雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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「こくもんじ」語源考 この地方名は、古代中国の徐福伝説が関係しているのだろうか?
「こくもんじ」というシマサルナシの曰くありげな淡路島での地方名は、永らく全く意味不明でありました。しかし、もしかすると、古代中国の「徐福伝説」が関係しているのかもわかりません…。

徐福伝説はこちら 裏付ける証拠がないから、日本史の教科書には絶対出てこないハナシですが、日本各地に伝説として伝わるハナシです。2200年ほど前、秦の始皇帝の命を受けて中国の徐福という人が、不老不死の仙薬を探しに日本に来たというのです。徐福は中国に帰ることはなく、神武天皇は徐福であるという説もあるらしいです。徐福につれられて3000人が日本に来て、中国の技術を伝えたとも言われています。 

●淡路島南部で、克明な調査の結果、8か所の自生地が発見されているマタタビ科のシマサルナシという蔓性の植物ですが、秋にキウイ似の果実が鈴なりに付きます。初冬になって霜げてくると樹の上でも熟し、食べられます。ほんのりとした上品な甘みと、爽やかな酸味があり、緑色のゼリーみたいな食感です。樹によって果実の味に個体差が明らかにあり、ときには甘酸濃厚な美味い実に当たることがあります。

●南あわじ市灘地区でも、洲本市上灘地区でも、住民はシマサルナシの果実を昔から食べていました。昔は、日本全体が貧しく、食生活が貧弱でした。田舎とりわけ僻地では野生の木の実が子供たちのおやつでありました。わたくし山のキノコも、もう40年も50年も昔のことになりますが、小学生のころ同級生のO君やK君とシマサルナシの実を採って食べました。このシマサルナシの実を住民は「こくもんじ」と呼んでいました。

昔は、住民の間では食糧の足しにすることができる貴重な山の幸でありました。村のボス的存在の有力者が、自生地の管理までしていた時代もあります。勝手に採ることが許されなくて、ボスが公平な分配と乱獲防止に目を光らせていたのです。もちろん、それは食糧の不足していた時代のハナシなのですが、日本が経済成長し、食生活が豊かになるにつれて、「こくもんじ」の存在が忘れ去られていきました。ところが、近年、「こくもんじ」の高い栄養価と健康増進のための機能性成分があるらしいことから、話題性が高まっています。またキウイの品種改良に貢献する優れた性質を持っています。何かのきっかけがあれば、「こくもんじ」が脚光を浴びる可能性があります。

【さて、山口県上関町祝島に、シマサルナシにまつわる興味深い伝説があります】
祝島ホームページ 「徐福伝説のロマンを訪ねて 蓬莱の島・祝島」
コッコーの部屋

●山口県の祝島というのは周防灘に浮かぶ小さな島です。わが淡路島の付属島の沼島ぐらいの大きさです。漁業の島で人口も500人ほど、全く沼島に似ているようです。また、この島は 上関原子力発電所 に住民が徹底的に反対する島として勇名を馳せています。原発に反対の気持ちのある人で祝島の名を知らない人はいないでしょう。逆に、風力発電や太陽光発電の幻想に振り回される島として、環境保護団体に食い物にされていることでも知られます。この島の新エネルギー推進に、日本未来の党の飯田哲也氏が深く関与していることも、知っている人は知っています。

余談ながら、飯田哲也氏は、もともとは原発関係者であり、最近は新エネルギーを布教することで飯を食っている利権屋です。今では国賊か売国奴とされている竹中平蔵氏との繋がりもあるようですし、極右団体の 国家基本問題研究所 の客員研究員です。(ただし、最近、降りたようです)理事長が極右の目付きの悪いオバチャン桜井よし子氏、理事に石原慎太郎氏などが名を連ねています。徹底的な中国敵対視と、その正体はアメリカ隷属主義者たち、なによりも原発推進をしています。かなり明確な軍拡主張をしています。そういう団体に飯田哲也氏がかかわっていたのです。そんな男が嘉田知事と一緒になって「卒原発」など主張しても、信用ができるでしょうか?? 有権者をバカにするのは止めてほしいものです。

拙ブログで、わたくし山のキノコは、国民の生活が一番(日本未来の党)を持ち上げるようなことを書いていますが、わたくしは比例区で日本未来の党に1票を入れませんでした。飯田哲也氏が大きな顔をしているのを見たとたん、入れる気が失せてしまいました。とにかく、どの政党も胡散臭すぎます。

●本題に戻ります。祝島に関するサイトを拝見しますと、祝島にはシマサルナシが自生しており、「コッコー」と呼んでいるとのことです。そして、祝島にも古代中国の「徐福伝説」が存在しています。2200年ほど前に、秦の始皇帝の命を受けて不老不死の仙薬を探しに、日本にやってきた徐福(じょふく)が祝島にもきました。徐福が求めた不老不死の仙薬が祝島に自生するシマサルナシ(コッコー)であったというのです。島に伝わる古文書には、シマサルナシのことを「獼猴藤」と書かれていているとのことであります。

コッコーを祝島の古文書では「獼猴藤」と書いているそうですが、キウイの原種(改良種も)を中国では「獼猴桃・びこっとう」と書くのに酷似しています。
北村・村田著『原色日本植物図鑑』では、オニマタタビ(キウイのこと)の中国語名を3つ記載しています。
「獼猴桃・びこっとう」「獮猴桃・せんこっとう」「陽桃・ようとう?」 ですが、読み方からすると、シマサルナシの祝島での地方名「コッコー」と良く似ています。というよりも、コッコーは中国語から来た呼び名でありそうなことが強く推認できます。古文書の表記は、藤と桃の違いはありますが、ズバリ中国名そのものです。コッコーの名は、徐福がもたらした中国名が起源なのかもしれません…。

各地に存在するところのシマサルナシの地方名は、「獼猴桃・びこっとう」が起源のコッコーの変化形である可能性が高そうです。「こくもんじ」もその関連でありそうな感じがします。「こくもんじ」=「黒門寺」かな?などという仮説を立てて調べましたが、これは何の関連性もなさそうです…。また、「こくもんじ」は原語からの変異が著しいのですが、語頭の「こ」あるいは「こく」に原語の痕跡を残しています。

山口県上関町祝島   コッコー     『紀州里域植物方言集』  コクワウ・スココカズラ  
兵庫県淡路島     コクモンジ    三重県熊野市       コクボ
鹿児島県種子島    コッコー
和歌山県南部か?   コッコナシ・コンコンナシ

シマサルナシの分布と、その地方名の分布
シマサルナシの分布と、地方名の分布
↑頌栄短期大学研究紀要,第29巻,1993,福岡誠行・黒崎史平『本州西部植物地理雑記12』、からシマサルナシ分布を転写しました。さらに、文献やネット情報で調べたシマサルナシの地方名を記入しました。
【訂正】分布図の中で、うっかり「西表島 ナシカズラ」としましたが、「西表島 カシナヅ」に訂正します。次のサイトを参考にしました。  @西表島 『西表島植物図鑑』

シマサルナシの自生北限地は、島根県益田市高島(日本海に浮かぶ小島)で、北緯34度50分です。淡路島の自生地は一番北になる鮎屋水系の自生地で北緯34度17分ぐらいです。本州での自生東限地は、三重県紀伊長島町ですが、近年、伊豆諸島のある島で自生がみつかっている(隔離分布になる)ようです。

秦の始皇帝の命を受けて、徐福(じょふく)が日本に探し求めた “不老不死の仙薬” は本当にシマサルナシなのだろうか?

中国語版Wikipedia 「獼猴桃屬」 を閲覧すると、獼猴桃屬(びこっとうぞく)日本名ではマタタビ属の植物は中国では、あるわ、あるわ、40~60種もあると書いてあります。日本よりも遥かに多種であります。日本では、佐竹他『日本の野生植物』によると、マタタビ・サルナシ・ミヤマサルナシ・ウラジロマタタビ・シマサルナシの、たった5種しか自生していないです。

●しからば、40~60種もあるマタタビ属の分布の本拠地の中国から、徐福の一行が日本にやってきて、不老不死の果実を見つけたぞというのは無理があるのではないか? むしろ、全く逆で、マタタビ属植物がたくさん中国に分布していて、古代中国人が食べていた。徐福も食べたハズです。中国でそのマタタビ属植物の果実が不老不死の仙薬として珍重されていたかどうかは分かりませんが、徐福たちが祝島に上陸し、 「日本にも獼猴桃があるじゃねえか。これは “びこっとう” だよ、食べられるんだよ、健康増進になるんだ、不老長寿の薬みたいなものだ」と身ぶり手ぶりで言ったのでありましょう。それを聞いた2200年前の祝島の住民は、先進国の中国から来た探検隊みたいな人々が、シマサルナシをもてはやすので、とても価値ある果実だと思った、ということでありましょう。そう考えるのが自然です。それが、徐福が探し求めた不老不死の仙薬は、日本自生のシマサルナシだとする説の起源でありましょうが、実際はたぶん逆なんです。徐福が日本に来てシマサルナシという不老長寿の仙薬を見出したのではなく、中国で珍重されていたマタタビ属の果実の健康増進性を日本人に教えた、のでありましょう…。

獼猴桃が2200年前の古代中国でも、発音や表記が同じであったかどうかは全く分かりませんが、中国語の発音は聞き取りにくいので、日本人には「コッコー」と聞こえたのでありましょう。徐福伝説は日本各地にあります。徐福は数十隻の大船団を仕立てて3000人もの人々が日本に渡ってきたとされます。船団がちりじりになって各地に漂着したとも考えられます。祝島から遠く離れた種子島でも「コッコー」という呼び名が存在するのですが、これは船団の分裂漂着で説明がつきそうです。

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台湾の方のサイト 「知性山水走秀秀」 様の記事を見ていると、(中国語は十分には読めませんが)シマサルナシの近縁種の写真を見せてくれます。シマサルナシとは似ていますが、写真を観察するとかなり異なります。

●阿里山獼猴桃(ありさんびこっとう)というものらしいです。中国本土ではなく、台湾に自生するものでしょうか。学名はActinidia arisanensis(アクティニディア アリサネンシス)のようです。学名から推定するならば、台湾の 阿里山(最高標高は2663メートル)で基準標本が採られて命名されたか? あるいは阿里山あたりが分布の中心域でありましょうか?

「知性山水走秀秀」様から借用


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