雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽裏参道の道標
本日は、2012年10月11日であります。

●この日曜日の、10月14日10時から諭鶴羽山(607.9メートル)の北尾根を登り、登る道すがらアケビやムベ等の野生果実の観察を行うのですけれども、過日、登山道が荒れ果てていないか?下見にいきました。登山道に江戸時代後期に建てられた大きな道標があるのですが、その写真を掲示いたします。

●むかし、諭鶴羽山の山頂直下の南斜面に、淡路西国33ヵ所霊場の第8番目で、山号を「諭鶴羽山」と称し、寺号を「神仙寺」と称する修験道の寺院がありました。この寺院は1868年(明治元年)発布された「神仏分離令」により山麓に降ろされてしまいました。また、諭鶴羽神社別当寺の上大日寺というのがあったのですが、1872年(明治5年)に発布された「修験道廃止令」により廃寺の処分になってしまいました。このように諭鶴羽山は修験道(しゅげんどう)の色彩が濃厚な信仰の山であります。

で、山の南側から登るのが表参道であり、北側から登るのが裏参道でありますが、このたびの企画は裏参道を登ろうということであります。ただし、信仰的な登拝では全くなく、登山により運動不足を解消し、併せて自然観察・自然観照を狙うという趣旨であります。

往昔には、修験道の山伏や登拝者で賑わったであろうと考えられる参道でありますが、現代では環境省が近畿自然歩道に指定して、登山道として整備しています。で、信仰ではなく一般のハイカーや軽登山をする人々で賑わっています。ネットで検索すると、多数のブログ等で諭鶴羽山に登ったというトレッキング記事がヒットします。で、“裏参道に立派な道標があるが、何を書いてあるのか分からん” という記述をあちこちのブログで見たので、国史学科の出身じゃないので僭越ですが、わたくし山のキノコが解読いたしましょう。

なんて書いてあるのか分からんと、問題の道標 は、諭鶴羽ダムから標高差で80メートルほど登った尾根にあります。高さが2m以上もある四角い砂岩製の道標ですが、文政十年とありますから、西暦では1827年に建てられたようです。いまから185年前と言うことになります。
諭鶴羽裏参道の道標
↑「右 十番六遠寺 なりあひやくし 道」です。現行の平仮名の「を」みたいなののは「遠」をとことん草体化させたものです。「ち」みたいなもので第二画の先っぽを輪に結んでいるものは「寺」の草体化したものです。「なりあひやくし」と平仮名でかいてあるものは、現行の平仮名(つまり変体仮名(へんたいがな)ではない)と同じなのですけれども、「り」だけは「利」の崩し方が不十分で変体仮名っぽいです。なお申すまでもなく「なりあひ」の「ひ」は歴史的仮名遣いで、現行では「なりあい」という表記になります。
なお「六遠寺」はどこなのか不明ですが、問題は読み方であります。「ろくえんじ」「ろくおんじ」「ろくのんじ」と読める可能性がありそうですし、もしかしたら「りくのんじ」などもあり得るかもわかりません。本当はどうよむのか、わかりません…。

諭鶴羽裏参道の道標
↑「左 こくがやくし ふくら 道」です。道は写真からはみだしましたが、下の方にあります。

●この立派な江戸時代後期の砂岩製の道標は、諭鶴羽山に登拝したのちに、裏参道を下山してきた巡礼者たちに、進行方向に向かって右に行ったら「なりあいやくし・成相薬師」や「第十番霊場の六遠寺」ですよ。左に行ったら「こくがやくし・国衙薬師堂」や「ふくら・福良」なんですよ。と道案内しているのです。

各ポイントの位置図
国土地理院の電子国土ポータルから。
位置図

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こくがやくし・国衙薬師堂
「辻御堂」とも称し、淡路49薬師霊場第16番です。お祀りしている御本尊は薬師如来です。所在地地は南あわじ市神代国衙です。
こくがやくし

こくがやくし

なりあいやくし・成相寺
山号を「擁護山」と称し、寺号を「成相寺」と称します。淡路島南部の名刹(めいさつ)ですが、いまは寂れています。淡路49薬師霊場1番で、御本尊は薬師如来です。所在地は南あわじ市八木馬廻です。
兵庫県指定重要文化財 「絹本著色成相寺伽藍絵図・けんぽんちゃくしょくなりあいじがらんえず」があり、また、「成相寺本尊木造薬師如来立像」は明治34年に国宝に指定され、現在は国の重要文化財にしていされているそうです。(説明看板文を参照)
なりあひやくし

擁護山成相寺の由緒書き

六遠寺はどこを指すのかハッキリしませんが、金剛寺の可能性が大なり】であります。道標には「十番」とあります。淡路西国33ヵ所霊場の第10番であると解するならば、金剛寺であります。山号を「乙倉山」と称し、寺号を「金剛寺」と称し、御本尊は大日如来をお祀りしています。所在地は南あわじ市八木大久保です。天明2年(1782年)に火事に遭って移転したらしいです。元は南あわじ市八木国分にあって山号を「六度山」と称したらしいです。
第十番 六度山観音寺(乙倉山金剛寺)
金剛寺

寺号の表示額
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