雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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そもそも、“縦書き文明圏“ の日本が、基本的には、なぜ横型信号機を採用しているのか?
●不思議なのは、交通信号機というのは、青色・黄色・赤色の3個の灯器を横一列に並べるか、あるいは縦一列に並べるかの、2通りしかないのはとても奇妙であります。それ以外は見当たりませんが、たとえば次のように並べても何ら差し支えはないハズです。こういうのがあってもいいのでは?
この並べ方の案では、正方形あるいは円形の大きな筐体(きょうたい)に3灯の灯器を取り付けます。そして3灯全体を取り囲むフード(庇・ひさし)で囲みます。そういうデザインを考えてみましたが、実際にこのようなものを製造するのは可能でありましょう。他にも、たとえば1個の大きな円を3分割した “円グラフ式信号機” であるとか、1灯式で、1つの灯器の画面を電子技術により色を替える “画面式信号機”なども考えられます。これは見た目は一つ目小僧みたいで気持ち悪いから、円形ではなく四角形のほうがいいかもわかりません。このようなことを考えるのは、Googleの採用試験に出そうな問題であります。「斬新な信号機の案を考えなさい」この問題では、常識的発想や既成観念など捨てて、いかにユニークで珍妙な物を考えるかが大事であって、しかも、ただ珍妙なだけではダメで、実用可能性もなければなりません。ようするに、赤・青・黄の識別が誤認なく明瞭に出来ればいいだけなのですから、縦一列とか横一列に並べるだけでは、なんとも芸がないわけです…。

我が国最初の自動交通信号機は、米国からの導入で、縦型だ。どういう経緯で横型信号機の国に変わったのか?
●さて、日本は縦書き文明国であります。抒情性を重んじる文芸書とか、国語の教科書は縦書きです。新聞も縦書きです。われわれ日本人は子供のころから縦書きの文章を読んだり書いたりすることを通して、縦方向、上下方向に視線を動かす訓練ができています。そういう文化的背景から考えると、縦型信号機のほうが受け入れ易いと考えられます。にもかかわらず、基本的には、横型信号機の国になってしまいました。 積雪地方では縦型信号機が卓越しているといっても、昔は雪国でも横型であったというし、豪雪対策として縦型に替えたということでありますから、本来ならば横型信号機とするべきところ、雪国の気候的な制約から、やむをえず縦型としているだけのハナシです。雪国であろうとなかろうと、日本は横型信号機の国になっています。

ところが、なんと、自動信号機が我が国に導入された出発点ではそうじゃなかったそうです。
警察庁ホームページ 警察の歴史 ― 信号機の歴史 「我が国最初の自動交通信号機」
引用開始】我が国最初の自動交通信号機は、米国製で、灯器を交差点の中央に設置する、いわゆる中央柱式であり、昭和5年3月に東京の日比谷交差点に設置されました。当時、電車以外の通行者は色灯による交通信号を理解せず、なかなか信号に従わない状況でした。このため、交差点の4隅に多数の警察官を連日配置して周知に努め、さらに、信号の意味を一見して分からせるために、青灯に「ススメ」、黄灯に「チウイ」、赤灯に「トマレ」と文字を書くなどして指導したものの、自動信号が広く浸透するには相当の日数を要したのでした。【引用終了

●交通信号の創始期に、米国から導入された中央柱式の自動交通信号と思われるイラストが載っていますが、明らかに縦型信号機であります。中央柱式でありますから、高さはせいぜい2~3メートルぐらいでしょうか? この高さでは縦型になるのは必然でしょうけれども、とにかく日本で最初の信号機は縦型であったのは、ほぼ間違いなさそうです。神奈川県警察 様のホームページを拝見すると、我が国最初の自動電気式交通信号機の導入されたときの新聞記事らしいものが載っています。横に人が立っていて、人の背を1.6メートルとすると、灯器の高さは少なくとも背丈の倍はありそうです。3~4メートルか?

我が国の信号機のルーツが縦型であり、漢字仮名混交表記は歴史的には縦書きであり、両者がマッチしてその後も縦型信号機が定着しそうなにもかかわらず、なぜ横型信号機が卓越してしまったのか? 不思議であります。中央柱式であろうと、路側に柱を立てて信号機をつりさげても、道路の路面の頭上に信号機を掲げる方式しろ、縦型で何の問題もないのです。縦型信号機を路面の頭上に吊り下げたら、背の高い車が引っかけるなどという危険性も考えられなくもありませんが、縦型信号機といっても書き初め用の半紙みたいに長いわけじゃありません。雪国で大型トラックとか2階建てバスなど背が高い自動車が、縦型信号機を壊したという事故はあるのでしょうかねええ? 日本は、そもそも、文字を縦に書く文化であるから、視線を上下に動かす訓練が自然にできています。したがって縦型信号機の方が日本文化に適っているハズで、そのような視点で観察をすると、西日本や、太平洋側で幅を利かせている横型信号機の方が奇妙な物なのではなかろうか?

我が国の信号機の出発点は縦型であったにもかかわらず、横型信号機が卓越してしまった経緯というか、事情はあろうかと思われますが、調べるのは紙媒体の文献調査をしなければ無理そうです。官公庁の資料など多くの物がネット公開が進んでいますが、どんな分野でも、ルーツ探しや、古い事象を調べるのはネットでは手も足も出ません…。ということで拙い稿はお開きです。
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