雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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徳川家康が愛飲した幻の薬酒 「忍冬酒」 を作ろう。(その4)     実際の作り方は、口伝が途絶え不明の部分も…。
●スイカズラ = 忍冬(にんどう) は有名な薬草であり、忍冬で作る 「忍冬酒」 は江戸時代ではそこそこ一般的であったのか? 江戸時代の代表的書物にあちらこちらに顔を出しております。 島根大学図書館デジタルアーカイブ  様が、江戸時代の代表的な百科事典であるところの 『和漢三才図会』(わかんさんさいずえ) を学外の者にも見せて下さいます。それで、忍冬が載っているページを借用させていただきます。 『和漢三才図会』 は300年前の1712年に刊行・成立しましたが、大坂の漢方医である寺島良安という人物の手になる105巻の膨大な書物でありますが、くだんの「忍冬酒」については第96巻に掲載されております。

『和漢三才図会』第96巻より
↑スイカズラ(忍冬)には沢山の異名があるみたいですね。金銀花(きんぎんか)ではなく、金銀藤(きんぎんとう?)などと書いてあります。

●お前は、やたらに古色蒼然としてカビ臭い書物を引っ張り出すみたいだな、と言われそうであります。たしかに、そうですけれども、日本は歴史が長い国であります。古い物が沢山あるのです。日本で一番古い書物は、聖徳太子が法華経の注釈書として著わした 『法華義疏』 (ほっけぎしょ) といわれていますが、615年成立です。1400年も前であります。それから日本で一番創業が古い会社は? というと良く知られています。 株式会社 金剛組 (こんごうぐみ) でありますが、578年に創業といいますから1400年以上前の飛鳥時代です。世界で一番古い会社とギネスブックに載っているとか。日本には古い物が山のようにあるのですよ。 身近なことを申しても、私は今住んでいる村の生え抜きの住民ではなく、他所から移住してきた人間ですが、私の出身母村の集落は僅か20軒ほどの集落です。その小さな集落でも長い歴史があり、天正12年(1584年)に大地震がありました。前におった場所で大規模な地滑りがあり、危険で住めなくなりました。そこで集落挙げて現在おる場所に移転しました。これは430年ほど昔のハナシですが古文書の記録が残っているのです。僅か20軒の小さな集落でも400~500年ぐらいならば遡って集落の変遷がわかるのです。

●このように、日本という国は、長い歴史に彩られていて伝統的文化が豊かな国なのです。ただ、北海道だけは明治維新ころ国家の政策で本州から開拓移住した地域ですので、歴史は少し浅いかもしれませんが、津軽海峡以南の地域はどこでも、道端の石仏にも、折々に行われる年中行事にも、ありふれた日常の中に、500年、1000年という歴史が息づいているのです。これが新興国のアメリカとは全く違うところなんです。アメリカは1620年に迫害を受けた清教徒がメイフラワー号でイギリス本土から移住してきたのが、そもそもの国のはじまりでしょうが、アメリカは宗主国イギリスから独立宣言が行われたのが1776年で、まだ建国230年余りでしかありません。歴史が非常に浅い新興国なのです。経済的・軍事的に力をもっているから、世界の警察官きどりで横暴な覇権主義の国ではありますが、世界史的な視点からは、全くの新参者・新興国なのです。言わんとすることは、日本のような歴史の長い伝統的な国が、新参国家のアメリカにぺこぺこするのはおかしいのです。そのような意味からもアメリカが主導権をにぎり、アメリカ基準を押しつけてくるTPPなどに、日本が尻尾を振って入るのは間違いなのです。

余談】 
日本は長い歴史がある伝統の国なのですが、アメリカは歴史がありません。それを象徴しているのが世界遺産でしょう。1972年にユネスコ総会で世界遺産条約が採択される経緯を調べたら、ユネスコは最初は文化遺産のみで発足させようとしましたが、アメリカのニクソン大統領が強い政治的影響力で自然遺産を含めるように働きかけています。ようするに、アメリカは歴史が無いから古い文化遺産が存在しない国です。アメリカはユネスコに沢山の金をだしているのに、文化遺産だけでは歴史の長い国と比べると決定的に不利だ、けれども自然遺産ならば、イエローストーンとかフロリダ半島の湿原とか結構ある、なので世界遺産に文化遺産だけでなく自然遺産を入れろ! と強く主張しています。アメリカには国土は非常に広いのに悲しいかな歴史がないので、世界文化遺産はたった8件しかないのです。では、世界自然遺産が多いかというとそうでもなくたった12件しかありません。国土の広さ、人口の多さから言うと少ないですね。 歴史の浅い国は、世界文化遺産があまりない。
そういう観点から考えると、古色蒼然としたカビ臭いような何百年も昔の書物だとか、柱の材が炭化して黒くなるほどの古い建物などが、大変な価値をもっていることが分かります。


家庭で簡単に忍冬酒を作るには
主に、以下のネットサイトを参考にさせていただきましたが、忍冬酒の作り方は口伝の部分があって、ハッキリ分からない部分もありそうですが、和歌山社会経済研究所 亀位匡宏 『海内無双の紀伊忍冬酒』 2006.3 が精緻な研究で大いに参考になります。紙の書物もあれこれ閲覧したら、江戸時代には、忍冬酒を作る本家本元は紀州(和歌山)であったようですが、伊勢や遠州(静岡県東部)や、九州の筑後など各地で製造されていたらしいです。

楽天市場の すずき米屋様 「徳川家康公の健康酒 忍冬酒」 や、楽天ではないので通信販売に応じてくれるかどうか分かりませんが 遠州夢倶楽部 「こだわり商品 忍冬酒」 が忍冬酒を販売しているようです。自分で作るのはめんどうくさいので、購入して飲んでみるのも一法でありましょう。

忍冬酒の作り方
① 焼酎を5合(0.9リットル)用意します。
② スイカズラの花(できれば蕾のほうがいい)を100グラム採取し、天日で素早く乾燥させます。
③ コウジとモチ米を用意し、モチ米は蒸してコウジと混ぜ合わせます。要するに甘酒の元です。これを100グラム程度こしらえる。
④ 焼酎を容器に入れ、②と③も一緒に入れます。
⑤ 冷暗所で2か月寝かせますが、1週間ごとに攪拌します。
⑥ 2か月ほど熟成させたら出来上がり。濾過してもいいし、上澄みを掬って飲んでもいいです。氷水で割って飲むとよろしい。

甘くて色々な効能のある薬酒であります。作り方はとても簡単です。参考サイト等を見ると、沢山の漢方薬の材料を添加したり、スイカズラの花と等量のノイバラの花を用いたりしております。また、スイカズラの花ではなく葉と茎を用いたこともあるようです。もちろん、漢方薬の材料等が入手できれば添加するのもいいかもしれません。しかし、作り方の根本は単純で、そもそも焼酎に漬け込むだけの果実酒みたいなものでありましょう。コクモンジ酒と違い失敗がありません。

最高権力者の徳川家康が財力と権力で上納させて愛飲したと伝えられるほどの幻の薬酒です。また、江戸時代に遠州の浜名湖あたりの名産であったらしいのですが、東海道を上り下りする参勤交代の大名たちが、こぞって買い求めたらしいです。忍冬酒を飲んだからといって天下を取れるものではありませんが、健康増進のために作ってみませんか? なお、焼酎にコウジを入れると新しく酒 (酒税法第3条で規定する混成酒類のみりん) を作ったとみなされ、酒税法違反に抵触する危険性がありそうですので、「コウジ+もち米」 ではなく氷砂糖で代用する方が無難ですが、自己判断で…。 わたくしは、べつに法律を破ることをお奨めしているわけではありません。 

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