雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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徳川家康が愛飲した幻の薬酒 「忍冬酒」 を作ろう。(その3)     先ず、スイカズラの花の蕾を採りにいきましょう。
山の上に自生するスイカズラの花は、紫色っぽいものが多い傾向がある
●先ず、スイカズラの花を採集しますが、淡路島の平地ではほぼ花期が終わってしまいました。しかし、まだまだ山の方に行けば、スイカズラが咲いております。蕾もたくさんあります。500mぐらいの山の上では生物季節が2~3週間遅れるようであります。山の方に自生しているスイカズラの花は、明瞭な金銀花ではなく、なんとなく紫色っぽい花の個体が多いようです。最初は白花ではなく、薄い紫色っぽくて次に黄色になるという感じですが、山に自生するものが全てそうなるというのではなく、そういう物が混じっているということであります。その理由はハッキリしません。

勝手な想像ですが、スイカズラは訪花昆虫が花粉を運ぶ植物であります。スイカズラの花の色とか、花色の変化は、ヒト(人間)が観賞するためにあるのではないでしょう。訪花昆虫たちに花の所在を認識してもらうためにあるハズです。そう考えると、多くの昆虫たちはヒトの目と異なり、紫外線で物を見ています。というよりも紫外線が見えると言われています。そうすると、標高が高くなればなるほど、紫外線の量が平地よりも増えてくるから、平地よりも強い紫外線でスイカズラの白い花が良く見えるようにと、若干紫色を帯びてくるのか?? あるいは逆で、強い紫外線で白い花が見えすぎて眩しいから、紫色を帯びて減光しているのかも?? などと推論してみましたがどうかな?? と考えてみましたが、出まかせの想像です。いろいろなフィルターが市販されているみたいだから、紫外線写真を撮ってみると何か分かるかも??


やや紫がかったスイカズラ
↑ 6月23日、淡路島南部の山岳地帯ではまだ蕾が沢山あった。海抜500メートル付近。平地と違い、山では花が紫色を帯びた個体が非常に多いです。

↓ 2013年6月23日 淡路島南部、諭鶴羽山607.9mで採取した。(これを陰干しします)
スイカズラの蕾
↑淡路島の南部の山岳地帯(諭鶴羽山)で収穫したスイカズラの蕾です。つぼみは白色ではなく、薄い緑色をしています。6月23日(日曜日)に採取。1時間ほどかけて採取しましたが、紫色がかった花の個体が多く、白(薄緑)ばかりでは沢山集められません。もっと早い時期に、5月下旬から6月上旬ぐらいに平地で採取した方が良かったかもしれません。スイカズラは九州から北海道南部まで分布は広範囲なので、長野県など中央高地だとか、東北地方北部や北海道ではいまごろが採取適期であろうかと思いますが、西日本(瀬戸内海沿岸地方)では、もう時季外れになってしまいました。西日本在住者で、忍冬酒を作りたい方は、山登りです。私の観察では、スイカズラは1000mを越える山の上にまで分布しています。西日本でも海抜1000m以上に行くと、東北北部~北海道南部に相当する気温になるので、生物季節が平地よりも1カ月遅れるのです。

↓ “日最高気温の低い方から” のランキングです。気象庁ホームベージから借用。
日最高気温の低い方からのランキング
↑ これは “日最高気温の低い方から” のランキングです。“日最低気温の低い方から” のランキングではありません。意味は全く違うんですが、ちょっと分かりにくいかもしれません…。

●申すまでもなく、北海道は日本屈指の寒冷地であります。道東や道北の冬の放射冷却による極低温には凄いものがあります。防寒具が不十分ならばたちまちに命を奪われる低温です。今年の3月2日に網走の近くの湧別町(ゆうべつちょう)で悲惨な遭難がありました。すさまじい暴風雪で視界ゼロのホワイトアウト、車が吹き溜まりにはまってスタック、父子家庭の父親が低体温で死亡し小学3年生の娘が一人生き残る、という痛ましい遭難事故でした。ま、本州の2000m級の雪山で起こる遭難死が、平地の人家の横で起こるのが北海道たるゆえんでありましょうか。上の表の観測史上の低温記録ランキングに、津軽海峡以南の都府県の観測データでは、どうあがいても全く太刀打ちできないものです。ところが例外というものが必ずあって、上の表をご覧いただきますと、並み居る北海道の強豪に伍して、南の地方から2つの観測所が食い込んでおります。1位に君臨する富士山は別格ですが、まあ、あそこは、いわば南極の昭和基地みたいなところです。

ところで、余談ながら、富士山が世界遺産になったなどと、国をあげて阿呆なお祭りさわぎの祝賀ムードですけれども、水を差すことを言うんですが、安易な登山が増えて遭難事故が急増するであろうと危惧しています…。あそこは気象条件が南極と同等なんですよ。夏でも、しばしば氷点下になるし降雪もあります。山頂の観測所の年平均気圧は638hPaです。海面上の1013hPaの僅か63%しかありません。空気が薄いので症状の個人差はあっても高山病にやられます。激しい頭痛や吐き気でクラクラ、高血圧など既往症のある人は場合によっては命取りです。さらに、瞬間最大風速91メートルの日本記録を保有する山です。5合目から上は、樹木は匍匐状のカラマツとダケカンバが僅かにパラパラとあるだけで、森林限界の上に突き抜けている山なんです。吹きさらしなんです。身を守る木陰も、窪地や岩陰なども全くありません。不用意に登って天気が急変したら恐ろしい目に遭いますよ。夏でも風雨に打たれれば、蒸れない高品質レインウェアーでないとびしょ濡れで凍死です。雷も恐いです。登山道で雷に見舞われても身を伏せる岩屋はありません。上からではなく、横からバシッと乾いた音がしたら即死です。平地みたいに遠くでゴロゴロなどではありません。前触れもなく突然にバシッと来るんですよ。山の雷は恐いですよ。富士山に登るのだったら絶対に高層天気図を読図する知識が必要です。高層天気図をチェックすれば雷の発生の有無は予想できます。落石も非常に恐いです。富士山は石炭がらが積もったような山です。非常に崩れやすく落石が多いです。動画を見ると恐いですねえ。そもそも富士山は観光気分で安易に軽装で登る人が多いから、遭難事故がけっこう発生し毎年必ず10人前後の死人が出ています。私は、国を上げてのアホウな馬鹿さわぎの祝賀ムードは自粛するべきだと思います。
遭難事故が増えないようにとお祈りいたします…。


↓ これを見たら、本当は富士山が大変恐い山であることがよく分かります。
  世界遺産登録の祝賀気分など、木っ端みじんに吹き飛んでしまいます。



残念ながら、平地ではスイカズラの花期が終わりました。山へ採りに行きましょう
●余談に力が入りましたが、それはさておき、上掲の “日最高気温の低い方からランキング” で、なんと徳島県の剣山(1955m)が堂々と12位に食い込んでおります。現在では、気象庁のリストラで残念ながら剣山測候所は廃止されてしまいました。しかし過去の観測データによると、8月の剣山の気温は、おおよそ日最低気温が13~14度くらい、日最高気温が18~19度程度です。このように山の上は非常に気温が低くなるので、サクラの開花も、新緑の展葉も、1000m以上では平地より1か月も山頂では1カ月半も2か月も遅れてしまいます。


拙ブログの記事が1カ月遅くて、淡路島の平地では、既にスイカズラの花期はほぼ終わっています。タイミングを外しました。それで諭鶴羽山(柏原山でもいい)か、あるいは遠征出来る方は、徳島県の剣山の中腹に採りに行くといいでしょう…。

追記
●富士山は海抜2400mまで車でいけるんですが、その高度で既に空気が薄くなっています。海抜2000m高度の平均気圧は799hPa(海面の79%)です。実際に登る標高差は1300m余りですけれども、物凄く体力を消耗します。安易に、観光気分で登る山ではありません。どうしても登りたいのであれば、普段から、エレベーター等には絶対に乗らず、階段をかけ足で登るとか、休日には30キロの砂袋を背負って坂道を歩くとか、体力養成の訓練をするべきです。本当に山の好きな人びとはそうしていますよ。そういう心構えであればまさかの事態でも、生きて帰れる可能性がグンと高くなります。世界遺産になったなどと浮かれていると、観光気分の安易な軽装登山が増えて、悲惨な遭難事故が増えるのではないかと、本当に心配しています。先日、ニュースキャスターの辛坊治郎氏が、小型ヨットで太平洋を渡ろうと企てて遭難事件を起こし、大勢の人々に迷惑をかけました。救助に莫大な国税が使われて、いま、辛坊氏はコテンパンに批判されています。山で遭難して救助を要請した場合、救助費用が請求される場合があります。事例ごとにケースバイケースでしょうが、救助は必ずしもタダではありません。山頂で骨折とかで動けなくなって、民間ヘリコプターが来てくれた場合には高額請求がきますよ。100万とか200万単位です。行方不明者を捜索するのは、たいていは長引くし大勢の民間人が出るので1千万単位です。資産家・高額所得者でないかぎり、山岳保険に入らないで絶対に山に登ってはいけません。海でも山でも、一つ間違えたら命がけなんです。死と隣り合わせなんです。

●安易な登山が増えると予想され、その意味から、富士山が世界遺産に登録されたのは間違いであります。2、3年後には富士山は世界遺産になるのではなかった、という後悔の声が各方面から出てくるでしょう…。賭けをしてもいいです。観光客が増えるのは一時的な効果です。じきに熱は冷めるでしょう…。観光客増加を見込んだ設備投資が過剰となります。それまでなかった規制や保全費用だけが残ります。いいことが全然ない、ということが見えていますよ…。


(拙稿は続く)

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