雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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真の積雪量は、積雪の深さではなく、積雪の質量で見るべきでは??
●拙稿 気象庁が観測した「最深積雪」の日本記録は、11メートル82センチ! の続編であります。テレビや新聞のマスメディアたちが、先日来の北日本の豪雪の象徴的事象として、青森県の八甲田山の山中に設置されている気象庁のアメダス観測所「酸ケ湯(スカユ)」の積雪の深さの観測値を、連日うるさいほど報道していました。

●マスコミたちの性癖として、なるべく大袈裟に煽って、大変な事態であるということを印象付けたい傾向が見られます。「大変な大変」主義ともいうべき報道姿勢なのですが、これは、恐らく、自分たちは社会の木鐸として、世の中に問題とか危機があれば、いち早く警鐘を鳴らして世間に知らせなければならない、とする変なプライドというか矜持みたいなものがあるからなのでしょう…。

マスコミたちは自ら自分たちは「社会の木鐸」だとか「社会の公器」だとか標榜しています。果たしてそうでしょうか? 社会の木鐸(しゃかいのぼくたく ) を辞書をひもとくと、“社会の人々をめざめさせ、教え導く人” という説明をしています。そうしますと、マスコミは自らを “社会の人々をめざめさせ、教え導く人” だなどと自称していることになってしまいます。なんとまあ傲慢で尊大なことか! われわれ社会の人々は、無知蒙昧であり、真なる物が何か判断する能力がないので、マスコミに教え導いてもらわなければならないことになります。何だか奇妙です。

●3.11以降、マスコミは政府の御用報道機関、原発ムラの走狗という印象が極めて強く、報道すべきことを報道せず、たいして報道する必要もないようなことを一生懸命に報道し、政府や省庁や電力会社が発表することを右から左へと転送するだけです。結果的に、政府や原発ムラの連中が原発事故の被害や危険性を矮小化したり隠蔽したりすることに加担しています。福島県の子供たちの被曝量は大したことがないとか、直ちには問題ではないという意味を言い張る原発ムラの論理を垂れ流すだけで、あまり批判的な報道はありませんでした。というよりも、大政翼賛会の一翼を担うような御用報道が多かったです。ここにきてTPP報道においても、マスコミは政府の広報機関同然です。3.11からほぼ2年が経過し、福島県の子供たちに甲状腺がんなどの晩発性放射線障害がハッキリ顕在化してきました。チェルノブイリどころではない深刻な状況が見えてきました。しかし、そんなことは初めから分かり切っていたことであります。マスコミが本当に社会の木鐸であるならば、せめて子供たちだけでも直ちに疎開させよというキャンペーン報道を展開して、政治の重い腰を叱咤すべきでありました。これでは、マスコミは、とても社会の木鐸などとは言えません。マスゴミ(大量のごみ)などと揶揄される所以です。

●さて、マスコミはつまらないことには力を入れて報道します。アメダス「酸ケ湯」の積雪深のデータを逐一報道していましたが、ならば、その後もどうなっているか報道してほしいものです。そうしたら、意外なことが見えてきます。下の表は気象庁が観測した 気象庁アメダス「酸ケ湯」 の観測データです。

アメダス「酸ケ湯」の1時間毎の観測データ (2013年2月26日01時~2月27日22時)
アメダス酸ケ湯 2013年2月26日 観測データ

アメダス酸ケ湯 2013年2月27日 観測データ

●アメダス「酸ケ湯」の積雪深のピークは、26日04時および05時の566センチであります。しかしながら、27日の22時には514センチとなっています。なんと52センチも減少しています。これは、降り積もったふわふわの新雪が時間の経過につれて締まったのであろうかと思われます。この間、気温が極めて低い状態で推移しています。溶けたということは考えられません。27日の日中には気温が僅かにプラス圏にまで上がっています。しかし積雪深が566センチを記録した時は気温は-10度以下です。翌27日07時に積雪531センチで、ピークから35センチ減少しています。この間の一番高い気温でも-7.3度です。この気温では溶けるということは考えられません。けれども35センチも積雪が減っているのです。

●26日、27日ともに風も弱く、風速は3~4メートルしかありません。地吹雪となるような強風であれば、降り積もった雪が強風で吹き飛ばされるということはありましょう。しかしながら、風が弱いためにそれは考えられません。27日の日中は日照時間が6.2時間あります。気温も0度近辺にまで上昇しています。したがって、積雪の上面が日射を受けて溶けたという可能性はありえます。しかしながら、この間の積雪深の変化は、-10センチ程度であります。溶けたとしても僅かなものです。また雪は蒸発(昇華)することはありますが、1昼夜の蒸発量などしれたものです。

ようするに、積雪量が566センチから514センチまで、52センチも減少した最大の要因は、降り積もったふわふわの新雪が時間の経過につれて、積雪それ自体の重さで引き締まっていったのであろうかと思います。なお、26日、27日の降水量は不明ですが、近隣のアメダスの観測データをチェックしたところ、ほとんど降水は記録されていません。おそらく酸ケ湯では降水(降雪)はなかったと思われます。


気温が非常に低い条件下での積雪はフワフワの綿みたい(比重が0.05)で、積雪量は大きく出る(普通50ミリの降水は50センチの積雪とされる)のですが、0度近辺の気温が高いときの降雪は湿った重い雪で、50ミリの降水も積雪量では10センチとか20センチになってしまいます。そして降り積もった雪は下に行くほど締まり、固まり、空気の間隙が減り、おおむね比重は0.5となるそうです。であるから、どれだけの積雪があったのか見たり、観測所ごとに比較するのであれば、積雪の深さだけでは不十分で、積雪水量でみるべきではないのか? でも、そんな観測は気象庁はしていないし、あえてするには有人観測で物凄く手間がかかりそうです。ま、マスコミがいたずらにアメダス「酸ケ湯」の観測データを逐一報道して煽りたてたのは、いかがかと思います。海抜高度の高い観測所は気温が極めて低いために、雪質がサラサラのふわふわで、積雪の深さが人里の平地の数値よりも大きく出る可能性があります。したがってそんな観測所の数値を逐一報道しないほうがいいと思います。

積雪水量 = 積雪深 × 密度 (すなわち積雪の質量)

積雪水量は降水量と同等です。積雪と降水量を併用して見るのが、真の積雪量ではないのでしょうかねえ? 


【参考サイト】
日本気象協会 『雪の重さを考える ~豪雪のまち 新潟県十日町市から~』
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酸ケ湯は割と近年から観測開始されましたが1978年2月/24日に酸ヶ湯委託観測で620cmの積雪を記録していますね、日本気象総覧などに記載されています。1900年代前半などあまりに古い記録は今のように
ある程度公平に積雪比較出来るように考えられていなかったと思うので参考程度ですが

山形県の大井沢(JR)で6m近い記録、気象年鑑などに載っていますし

1918年1月20日石川白峰で682㎝など・・・・

最近の記録で有名なのは滋賀県余呉中河内1981年1月23日655㎝や新潟棚広新田で2012年5.6mなど
ありましたね

北海道でしたらスキー場ですが1996年。 札幌国際では3月中旬~6M台で推移していました。



2015/03/09(月) 14:32:04 | URL | #- [ 編集 ]
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