雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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「おたけさん」 の 特選写真ギャラリー
本エントリーの、写真はすべて 「おたけさん」 が撮影。文章は山のキノコです。

●本日は2012年12月24日です。天皇誕生日の振替休日であります。
昨日は、盛大に「こくもんじ」 と 「しおばば」の観察会をしたのですが、そういえば、「しおばば」 を昨日は観察しませんでした。「こくもんじ」 や 「ヒラタケ」 の採集に夢中になったので忘れていました。で、「しおばば」 は次の機会に譲るということにいたします。

●昨日は、服飾デザイナーをされている高名な写真家の方が、多忙で来られませんでした。ですが、参加者のなかの 「おたけさん」 も写真の機材といい腕前といいプロ級のレベルです。で、おたけさんから戴いた写真を拙ブログの画廊に展示したいと思います。惜しむらくは、拙ブログは無料のブログでありますから、原版のまま展示ができないことです。原版をかなり縮小しているので、若干画質が落ちてしまっています。

鈴なりの 「こくもんじ」 を手にして、思わず顔がほころぶ
★参加したオバチャンが収穫した 「こくもんじ」を手にして満面の笑みを浮かべています。さて、これをどうしようかな? 追熟して生食しても良し、庭先に吊るして風に当てて干しブドウならぬ “干しこくもんじ” にしても良し、潰してジャムに加工しても良し、はたまた発酵させて “シマサルナシ酒” にしても良し。あれこれ思うと、自然と顔がほころんできます。台所を与かる家庭の主婦というのは、何でも食べ物が手に入ると嬉しいのです…。

「こくもんじ」 を手にして満面の笑み


見事なヒラタケを採った
★径1m近いエノキの立ち枯れ木にヒラタケが大発生しました。良い条件が重なって素晴らしく生長した立派なヒラタケです。手に持つボールペンは大きさのスケールにするためのものですが、長さ14センチです。ヒラタケの大きな物はキノコの傘が径15センチから20センチもあり、とても見事なものです。

ヒラタケは西日本の各地でカンタケという方言が分布しています。カンタケは “寒茸” の意味なのですが、比較的に気温の低い時に出てきます。淡路島南部の山岳地帯では、私の観察では秋10月下旬から出始めます。年内いっぱいは出てきます。冬でも暖冬気味で降雨があると出ることもあります。ただし、ヒラタケには近縁種がたくさんあるようで、傘の薄い小型のウスヒラタケは、梅雨ごろに出ることが多いです。


エノキの枯損木に発生したヒラタケ

★両手でガバッとわしづかみです。1つの塊がかなり大きいので、両手で採らないといけません。両手でキノコの根元をしっかりとつかみ、樹幹に大して平行方向に滑らすというふうに力を加えると、ポロッと採れます。力まかせに採ろうとしたら、キノコがちぎれてしまいます。
両手で、わしづかみだ!

★これは王者の風格があります。見事なものです。大きいですねえ。わたくし山のキノコは永年キノコ観察をしていますが、こんな大きなヒラタケを見るのは久しぶりです。10年ぶりです。こんな立派なものは、キノコの傘を1枚づつ外して、炭火でジワーと焼いて、シンプルに醤油をつけて食べるのが一番うまいのです。晩酌の肴には最高です。下手にあれこれと料理しないほうがいいんですよ。とても料理とは呼べないような粗野で簡素な食べ方が旨いんです。Simple is the best way. なのです。へたな小細工料理は却って逆の結果になるのです。
キノコの王者という風格だ

★小さめの物を手に持っているのは、吾輩、山のキノコでございます。わたくしは、この小さなものを持って帰りました。小さめといっても結構かさがあり、今日鍋にしていただきましたが十分にヒラタケを堪能しました。
これは吾輩、山のキノコであります

★同じ釜の給食を喰った同級生のO君の軽トラックの荷台に収穫物を並べました。並べるのが目的ではありません。写真を撮るためです。軽トラックの荷台は畳1枚半ぐらいの広さです。その荷台の半分近くを占領するほどあり、重量ではおそらく全部で10キロぐらいあったと思います。大収穫です。
軽トラックの荷台に並べた収穫物

★これはテイカカズラという蔓植物の “種子散布の様子” を捉えた生態写真です。栽培植物の豆類のササゲの豆果そっくりの細長い果実が成ります。冬になるとそのササゲ似の長細い果実がパカッと割れます。中なら種子が出てくるのですが、種子の頭に髪の毛のようなものが付いています。極細で白くてふさふさとしています。この種髪(しゅはつ)がついているから種子が風でどこまでも飛んでゆきます。一幅の絵画を見ているような芸術性のある1枚です。
テイカカズラの種子は、風で散布する

★観察会が終了したのは午後3時半くらいでしたが、今の時期は日没が早く、晴れていて、まだ太陽がでているのですが、何となく薄暗くなってきて寂寥感が漂ってきます。宴会が終わったあとの寂しさみたいな感じです。そんな冬の夕暮れの寂寥感というふうなものを、逆光で撮るという手法で上手く表現しています。なかなか味わいのある芸術的な写真です。
寂寥感の漂う幻想的な冬の落日


なんと虹が出て、大収穫を祝福してくれた
★生物の組織や器官、行動や代謝、生物の体の仕組みのあらゆることには目的があります。たとえば、なぜテイカカズラの種子に種髪がついているのか? もちろん風で種子を広く撒き散らすためです。こくもんじの実は何故美味いのか? これも動物達に食べてもらって種子をまき散らしてもらうためです。このように生物には、~のためという目的がハッキリとあるのです。

一方、自然界の非生物には特に目的はありません。太陽は何故に何のために輝いているのか? 別に、目的などありません。膨大な質量の存在で中心部で、超高圧・超高温になり、熱核融合反応が起こっているだけです。そこには、誰かのためにとか、何かを達成するためにという目的などあろうハズがありません。さて、虹が何の目的があって出ているのか? これも、別に目的などありません。虹が発生する気象学的なメカニズムは説明できても、誰かのために、何かの目的があって、出ているなどとは決して言えないのです。

……にもかかわらず、このたびの観察会の成功と、ヒラタケの大収穫をお祝いするために、虹が出てきたとつい思ってしまいます。これこそが、合理的考えに徹することができないヒトという種の特徴でしょう。理科系の博士号を持つ人たちまで、オウム心理教の “空中浮揚” を信じたのも、無理はないのかもしれません。

虹が出た


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ランクルさん、過日は「こくもんじ」の観察・採集会にご参加ありがとうございました。おかげで、大変盛大な観察会とすることができました。お嫁さんがコクモンジの皮を剥いて食べているということですが、朝食に10粒か20粒づつ食べると美容と健康に良いかもしれません。お酒用の分がなくなったならば、また採りに行けばいいと思います。1月15日ぐらいまでは木に実が残っています。それを過ぎると鳥に全部食べられてしまいます。

収獲した物を「追熟」させるのは意外に難しくて、うまく行かなかったばあいは、腐敗とも発酵ともつかぬ状態になって変な匂いがしてきます。本当は正月明けに樹上で完熟した物がいちばん旨いです。ヒラタケを見つけた谷では、正月明けになると、モンキーセンターの猿がコクモンジを食べにやってきます。私はこの前に採ってきた分は、ほとんど全部食べてしまいました。1粒食べると、2粒目、3粒目……、と手が止まらなくなってしまいます。ぼりぼりとお菓子を食べるみたいな感覚です。磯で捕ってきた「いそもん」をセンマイドオシでほじくって食べ始めると止まらない、のに似ています。私は正月明けにまた「こくもんじ」を採りにいきます。

コッコーの部屋様のサイト(山口県祝島)
http://www5d.biglobe.ne.jp/~jf-iwai/kokkow.htm

を見ると、「こっこうワイン」つまり「こくもんじ」で作ったお酒が、中国料理の店で、地産地消のコース料理の食前酒として供されたとのことです。しかし生産量が僅かしかないので、市販するに至らないそうです。こくもんじのお酒を造るのは難しいと思いますが、何回か試行錯誤すれば行けるのではないでしょうか? 祝島では商品にできたぐらいだから、酒が出来るのはまちがいないです。 私は以前にやったことが有るのですが、アルコール度が低かったです。酸味のあるフルーティなお酒になりました。糖分がアルコールに変換するらしいのですが、砂糖・蜂蜜・甘酒など加える必要があるように思います…。

「こくもんじ酒」が上手くできるようにお祈りいたします。

キノコの観察会(つまりキノコ狩り)がいいかもしれませんね。野山を歩き回るだけでなく、何かお土産になるものがあったほうがいいですね。数年前までは、諭鶴羽山から柏原山にかけての北側の斜面でウバメガシ林が伐採されて、そのあとに植林が進められました。そのウバメガシの切り株などに大量のシイタケが発生して、かつては籠に何杯も採れたのですが、最近は切り株が朽ち果てたのでシイタケの発生は急激に減りました…。

シイタケの採り頃は、なかなか時間的幅が狭く、行くのが早すぎたら出ていないし、ちょっと遅かっても腐りかけているという具合で、なかなか難しいです。暖冬か厳冬かで採集適期は大きくずれるので、ドンピシャリに行くということは本当に難しいです。

この前のヒラタケ(平茸)は上手く採集適期に当たりましたが、全くの偶然でした。ヒラタケの上の方には、たくさんのアラゲキクラゲも出ていましたが、腐りかけていました。アラゲキクラゲは中華風の炒めものに使えるし、千切りにして春雨との酢の物や、炊き込みご飯など色々と料理に使えますし、意外にアラゲキクラゲは「だし」の良く出るキノコなんです。とても惜しいことでした…。キノコ狩りは当たり外れが大きいというか、大収穫ができるかどうかは偶然の要素が強いです。キノコの観察会などと銘打ったら、もし収獲ゼロの場合は具合が悪そうで…。キノコがあっても良し、なくても良しということでないと、とてもキノコ観察会は難しいです。





2012/12/30(日) 02:57:41 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
自然観察会は、回を重ねるごとに山のキノコさんの博学にはびっくりします。
酒を飲んだり碌なことしかやらない人間でしたが、ものを見る眼が替ってきたように思います。
企画が終わっても次はナニ? と聞くぐらい本当に楽しい観察会です。

来年のシャクナゲまでは待てないので、春はシイタケ狩りになるかも知れないと言っていたので楽しみにしています。

「こくもんじ」でお酒を造ろうと思っていますが、熟れるまで置いてあるのですが、ヨメは「これキウイとおんなじ」と剥いて食べています。
たくさん採ってきたのですが、あまり食べられたらお酒の分がなくなります。
しかし本当に美味しいですねえ。

世の中はヘンな風に動いていますが、周りをもう一度見直して、自然と一緒に生きていくのもいいかも知れません。
次回の観察会を楽しみにしています。

ランクル
2012/12/29(土) 21:52:55 | URL | ランクル #b4qCSjkw [ 編集 ]
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