雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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氷河の後退・縮小は、気温上昇のみに依存するのではない。(その1)
毎日暑いですわね。涼しげな氷河の話題でもしましょう…
●いささか旧聞に属する話になってしまいましたが、昨年に、日本にも氷河が現存しているということが判明しました。日本氷雪学会が公式に認めました。地球温暖化でヒマラヤの氷河が後退しているとIPCCが政治的に庇護している御用研究者どもが、いまだに煽りまくっていますが、そのように氷河の後退や消失が心配されている趨勢のなか、日本に氷河などないと信じられていたのに、北アルプスの立山や剣岳の東斜面の谷に氷河があると判明しました。まことに喜ばしい限りであります。日本は氷河保有国(?)となったわけですが、お赤飯を炊いて慶賀すべきことなのです。

低緯度・低海抜の世界的に希有の氷河
●赤道直下であっても5895mの海抜をもつキリマンジャロとか、比較的に低緯度であっても高く聳えるヒマラヤ山脈は別格で、それ以外で、わずか北緯36度などという低緯度に、しかもたった海抜2000m前後の低山に、氷河が存在しているということは希有なことであります。まことに慶賀すべきことであります。いま富士山が世界遺産になったと国をあげて浮かれていますが、むしろ、こちらの方が価値がありそうですね…。なぜならば富士山程度の成層火山は世界に沢山あるからです。ジャワ島の地図をごらんなさい。いっぱいあります。世界遺産に登録されているカムチャツカ半島の火山群は、Google earth を閲覧すると富士山みたいな成層火山は10ほどもあります。一番高い山は4850mほどもあり、富士山よりも遥かに高いです。ようするに、富士山程度の成層火山は地球上にありふれているのです。ところが、北緯36度の低緯度かつ2000m前後の低海抜の氷河は、世界で立山連峰だけです。唯一無二のものだから、世界遺産級でありましょう…。


公益社団法人 日本雪氷学会 の機関誌 『雪氷』 74巻3号 (2012年5月) に掲載された論文 福井幸太郎・飯田 肇 「飛騨山脈、立山・剱山域の3つの多年性雪渓の氷圧と流動 ―日本に現存する氷河の可能性について― 」 によって日本に氷河が現存していることが分かりました。この論文は専門の論文でしょうが、そう難しいことは書いてないから、われわれ門外漢でも十分に読めます。よく分からん用語が出てきたら、氷河・雪氷圏環境研究舎 『氷河・雪氷圏辞典 5訂版』 を見るとよろしい。

余談 報道の政治的偏向化
しばしば、アカデミズムは難しいことを難しく言う、ジャーナリズムは難しいことを易しく言う、などといわれます。私はそうは思いません。それは新聞やテレビなどのジャーナリズムが自己を正当化するための言い草でありましょう。難しいことを無理に易しく報道しようとして、難解な部分はカットし、不適切な比喩や言い換えでの誤魔化しが見受けられることがあります。今のジャーナリズムは政治的に色がついていますから、アカデミズムが言っていないことでも、勝手な拡大解釈で付け加えたりすることが横行しています。研究者が○○を研究して△△ということが分かった、などと新聞等が報道するときには、要注意です。新聞記者やデスクの勝手な政治的解釈を付け加えていることがままあります。で、その研究者が本当に新聞報道の通りに言ったのかどうか、確認する必要がありそうです。さいわい、インターネットが普及してわれわれ庶民でもその確認ができるようになりました。いまや色々な分野の研究者がホームページを持っていて情報発信しています。学会誌でも一般公開するところが非常に多くなっています。マスコミが研究者が言ったことのごく一部を針小棒大に拡大して、新聞社の主張に沿うように都合良く曲げて報道してもすぐにバレてしまいます。もちろん企業秘密とか国家機密は入手できませんが、研究者や省庁のホームページを閲覧しさえすれば、庶民のレベルでいくらでも情報を得ることができる時代になっております…。ジャーナリズム(マスゴミ)の存在理由が根底から揺らいでいます。若い人で新聞を購読しているなどと言うと、“おまえは情報薄者なのか” などと揶揄されてしまいそうです…。

余談 可能なかぎり原典・情報元を閲覧しよう
今回話題にするところの、日本にも現存する氷河があったという学術報告も、昨年いちおう各紙で取り上げられたようですけれども、取り上げ方があまりにも簡略的でした。できれば触れたくないニュースという印象が強くしました。おそらく、京都議定書が採択されて以降20年近くにわたって、マスゴミどもが地球温暖化危機説の布教に余念がなく、氷河が消失するというふうな特集記事が組まれてきました。そうしてきた手前、日本に氷河があったなどという話題はマスゴミにとってまことに具合が悪いことでありましょう。たとえば、もし“有名な白馬岳の多年性雪渓がやせ細って消滅寸前だ” というふうな話だったらマスゴミは飛びついたのでありましょう…。で、しぶしぶ報道したという印象が否めないわけです。マスゴミにも政治的な立ち位置というのがあり、必ずしも政治的に中立ではないのだから、なにか報道があったならば、その報道を額面どおりに受け止められない面があります。可能な限り取材元の原典や原論文にまで遡及して閲覧するほうが宜しそうで……。

余談 政治と報道の癒着
テレビもそうだけれども、とくに新聞というものは、もはや前時代的であります。膨大な森林資源を破壊して作った紙というものに、わざわざ前・前世紀の技術である輪転機を回して印刷し、膨大な手間とコストを掛けて配送・配達し、というビジネスモデルはもはや終わっていますよ。新しい時代に応じた新しいビジネスモデルが登場し、古いビジネスモデルは淘汰され絶滅していくのが世の常です。たとえば携帯電話の登場で消えていったポケットベルとか。そのような化石のようなビジネスモデルに固執しているから、そしてクライアントに広告効果なしと烙印を押され広告収入が激減し、背に腹は替えられないから、いよいよ押し紙という部数誤魔化しで広告収入を過大に詐欺し、あげくのはては、政府に泣きついて、政府の広報係をするからその見返りにと “新聞だけは消費税値上げを特例免除してくれ” という政治と報道の癒着問題が起こるのです。あるいは新聞業界が文部科学省にスリよって、学校で新聞を使った教育をしてくれというNIE(newspaper in education)などもそう。政府に尻尾を振って擦り寄るような、こんな業界に果たして未来はあるでしょうか? 歴史を見れば、苦しくなって政府の庇護を求めるような業界は100%衰退しています。わたくし山のキノコはテレビ・新聞業界の未来は非常に暗いものと予想しております…。


↓ 2012年に氷河と認められた立山ー剣岳の多年性雪渓
剣岳の東斜面の氷河
Wikipediaより写真借用。剱岳の氷河が存在する三ノ窓雪渓と小窓雪渓、鹿島槍ヶ岳から望む

国土地理院の地形図
国土地理院 『電子国土ポータル』 より富山県・立山~剣岳周辺を借用。

●さて、上掲の 『雪氷』 74巻3号 (2012年5月) に掲載された論文 『飛騨山脈、立山・剱山域の3つの多年性雪渓の氷圧と流動 ―日本に現存する氷河の可能性について― 』 をよく読めば、地球温暖化のウソが演繹的に引き出せます。IPCCがヒマラヤの氷河の後退や、キリマンジャロの氷河の後退を、地球温暖化の進行している証拠として挙げていました。もちろん、その可能性もあるんですけれども、しかしながら、氷河の後退や前進は気温変化にだけ依存しているのではなく、気温変化以外にも降水量(降雪量)の変化に大きく依存していることがハッキリと窺えます。

なぜ、北海道の大雪山に氷河がないのか? 大雪山にも多年性雪渓は多数みられますが氷河とは認められていないです。なぜ、緯度にして7度も南の立山連峰に (しかも海抜2000m前後で、大雪山2291mとかわらない) 氷河が現存しているのか? 理由は全く鮮明です。降雪量の差です。降雪量が多くなると氷河は涵養・前進し、降雪量が減ると氷河が消耗・後退です。気温変化だけではないのであります。キリマンジャロの氷河の縮小も、山麓一帯での森林伐採等による乾燥化で降雪量が減ったとのレポートも早くからあがっています。したがって、氷河の後退を示して、地球温暖化の証拠だとみなすのは不適切でありましょう。


付記】 ヨーロッパアルプスの氷河はここ200~300年で大きな後退をみせていますし、そういう報告は沢山あるようですが、それは近世の小氷期の寒冷な気候からの回復過程で起こった気温上昇によるものでありましょうが、それを否定しようとするのではありません。そういった100年単位の時間スケールの中で起こった氷河後退を議論しているのではなく、たかだか数年~数十年というごく短期間での氷河の消長までもがCO2地球温暖化説・CO2地球温暖化危機説の布教に悪用されていることを、議論しようとしております。

拙稿は続く

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