雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201708<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>201710
この木なんの木、気になる木。 なんじゃもんじゃのマツ(松)の木の正体は?


●日立といえば三菱や東芝と並んで原発に手を染めた企業であります。良く知らなかった昔は立派な会社だと思ったわけですけれども、色々なことを知るにつけ、率直には尊敬すべき立派な企業とは全く言いきれない黒い部分もあるわけであります。けれども、本エントリーは原発反対の文章を綴ろうとするのではないので、それはそれとして横に置いておきましょう。

●日立の木としてあまりにも有名なこの木は、ハワイのオアフ島にあるらしいです。ワイキキから車で30分、モアナルア・ガーデン というところにある大木で、モンキーポッドと称される樹木らしいです。マメ科ネムノキ属で淡路島にも普通に見られるネムノキの近縁種のようです。モンキーポッドにはアメリカネムノキという和名が付されているとのこと。 


●さて、この木は何の木じゃろうか? 気になる木やな。なんて言う名の木だべ。という木はどこにでもあるものです。なんじゃもんじゃの木という表現が各地にあります。一体何の木じゃろうか? という意味でありましょうが、普通はモクセイ科の ヒトツバタゴ を指すことが多いです。ヒトツバタゴは九州北西部と岐阜県・愛知県あたりにしか自然分布せず、もちろん淡路島南あわじ市には自生がありません。淡路島に自生の樹木でヒトツバタゴに一番近縁の樹木はマルバアオダモかな?と思います。ヒトツバタゴ分布域以外の地方でも、なんじゃもんじゃの木という言い方はあるので、その場合は別の樹種になるのであります。

南あわじ市の気になるマツ(松)の木、なんじゃもんじゃのマツ(松)ですが、それは淡路島南部の南あわじ市の第一の観光スポットでもあるとことの 「おのころ島神社」 にあります。おのころ島は神話では日本発祥でありますが、それはどこなのか? と諸説ありますが、それは、ここ、おのころ島神社のある場所であります。他のところは誤謬であり、モグリであります。この場所は現在では淡路島南部の平野部の真ん中にあるのですが、古地理学的には縄文海進のころには、つまり日本神話が生まれる前の時代には、地球温暖化で気温が今よりも2~3度高くなっていました。海面も3~6メートルも上昇していました。海岸線は現在のそれよりも大きく内陸部に進出していて、淡路島南部の三原平野でも入り江が内陸部にまで深く入りこんでいました。で、縄文海進時代にはおのころ島神社の鎮座地まで入り江だったわけで、入り江の中の島がおのころ島なのです。

●なお、蛇足ながら、二酸化炭素地球温暖化説がなぜ胡散臭いかの理由の一つが、この縄文海進などで分かるように、気候変動など過去にいくらでも起こっているからです。縄文海進など温暖化も、近世の小氷期など寒冷化も、気候が変動するのは当たり前で、それは自然の変動であり、二酸化炭素など関係ありません。しかも、IPCCは近世の小氷期はなかったものと必死に工作を弄しました。本来は自然科学の論争であるにもかかわらず、政治があまりにも深く介入しすぎています。そもそも、自然科学の論争に政治が介入したら、自然科学の理論が歪められます。なぜならば自然科学の研究費の増減を支配するのは政治だからです。ようするに自然科学は政治よりも立場が弱いのです。政治は研究費の配分はしても、科学理論に関しては科学者たちの自由な論争に任せるべきなんですよ。自然科学の研究者たちは、研究をするには研究費が必要で、そのお金をもらうために政治が喜ぶように迎合してしまうのであり、つまるところヒトという動物はお金の供給源につい尻尾をふってしまうのです。それは何も偉い科学者だけでなく、われわれ国民でも皆同じです。だから、政治が研究費の配分をしても論争には口を出さないということが要るのです。

謝辞】 本記事を書くのに当たり、おのころ島神社の宮司様には、授与所の前のマツの木の観察・松ぼっくりの採取の許可を戴きました。また、取材の協力ならびに情報提供をいただきました。また記事および写真のブログへの掲上をご承認くださいました。ここに謝意を表します。

【日本一の大鳥居のあるおのころ島神社】
日本発祥の、おのころ島神社
↑日本一の大鳥居のある(あった)おのころ島神社です。威風堂々とした立派な鳥居です。昨年塗り替え工事をやっていました。塗装が塗りたてで、朱色も鮮やか、午後の陽光に輝いております。宮司さんにハナシをきいたら、ごく最近に現総理大臣の安倍晋三氏の奥様が参拝されたそうです。また、女優の逸見えみり氏がちょいちょいおのころ島神社に詣りにきているようで、有名人をはじめ全国からの参拝客で賑わいます。辺見えみり氏 公式ブログ 
【阿部首相の奥様がお見えになった】
阿部首相の奥様の色紙

これが三鈷の松(さんこのまつ)と讃えられる不思議な松の木
授与所の前の、なんじゃもんじゃの松
↑ 社務所(授与所)の前に “なんじゃもんじゃの松の木” があります。胸高周囲が140センチほど、直径は45センチほどか? 樹高は目測で12~13メートル程度と見ました。樹齢は私の推定では60~70年と見ましたが、当たっているかどうか? 確認のしようがありません。宮司さんにハナシを聞いたら、終戦直後に崇敬者が植樹したらしい…、とのことであります。もしそれが確かであれば私の推定はいい線を行っています。45センチ ÷ 0.7センチ = 64.3 で計算したのですが、0.7センチとは何かと申すと、私が過去に松の切り株を調べて算出した 「平均年輪間隔」 であります。色々な樹種の切り株を見つけたら、よく観察して平均年輪間隔と生育環境を野帳に記録しておけば、樹齢の推定に利用できますよ。ただし、その木の生育環境も観察しないといけません。主に土壌水分が多いところか乾燥する場所かどうか、それと日当たりの良し悪しで、年輪間隔は変わりますので。

松ぼっくりが鈴なり!
↑何故この木が、なんじゃもんじゃの松の木なのか? ですが、一見すると普通のマツの木に見えます。クロマツとあまり変わりません。樹木とか植物にあまり関心がない方ならば、普通のマツの木と見分けがつかないでしょう。ですけれども、よく観察するとどこか違いがあります。似てはいるんですけれども、これは普通のクロマツと違うなと気付きます。そうしましと、一体この木は何の木なのか? と気になるのです。写真では、松ぼっくりが沢山ついております。クロマツよりもにぎやかで多いようです。

松ぼっくり
↑松ぼっくりが、クロマツのそれよりも明らかに大きいです。一回りか二回りか、 大きいです。高枝ハサミで松ぼっくりを採取して観察しましたところ、何段にも重なっている花びらのようなもの(種鱗と言う)の先端が鋭いトゲになっています。触ると痛いです。

樹皮
↑このなんじゃもんじゃの松の木の樹皮は、クロマツのそれとはあまり違いはないように思います。

葉はクロマツよりも長い
↑葉は、クロマツよりもやや柔らかいように思われますが、そうでもないかもわかりません。クロマツでも個体によっては葉が柔らかいものがありますし、とくに通称でメマツと呼んでいるものは柔らかく、葉の先端もあまり痛くありません。このなんじゃもんじゃの松の葉はメマツ程度の柔らかさかな、という感じです。

分かりにくいが3葉のマツだ
↑写真では分かりづらいのですが、マツの枝を観察すると、枝からさらに小さな枝が無数に出ています。長さが1センチあるかないかの細くて小さな枝です。その枝の先端に針金状の細い葉が付いています。その1センチあるかないかの小さな枝に鱗片葉が宿存しているんですが、鱗片葉は一般には「葉」とは認識されないので、ここでは考えないことにします。著しい特徴は、その1センチあるかないかの小さな枝(短枝という)に3本の針形葉がついています三葉松!なのです。これで、この “なんじゃもんじゃの松の木” の正体はほぼ分かりました。

日本産マツ属のごく簡単な検索表】 をかかげておきましょう。佐竹義輔ほか『日本の野生植物』1989 の検索表を要約しました。細かく分ければ沢山ありましょうが、基本的な種は次の8種程度でありましょう。ちなみに、淡路島にはクロマツとアカマツしか自生していないです。

1.短枝に2本の葉がついている。つまり二葉松!であります
  2.冬芽の鱗片は白い色である。………………………………………………………… クロマツ
  2.冬芽の鱗片は赤褐色である。
    3.樹皮は赤灰色である。…………………………………………………………… アカマツ
    3.樹皮は灰黒色である。…………………………………………………………… リュウキュウマツ

1.短枝に5本の葉がついている。つまり五葉松!であります
  2.種子に翼がない。
    3.低木で、主幹や枝は地を這い、高山帯にある。……………………………… ハイマツ
    3.直立する高木である。
      4.若枝に軟毛がある。中部山岳にある。愛媛県東赤石山に隔離分布。… チョウセンゴヨウ
      4.若枝はほとんど無毛。屋久島と種子島にある。………………………… ヤクタネゴヨウ
  2.種子にふつう翼がある。
    3.主幹は真っ直ぐに立ち上がる。………………………………………………… ゴヨウマツ
    3.主幹は斜めに立ち上がる。……………………………………………………… ハッコウダゴヨウ


おのころ島神社の “なんじゃもんじゃの松” は三鈷の松(さんこのまつ)と称して開運招福のめでたい験(しるし)として授与品となっております。全国各地の神社仏閣で、三鈷の松というのは信仰の対象であります。三鈷の松(さんこのまつ)高野山の場合 この弘法大師ゆかりの由緒ある三鈷の松の正体は何なのか? 上の日本産マツ科マツ属の検索表をご覧いただくと、賢明な方はじきに分かると思います。正体を申すと、有難味が減るので、言わずもがなでありましょう…。

●三葉松は、基本種としては4種が知られていますが、本エントリーで掲げた写真のものの学名を掲げておきましょう。Pinus taeda Linnaeus です。命名者は「分類学の父」と称される有名なリンネですね。三鈷の松の正体を詳しくお知りになりたい方は、辞書を引きながら、次の英語版Wikipediaをお読みくださいませ。
“Pinus taeda” From Wikipedia, the free encyclopedia
それにしても、高野山は日本一の立派な寺院でありますが、ある意味では、とてもいい加減ですな。良く言えば創作上手です。もしかしたら、弘法大師さまは今風に申せばSF作家だったのかも?
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.