雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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氷河の後退・縮小は、気温上昇のみに依存するのではない。(その5)
『氷河の後退・縮小は、気温上昇のみに依存するのではない』 という議論のまとめであります。

北陸の立山連峰にある3つの永年性雪渓の氷体が流動していることが確認されました。その調査に基づいて日本に氷河が現存しているという趣旨の論文が日本雪氷学会の『雪氷』 74巻3号 (2012年5月) に発表されました。学会でその氷体は氷河であると認められたそうで、それは新聞記事にもなりました。その内容を土台にして種々の資料にあたり、素人なりに考察しましたところ、次のことが言えるのではないかと思います。

なんと、平均気温が高い所の方に、氷河が現存している
氷河の現存する富山県の立山と剣岳は、北海道大雪山よりも緯度にして7度も南に位置しています。日本列島付近では緯度1度北上すると、おおむね平均気温は0.8~1.0度下がります。したがって立山剣岳連峰の北緯36度台では、大雪山のある北緯43度台よりも平均気温は6~7度上がります。山の高さは剣岳の2999mは大雪山の2291mよりも708m高いです。この海抜高度の差による立山剣岳連峰の平均気温低下は4~5度程度と見積もれます。この2点を勘案すると、立山剣岳連峰の山頂の平均気温は、大雪山の山頂の平均気温よりも若干高いと推定できます。

にもかかわらず、気温が低い大雪山には氷河がありません。気温が若干高い立山剣岳連峰の方に氷河が存在しています。しかもその氷河の存在場所は剣岳の小窓氷河は海抜2300-2000m、剣岳の三の窓氷河は海抜2400-1700mとなんと、山頂から海抜で1000m前後も低いところです。その両氷河の平衡線高度は2000mと推定されます。つまり、大雪山の山頂の平均気温よりも推定で7~8度高い所に氷河があるのです。この事実は、氷河の形成は気温の低さのみに依存するのではないことを雄弁に示唆しています。


氷河は、大量の積雪のあるところに形成される
実際の気象観測データから推定すると、立山・剣岳連峰の降雪量は、大雪山の降雪量よりも遥かに多く、最低でも3倍、多ければ5倍ぐらいあると思われます。しかも氷河の現存する氷食谷では、降雪の多さに加えて「吹き溜まり効果」と「雪崩」により、冬の積雪量は20~30mに達していて、さらに深い谷なので太陽が当たりにくく、融雪期の最終の10月になっても全部が溶けきれず、これが氷河を涵養していると思います。この事実は、氷河の形成には気温の低さに加えて、大量の降雪が不可欠の条件であることを強く示唆しています。

大量の降雪・積雪がなければ氷河ができないことを示す事例として、氷河の存在していない富士山の例や、酷寒の南極でもマクマードドライバレーのような極地砂漠などの例があげられましょう。ほかにも、キリマンジャロの氷河が縮小したといっても、気温上昇などではなく、山麓でコーヒーのプランテーションのために森林を破壊されて、乾燥化が進んだためだという調査レポートが知られています。立山・剣岳よりも一段と気温が低い富士山山頂に氷河が存在していないことから、気温が低ければ氷河が出来るということでもなさそうです…。カムチャツカ半島では、オホーツク海側では降雪量が少なく平衡線高度は2800m、太平洋側では降雪量が非常に多く平衡線高度は700mまで下がるらしいです。このカムチャツカの事例も、時系列的に降雪量が増減すれば、氷河が前進も後退もあり得ることを示唆しています。


降雪量の減少も、氷河の後退につながる
以上のことから、演繹的に導出できることは、氷河の消長は必ずしも気温変化のバロメーターにはなっていない、ということでありましょう。もちろん、温暖化により気温が上昇すれば、氷河の平衡線高度が上がって、その氷河の末端でははげしく消耗して、氷河は後退するでしょう。それは間違いないところと思われます。しかしながら、氷河の涵養域での降雪量が減少したならば、これも平衡線高度を上げる要因になります。その氷河は涵養されなくなり激しく後退するでしょう。氷河が後退する要因として、「気温の上昇」と「降雪量の減少」という大きな2つの要因が考えられましょう…。したがって氷河の後退・縮小をもって温暖化の証拠だとは言いきれず、温暖化の証拠とするには不適切なのであります。

地球温暖化の恐怖を煽って寄附集めに余念が無い環境保護団体などが、降雪量の減少も温暖化の結果なのである。気温が上がって氷河が後退するのも、あるいは降雪量が減少して氷河が後退しようとも、そのどちらであろうとも、やっぱり温暖化の結果なのである。などと、もし強弁するのであれば、まず降雪量減少が温暖化の結果であることを立証する必要がありましょう…。


地球温暖化の指標として、特にふさわしくない氷河の実例
●地球温暖化懐疑論者たちがよく引き合いに出すのは、北欧のスカンジナビア半島と、さらにその北の北極海に浮かぶスヴァルバール諸島の事例が知られています。この地域では氷河が厚みを増し、派手に前進しているものがあるそうです。氷河の質量が増加していることを示すデータが上がっているらしいですが、しかしこれは冬の降雪量が著しく増加することで起こった現象とされています。氷河が前進している事例を以って、温暖化していないとか、寒冷化していると主張するのも不適切であろうかと私は思います。 また、氷河が前進と衰退を間欠的に繰り返す「サージ氷河」というものが知られています。世界には意外に沢山あり、前進(サージ)と後退を繰り返す詳しいメカニズムはまだよく分かっていないようで、氷河研究者による研究途上のようです。沢柿教伸氏サイト 『パノラマ写真で見るビルチェノク氷河』参照。 サージ氷河の前進局面をみて温暖化懐疑論者が 「ほれ見ろ! 氷河が前進しているではないか。温暖化は嘘じゃあぁぁ」 と喜び、逆にサージ氷河の後退局面を見て地球温暖化利権者が 「ほれ見なさい! 氷河が消えてなくなるぞ、大変だあぁぁ」 と喜ぶのはどう考えても奇妙であります…。

例えば、ニュージーランド南島の 英語版Wikipedia Franz Josef Glacier (フランツ・ジョセフ氷河) などは典型的な前進と後退を繰り返すサージ氷河のようであります。   【写真と図表はWikipediaから借用しました
フランツ・ジョセフ氷河
↑ この氷河は、海抜の高い所にある20平方キロメートルの大きな雪原によって涵養されていて、今のところは12キロの長さです。タスマン海から12キロのところが氷河の末端であります。この氷河は、万年雪を涵養している降雪量と、氷河基底部における融解水量との間の差によって動かされているところの “前進と後退” の周期的なパターンを示しているのです。前進と後退を繰り返すメカニズムはよく分かっていないということですが、勝手に想像してみると、氷河基底部に融雪水が次第に溜まっていって、ある限界点みたいなものがあって、その限界点に達したら融雪水が潤滑油の作用をして一挙に氷体が滑り落ちるのではないか? そして、滑り落ちる運動が終わったならば氷河の先端から消耗していって後退。ある程度後退したら動きが止まりまた氷河基底部に水が溜まる。そして溜まるとともに、氷河涵養域では積雪が溜まり氷河の質量が増えて、再び滑らせる力として作用するのか???

フランツ・ジョセフ氷河の末端位置の歴史的な変化
↑ 図の縦軸に年代(1860-1988年)を目盛ってあります。横軸が氷河の消長(advance前進 と retreat後退)の度合いです。この図を見ると、1940~1980年ぐらいにかけて氷河が1.5キロぐらい後退しています。その後退局面の中で2回前進が起こっています。前進幅は0.2キロぐらいか? 1983年から大きな前進局面が来ているようです。1988年以降のグラフがないのですが、Wikipediaには氷河は2008年まで前進していたという記述があります。その後はこの氷河はやせ細って後退しています。過去の変動を外挿して、科学者どもは、地球温暖化予測の中位シナリオで2100年までに、フランツ・ジョセフ氷河は5キロ後退し、氷河の質量の38%を失うであろう、などと事実上の政治団体に等しいIPCCの言説を盲信した阿呆な記述をしています…。

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すでに3年6カ月が経ったけれども、IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)が陳謝をしたのはまだ記憶に新しいところです。次は、当時のネット版のゴミ売り(読売)新聞の記事です。

【ヒマラヤの氷河消失、報告書は誤りと陳謝】(読売新聞、2010年1月21日10時22分配信)(既にリンク切れ)
【引用開始】 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は20日、声明を発表し、2007年の第4次報告書で「ヒマラヤの氷河が2035年までに解けてなくなる可能性が非常に高い」とした記述は科学的根拠がなく誤りだったと陳謝した。世界中の科学者が協力して作成した報告書は信頼性が高く、IPCCはアル・ゴア元米副大統領と2007年にノーベル平和賞を受賞したが、地球温暖化の懐疑派は「報告書の信頼は揺らいだ」と攻勢を強めている。欧米の気象学者らが20日、独自に発表した分析によると、報告書は問題の部分を世界自然保護基金(WWF)のリポートから引用した。WWFは英国の一般向け科学雑誌ニュー・サイエンティストが1999年に掲載したインド人研究者についての記事を引用した。しかし、この研究者の論文は未公表で、氷河消失の時期も予想していなかった。「2035年」という時期は、別の文献の「2350年」を写し間違えた可能性があるという。分析は「査読を経た論文を基礎に置くという科学の基本を守れば回避できた間違い」と指摘している。 【引用終了】

そもそもWWFのリポートを引用するのが間違っています。WWFは地球温暖化の恐怖をダシにして寄附集めをしている団体です。環境だとかエコなどという言葉ほどイヤらしいものはなく、ハッキリ言って偽善であります。善意の陰にかくれた赤い舌、すなわち偽善・欺瞞の背後にある利己的な拝金主義を見抜く必要があります。そもそもWWFは学術研究をしている団体では全くありません。WWFにとっては「氷河の後退」と「シロクマの個体数減少」は特別な聖域で、地球温暖化の恐怖の布教に利用する「よすが」です。そんな団体リポートを引用しているようでは、IPCCの報告書が、ゴミ売りのいうように「世界中の科学者が協力して作成した報告書」などとはとてもいえません。そもそもIPCCだって科学者による国際学会などでは全くなく、政治家やお役人が沢山そこへ出向している政治団体と見るほうが当たっているでしょう。パチャウリIPCC議長からして気候や気象や関連分野の自然科学の科学者では全くなく、出身国インドでエネルギー関連の国営企業の役員をしている “経済屋” にすぎません。ちなみにWWFが問題にしているシロクマの個体数減少にしても、地球温暖化など全く相関も因果もなく、ヒトによる狩猟圧によるものでしかないことが判明しています。「査読を経た論文を基礎に置くという科学の基本を守れば回避できた間違い」というのも噴飯ものです。政治の強い干渉にさらされる研究は、研究費の配分という紐付きであって、査読者自体が政治の意向を汲み取りながら査読をしていると見るべきでありましょう…。


それにしても、2009年11月のクライメートゲート事件で、IPCCのみならず御用気象学者どもがいかにインチキをしていたかが、白日の元にバレてしまって3年8カ月経ちました。最近では悪徳マスゴミどもも、“不都合な虚妄説” と変わり果てた地球温暖化をほとんど言わなくなりました。彼らは出来るだけ地球温暖化の話題は触れないようにして、人々の記憶から忘れ去られることを狙って沈静化を図るつもりでしょう。しかしながら、温暖化対策のタチの悪い諸法はまだ生きています。悪法も法なりで、守らざるを得なく、あれやこれやらで1兆円とも2兆円とも言われる税金が温暖化利権者どもにむさぼり食われています。いまこそ、地球温暖化利権者や御用学者が沈静化で逃げ切るまえに、もう一度問題化させて、“科学史上の最大のスキャンダル” を総括し、かかわった者どもの責任追及するべきでありましょう。地球温暖化の利権構造も、原発ムラの利権構造も同根です。きわめて酷似しています。これらを許し野放しにしておったら、善良で何の落ち度もない国民は次々に税金という形で体よくカネを盗られて、身ぐるみ剥がされるでしょう…。

【一旦ここで拙稿は終了】

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