなつかしいですわ。昔は良かった…、などと老人の繰り言がでてきそうです。(そんな年齢に近づいてきたのか…) 

ハマゴウの観察】 アサリを掘ったあとは、海浜植物のハマゴウの観察です。珍しいものではありませんが、そこそこ良好な砂浜海岸であることを物語る指標植物と考えることもできましょう。ありふれた植物でも、一面にお花畑になっているのは見ごたえがあります。紫色の可憐な花です。説明は波田先生の クマツヅラ科 ハマゴウ属 ハマゴウ をご参照。日本のレッドデータ検索システム によると11の府県で絶滅危惧種扱いになっています。ありふれた植物ですがレッドデータ種扱いになる県が多いことから、良好な自然海岸は護岸工事や埋め立てなどによって、生育環境の破壊にさらされていることが窺えそうです。
ハマゴウのお花畑

ハマゴウの花

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ランクルさんから頂戴したコメント】 
アサリの話になると口をはさみたくなります(^o^)

淡路島の西浦海岸は昔は(古東領左衛門の時代)、海運のために船を着けようとしても砂浜で、領左衛門は津井や仮屋に石積みの港を作ったそうです。(古東領左衛門は天誅組の重鎮:津井の庄屋) 西浦の漁港の多くは石を積んだのが今でも残っていますが、石積みのままなら良いのだけれど、最近の土建行政は大規模なコンクリート工法でするものだから、海流の関係から砂が移動してしまって環境までも変えてしまいました。

海岸にある砂は、冬場は西風で移動しながらいろんなものを浄化していきます。砂の中にはゴカイなどの下等生物が浄化の役目をします。陸上のミミズなどや微生物と同じようなことなんでしょう。 私は学者でないから説明はできませんが……。鉄腕ダッシュという日曜日に10chで放送している番組で、ダッシュ海岸にアサリが採れるようにしようというのがありましたが、アサリのタネは砂浜に流れ着くのだそうです。砂浜がなくなるような兵庫県の港湾行政はペケです。

私の家の近くに登立海岸があります。そこは私が子供の頃からずっとアサリが採れていました。ところが5年ほど前に護岸工事でユンボを入れて、堤防が壊れないように工事をしました。そのとき砂浜や石ころをユンボでかき集めて、せっかくのアサリが棲んでいるところを無くしてしまいました。そのアトに新しい砂でも入れておけば数年後は復旧できたものを、そういうことに気がつかないコンサル指導の土木行政には参ります。そういうことを言っても聞いてもらえないのが残念でなりません。

典型的な失敗は「五色浜の離岸堤」でしょう。何年も石を入れたりして困り果てて、今年の冬に砂を入れて、何とかこの夏は海水浴ができそうですが、あの離岸堤を取っ払わなくてはまだまだ砂浜がなくなる危険はあるでしょう。


ランクルさんの追加コメント
もうちょっと言うたろ(^o^)  兵庫県は土木行政には知ってか知らずにか・・・・・

福井県HPより  離岸堤や人工リーフなどの海岸保全施設の役割と効果について  「海岸保全施設の役割と効果について 」
【引用開始】 海岸保全施設とは、堤防・護岸、突堤、離岸堤、人工リーフ(潜堤)、消波工、砂浜等、海水の侵入又は海水による侵食を防ぐための施設。従来の堤防、護岸や消波工による海岸線を防護する線的防護方式から、近年は、利用面や環境面も重視して、人工リーフや養浜、緩傾斜護岸等の複数の施設によって、波の力を分散させて受け止める面的防護方式に変わってきています。 【引用終了】

この説明で海岸保全施設のイメージ図があります。津井の中津浦海岸に離岸堤を設置しようとしたときに、前自治会長らの申し送り事項で離岸提に反対したために、私の次の区長がテトラポットを入れさせてしまいました。そのために綺麗な砂浜が台無しになってしまいました。そして最近では島外から持ってきた建設残土を海岸の上の魚付き山林にあたるところに不法投棄を見逃してしまいました。兵庫県政は環境にはまったくといっていいほど無策です。

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山のキノコの返信】  だらだらと長くて失礼します。

ランクルさんの挙げられたアサリ掘り場がダメになってしまった事例は、典型的な “棲息環境の破壊” でありますね。本当にその工事、必要なのかしら??? と疑問符が何個もつきますね。何か必要性とか、住民からの強い要望とかがあってその工事をするんじゃないみたいです。工事をすること自体が目的化しているムダなコンクリート工事です。おそらく、コンクリート工事業者と政治家や行政がケッタクしているのでしょう…。

淡路島の周囲は160キロとか言われていますが、そういう悪徳トライアングルの連中のエジキになって、砂浜や岩礁がある自然海岸は残り少なくなりました。島の周囲の大部分が護岸工事で癌細胞が増殖するみたいに浸潤され、醜悪な消波ブロック(テトラ)で興ざめです。面的な広がりがある山岳や原野と異なり、海岸は線的な広がりで、人工的な破壊にはとても弱いです。環境省のレッドデータを見ても、県レベルのそれを見ても、海岸の動植物には絶滅の危機に追い詰められている種が沢山あります。海岸動植物の絶滅の最大要因が、埋め立てや護岸工事などによる棲息環境の破壊です。大きな工事になると環境アセスの足かせがありますが、小さな工事ならばやりたい放題で、その工事による公益よりも環境の破壊のほうが甚大です。土建業者とコンクリート行政の癒着構造は、全ての海岸とすべての河川をコンクリートで固めなけれ気が済まないようですね……。南あわじ市市長がコンクリートに執着心を燃やすのは、市長のごく近い筋から私が聞いた話では、コンクリート箱物を進めると、市長が経営する商店がその案件の工事に資材を納入出来るからだとか……。(ま、市民はみんな知っているでしょうが)

4年前の小沢一郎 ー 鳩山由紀夫ラインの “コンクリートから人へ” という政治理念は正しかったと私は思います。ところが植草和秀先生の言う “政官業電米の悪徳ペンタゴン” の巻き返しによって、20年前、いや70年前に逆行してしまいました。マッカーサー元帥の戦勝国植民地支配のおぞましい亡霊(TPPなど)が復活したうえに、“税金はコンクリートへと” と元の黙阿弥です。自民党による税金のコンクリートへの傾斜配分が復活してしまいました。これから昔のような海岸を埋め立て山を削りまくる自然破壊工事がどんどん復活するとおもわれるので憂鬱であります。

それにしても、南あわじ市の為政者たちのアホウさかげんには絶望しています。鳴門海峡を世界遺産だなどというのは、自己の身のほどをわきまえない夜郎自大(やろうじだい)の骨頂で、アホウの極みです。あるいは外交官崩れの世界遺産登録指南屋に踊らされているのかも分かりません。そもそも、世界自然遺産はかけがえのない顕著な価値のある自然環境を破壊や消失から護るというのが趣旨です。世界遺産条約の目指すものは、観光開発などでは全くなく、あくまでの遺産の保護・保存であって、自然破壊のコンクリート行政と全く対立しています。そこを市長は理解していないようで、条約の条文など読んだことがないのではないか? (ちゃんと読んでやっているのであれば、悪質です)

このあいだ、富士山が数十キロ離れた三保の松原とセットで世界文化遺産に登録された事例からわかるように、鳴門海峡を世界遺産にと運動するのであれば、周辺数十キロ以内の環境保全も重要でありましょう。で、淡路島全域を開発禁止にするぐらいの英断は必要ですし、ランクルさんが仰る「五色浜の離岸堤」を撤去して元に戻すぐらいの思い切った施策が必要で、また海岸線や海域の保全が求められるでしょう。海域保護のための漁業規制も当然に視野に入いりますが、そういう対応を迫られたら、逆に反対運動が起こるのではないか? それ以前に、鳴門海峡に本当に護るべきものがあるのでしょうかねえ? 顕著な学術的価値のある地学・地形学上の地形だとか、絶滅危惧生物の一大コロニーだとか、傑出する自然美だとか、なんにもありません。護るべき対象が存在しないから、そもそも世界自然遺産の対象外なんです。南あわじ市の役場の連中は、2005年に世界自然遺産に登録された知床半島に早く見学に行く必要があります。知床半島の日本屈指の自然美を見たら、鳴門海峡の貧弱さが良く理解できるでしょう。夜郎自大の離島民根性だったと恥ずかしくなって、アホウな運動は自主的に取り下げるでしょう……。

そもそも、淡路島は離島なんです。国土交通省の定義から言っても離島です。本州(本土)から僅か3キロであるというだけですが、住民や役場の連中の意識は、絶海の離島とあまりかわりません。“本土導水” などと行政も言っているぐらいだから、離島と言う意識はあるのだと思いますが、離島民の弱点は繰り返しますがある意味では “夜郎自大 = 自信過剰” になりがちな傾向があることです。優秀な人材はどんどん島の外に出て行きます。2番手、3番手の人物が島に残り、否、3番手4番手の人物が島に残り、地縁血縁でがんじがらめな閉鎖的な島の中で虚勢を張って威張り散らしているのです。例示しますと、島の中で学術経験者と言う場合しばしば小学校の先生が出てきて威張っています。本土で学術経験者といったら普通は大学教授レベルが出てきます。ようするに「井の中の蛙大海を知らず」ということなんですが、漢籍由来のこの言葉には、下の句が日本であれこれ作られています。「されど夜の深さを知る」とか色々…。離島民は大海を知りませんが、しかし大海の存在はうすうす気づいています。いたづらに離島民は卑下しなさいと主張しているように聞こえるかもしれませんが、そうではなくて、全国的な観点から、離島の事物の位置・水準をわきまえたほうがいいよとわたくし山のキノコは主張しているのです。鳴門海峡は全国的には、「日本の地質100選」 にも 「日本ジオパーク」 にも入らないのです。そんな水準のものが世界遺産など絶対に無理ですよ。賭けをしてもいいです。

ちなみに1993年に世界自然遺産に登録された屋久島も離島ですが、あそこの自然は日本屈指です。日本離れしています。離島であっても別格なんです。九州地方の最高峰がありますし、宮之浦岳(1936m)の南東斜面中腹は日本最多雨の場所です。残念ながら、気象庁のアメダスが設置されていないから正確には分かりませんが、年平均降水量は7000ミリと推定されています。屋久島には固有種とされる動植物が何十と棲息しますし、海上アルプスという異名を戴き、みごとな垂直分布が観察できます。鳴門海峡とはレベルが違うんですよ。

(ところで、私が挙げた福良の「蛇のひれ」や参照した論文で取り上げられている事例は、アサリ漁場として一応は護られているところです。そういうことからすると、これらの事例におけるアサリ漁獲高の減少の要因は、棲息環境の破壊とは別の要因がありそうですね…)


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もうちょっと言うたろ(^o^)
兵庫県は土木行政には知ってか知らずにか・・・・・

離岸堤や人工リーフなどの海岸保全施設の役割と効果について(福井県)
http://www.pref.fukui.lg.jp/doc/sabo/kaigansisetuyakuwari.html

海岸保全施設の役割と効果について

 海岸保全施設とは、堤防・護岸、突堤、離岸堤、人工リーフ(潜堤)、消波工、砂浜等、海水の侵入又は海水による侵食を防ぐための施設。従来の堤防、護岸や消波工による海岸線を防護する線的防護方式から、近年は、利用面や環境面も重視して、人工リーフや養浜、緩傾斜護岸等の複数の施設によって、波の力を分散させて受け止める面的防護方式に変わってきています。

この説明で海岸保全施設のイメージ図があります。
津井の中津浦海岸に離岸堤を設置しようとしたときに、前自治会長らの申し送り事項で離岸提に反対したために、私の次の区長がテトラポットを入れさせてしまいました。
そのために綺麗な砂浜が台無しになってしまいました。

そして最近では島外から持ってきた建設残土を海岸の上の魚付き山林にあたるところに不法投棄を見逃してしまいました。
兵庫県政は環境にはまったくといっていいほど無策です。
2013/07/27(土) 06:06:25 | URL | ランクル #tSD0xzK. [ 編集 ]
アサリの話になると口をはさみたくなります(^o^)

淡路島の西浦海岸は昔は(古東領左衛門の時代)、海運のために船を着けようとしても砂浜で、領左衛門は津井や仮屋に石積みの港を作ったそうです。
(古東領左衛門は天誅組の重鎮:津井の庄屋)
西浦の漁港の多くは石を積んだのが今でも残っていますが、石積みのままなら良いのだけれど、最近の土建行政は大規模なコンクリート工法でするものだから、海流の関係から砂が移動してしまって環境までも変えてしまいました。

海岸にある砂は、冬場は西風で移動しながらいろんなものを浄化していきます。
砂の中にはゴカイなどの下等生物が浄化の役目をします。
陸上のミミズなどや微生物と同じようなことなんでしょう。
私は学者でないから説明はできませんが・・・・

鉄腕ダッシュという日曜日に10chで放送している番組で
ダッシュ海岸にアサリが採れるようにしようというのがありましたが、アサリのタネは砂浜に流れ着くのだそうです。
砂浜がなくなるような兵庫県の港湾行政はペケです。

私の家の近くに登立海岸があります。
そこは私が子供の頃からずっとアサリが採れていました。
ところが5年ほど前に護岸工事でユンボを入れて、堤防が壊れないように工事をしました。
そのとき砂浜や石ころをユンボでかき集めて、せっかくのアサリが棲んでいるところを無くしてしまいました。
そのアトに新しい砂でも入れておけば数年後は復旧できたものを、そういうことに気がつかないコンサル指導の土木行政には参ります。
そういうことを言っても聞いてもらえないのが残念でなりません。

典型的な失敗は「五色浜の離岸堤」でしょう。
何年も石を入れたりして困り果てて、今年の冬に砂を入れて、何とかこの夏は海水浴ができそうですが、あの離岸堤を取っ払わなくてはまだまだ砂浜がなくなる危険はあるでしょう。

2013/07/26(金) 20:21:00 | URL | ランクル #tSD0xzK. [ 編集 ]
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