雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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縦か横か? それが問題だ。
●前回のエントリーで “縦型信号機” は北海道 ・ 東北地方日本海側 ・ 北陸地方に分布していて、その他の地方では圧倒的に “横型信号機” が卓越していることを話題にしました。 雪国の住人や道路行政に関係する警察の説明では、雪国ではかつて横型信号機であったが、豪雪で信号機に積もる雪が雪庇となって垂れ下がり灯器を隠して見えづらくしたり、信号機の上に積もる雪の重みで信号機が落下する事故もあったらしい。そこで、雪を積もらせる面積が少ない縦型信号機に替えたというのです。なるほど。確かにそうでしょう。縦型信号機では上面の面積が横型信号機のそれより遥かに少ないのは間違いないです。3分の1位でありましょうか。信号機の上に積もる雪を減らすという目的においては、縦型信号機を選択するのは極めて合目的であります。昭和56年の豪雪が縦型への移行のきっかけとなったとのことであります。

縦型信号機は、雪国のアイデンティティーなのか?
北国新聞 「信号機、雪国は縦型主流 富山県内、ほぼ100%」
●この石川県金沢市に本社がある地方新聞、北国新聞の記事がとても面白いです。石川県の北国新聞は富山県でも1割のシェアがあり、この引用記事は富山本社で製造した富山版記事か?

引用開始】さて全国では、省エネ、西日対策など運転手の見やすさに配慮し、発光ダイオード(LED)を使った信号機が普及している。薄型のため、横型でも雪がたまりにくい「優れもの」だ。ならば富山県内でも、更新の際は首都東京に倣(なら)って、横型に切り替わっていくのだろうか。が、ご安心あれ。県警交通規制課によると、既に約3割はLED製だが、縦型が導入されている。今後設置するものについても縦型の見込みだ。【引用終了

富山県の縦型信号機が、東京みたいに横型信号機に変わることを心配しています。「ご安心あれ」などと言っていることにその気持ちが滲み出ています。この記事のなかで、「縦型信号機は雪国の知恵だ」 と言っています。縦型信号機こそ雪国のアイデンティティーなのであり、誇りなのであるから、これが横型信号機などに変わったら困る。縦型を護らなければいけない。と言わんばかりの記事です。

いっそ、縦型信号機を観光資源にしてはいかが?  
「太平洋側にお住まいのお客様、また、南の地方にお住まいのお客様、雪国のアイデンティティーである珍しい縦型信号機を富山県に見にいらっしゃい」 と宣伝しましょう。富山県内観光地廻りコースに、縦型信号機の観察ポイント交差点を1つ組み入れませう。そこには、「信号機の歴史博物館」を作って解説も要るでしょう。すぐさま、新潟県や北海道がマネをするかもしれませんから、うちが本家本元だという宣伝も必要でしょう…。

●さて、しかしながら、「雪国の知恵だ」などと自画自賛するほどのものであろうか? 縦型信号機であっても、上に積もる雪がゼロになるわけではないでしょう。ときには、上から赤・黄・青と並ぶ3個の灯火のうち、最上部の赤が積雪で生じた雪庇(せっぴ)で隠れてしまうこともあるみたいです。雪国の住人の方のサイトを閲覧していると、あちこちにそう書かれています。縦型信号機に変更しても、積雪による信号灯火の視認性低下が100パーセント防げるわけではなさそうなんです。最近では、灯器を覆うタマネギ状の透明なフード付きの信号機が出てきているそうです。要するに、まだまだ改良の必要性があることを示しています。工夫の余地を残している、ということは豪雪対策として縦型に変えたのだとしても、あくまでも暫定的かつ過渡的な変更でありましょう…。

横型信号機だと、上に積もった雪が垂れて灯器が見えづらくなる、あるいは積もった雪が塊になって落下して危険だというのであれば、縦型信号機に切り替えるのではなく、根本的には信号機の上に雪が積もらない工夫をすればいいのではないのか? たとえば、

① 青・黄・赤と3つ並んでいる灯器を覆うフードにヒーターを埋め込んで、雪を溶かしてしまう。

②、ヒーターではなく、フードにバイブレーター等を取り付け、振動で、あるいは揺らして雪を払い落してもいいでしょう。

これらヒーターや、バイブレーターは “積雪スイッチ” で作動させる。これは秤のお皿のようなもので、お皿に雪が積もると雪の重みで秤が押し下げられ、自動的にスイッチが入ります。お皿自体にもヒーター等を取り付け、雪が払いのけられるとスイッチが切れる。つまりフードと連動させて、必要な時にだけ作動させる。

③ 横型信号機の上に、自然に雪が滑り落ちる急こう配の大きな傘型フードをとりつける。その傘にある程度雪がつもったら自然に滑り落ちるようにする。その傘を雪が滑りやすい素材で作り、なおかつ雪が滑り落ちる勾配で付ける。北欧の急勾配の家屋風がいいかも。ちょっと見は花見をする “屋形船風の信号機”。


など、大勢で考えればアイデアはいくらでも出てくると思います。なにも縦型信号機に替える必要はないような気がします。ていうか、縦型信号機に取り替える以外に手がないわけではないのです。本当に困って、困り果てて、何とかしなくっちゃ、という深刻さ ・ 真剣さが感じられないのです。ま、積雪量が3分の1になるから縦型信号機に、とりあえず替えてみた、というふうな安易ささえ感じられます。

着雪防止フード及びその揺動板なるものが発明されて特許がとられています。しかしこれは致命的な欠陥があります。その雪を揺り落とす “揺動板” が作動するための動力源が風力だというのです。自然エネルギーだからエコだと何人もの開発研究者たちが自画自賛していますが、無風状態あるいは風が弱い状態でしんしんと降る雪では全く役にたちません。豪雪地帯のアメダス観測データを子細に見れば、無風状態で一晩に1m近い積雪は普通にあります…。

余談ながら、自然エネルギーの根本的欠陥は、①自然エネルギーは拡散したエネルギー密度の低いエネルギーであって、②自然エネルギ―を捕捉し濃縮するためには装置が巨大になり過ぎ、③よってEPR(energy profit ratio、エネルギー収支比)が低いものになり、④EPRが1以下であってもその研究自体が利権化しているために誤魔化しがまかり通り、⑤御用研究が新エネルギーを正当化させることにより新エネルギーが公共事業化して、補助金が流し込まれて国家財政が毀損させられ、⑥風力でも太陽光でも必要な時に発電せず、必要でないときに発電して(自然エネルギーの出力不安定さ、間欠性、制御が全く利かない)、⑦制御できるようにしようとすれば蓄電池だの揚水発電だのスマートグリッドだの、そのための資材やコストも膨大でEPRの絶望的低下……、何故これが分からないのでしょうかねえ? いや、違う。分かっててやっているから、タチが悪い…。

とりあえず、世界の主流の “縦型” に変えてみただけなのではねえか?
積雪対策として縦型信号機に替えた、というのは確かにそうでしょうし、それはそれで正しいとは思います。ですが、懐疑とへそ曲がりの精神を燃やして、少しばかり、疑ってみたいと思います。

●世界の道路の信号機の主流は縦型信号機であります。ヨーロッパはほぼ全域が縦型、アメリカも中国も縦型。フィリピンでもマレーシアなど熱帯地方でも縦型。世界では圧倒的に縦型信号機が幅を利かせています。横型は少数派であります。で、昭和56年に豪雪があって信号機に雪害があったさいに、さあどうしようか? と考えて、じゃあ世界標準の縦型に変えてみるか?、縦型では雪の積もり方が少なそうじゃあない? やってみよう! というぐらいのハナシであって、縦型信号機が高い豪雪対応機能があるということでやったのではなく、なんとなく世界標準の縦型にトライアルしてみただけじゃねえのか? と推論してみます。(未検証の妄想のたぐいです)

  
ハワイ ホノルル市 雪の降らない亜熱帯なのに縦型信号機

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香港も亜熱帯だから雪は降らないが、縦型信号機だ。世界の主流が縦型信号機である大きな理由は、信号機設置の高さが低いことが言えそうです。

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●Googleのストリートビューは優れもので、数年後には地球上あらゆる道路をカバーする勢いであります。トラブルも沢山起こしているようで、プライバシー侵害だ、肖像権がおかされた、とGoogleに苦情が寄せられ、ときには訴えられているようです。わたくし山のキノコの自宅もストリートビューにしっかりと写っています。たしかに、プライバシー侵害の面はありましょうが、個々のプライバシーなど膨大な画像の中に埋没するだけであって、別に騒ぎ立てることではないように思います。(あくまでも私見)

ストリートビューで世界各地の道路を閲覧すると、雪の降らない熱帯・亜熱帯域でも縦型信号機が主流のようです。横型信号機の国も韓国、台湾などありますが、縦型の方が多いようです。一国の中でも縦型も横型もあるようで、大まかに言って低い所には縦型、高い場所には横型の傾向がハッキリ見られます。世界が、縦型が多い理由は、たぶん、低い位置に信号機を設置すると、後のメンテナンスがしやすいことがあるのではないか? 脚立を持ってくれば修理できます。高所作業車が要らないです。そして、低い位置だと横に出っ張っていると具合が悪いからでは?
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