雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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タマゴタケ(卵茸)の観察
●諭鶴羽山系のシイ林やウバメガシ林では、夏から初秋にかけて、地面にタマゴタケがよく出てきます。落葉が溜まり、厚い腐葉土が形成されているようなところに出ることが多いです。このタマゴタケは傘がオレンジ色~朱色であります。原色けばけばしくて、とくに幼菌では目の覚めるような鮮紅色でありますから、恐ろしい毒茸のように感じる人もおりましょう。しかしながら本種は上等な食菌です。“毒キノコは鮮やかな色で、食用キノコは地味な色” などとするのは全くの迷信であり、その迷信は根強いのですけれども、そんな根拠なき迷信を打破するのに最適なキノコがタマゴタケなのです。

●近年では、諭鶴羽山系では、タマゴタケの成菌を見ることが少なくなりました。というのはイノシシやシカが食べるのです。タマゴタケはよく目立ちます。イノシシ(猪)やシカ(鹿)の色彩感覚はどうなっているのか、イヌ(犬)みたいに色盲なのかどうか知りませんが、タマゴタケの幼菌の段階で見つけて食べてしまいます。諭鶴羽山系のイノシシやシカはキノコが大好きなのです。天然のシイタケを採る場合、発生する枯れ木の下の方は動物たちが食べてしまいます。動物たちの背が届かない2mぐらいから上のものしか残りません。

まずは、キノコの各部位についての名称を覚えましょう
テングタケ属の用語図解
↑保育社 上田俊穂著『検索入門 きのこ図鑑』から借用。テングタケ属(Amanita・アマニタ)の部位名称です。

【↓タマゴタケの幼菌 9月12日撮影】2日後、動物に食べられた。
タモゴタケの幼菌
↑卵の殻(白身)を突き破って、中の黄身ならぬ赤身が出てきました。更に幼菌があったならば、縦に切るとタマゴタケと和名を付けられた理由がよく分かるのですが、捜しましたが、ありませんでした。

【↓タマゴタケ成菌 9月14日撮影】上の写真のものとは別もの。
タマゴタケの成菌
↑タマゴタケの傘は縁よりも中央部のほうが色が濃いです。この写真は傘のてっぺんが白っぽいですが、これは光線の当たり具合によるものです。傘の表面がツルンとしているので光線を反射しています。白っぽいわけではありません。傘の頂は、たんこぶが出来たかのように少し盛り上がることが多いです。

●上の写真のものを測ってみました。
傘の径は6.7㎝、高さはツボの基部から傘の頂まで12.0㎝、つぼは長さ3.4㎝、幅2.1㎝、柄の径は基部つぼに接する部分で1.0㎝、最上部で0.6㎝であります。あくまでも写真の子実体のサイズでありますが、タマゴタケとしては、やや小ぶりという感じであります。

【↓傘の縁には縦じま模様の条線がある】これが本種の大きな特徴。
傘の縁には条線がある

【↓柄には縞模様がみられます】
柄には「だんだら模様」がある
↑卵の殻のようなつぼからぴゅーっと伸びるには、地色よりも濃色のだんだら模様(縞模様)があります。柄の上部には膜質のつばが垂れ下がるようにまとわりついています。柄は中空です。(中身が詰まっていなくて、柄を横断するとストローのように穴があいている)
かさの裏側のひだは黄色っぽく、ひだの粗密状態については、傘の外縁部において数えると1㎝幅に8~9本ありました。(当然ながら傘の中心部に行くと密になる)

食べ方、山と渓谷社『日本のきのこ』から引用します
傘は薄くやわらかく、ぬめりがあり、きわめて舌ざわりがよい。きのこそのものの味はよい。根もとの白いつぼは、味がなく、口あたりもよくないので取り除いて料理する。きのこ汁、けんちん、お吸い物などの汁物や、鍋物には、こっくりとしたうま味のあるだしが出る。ただし夏場に発生するものは、特に虫がつきやすく、傘の内の痛みも早いため、特有の腐敗臭が出ないうちに、手際よく料理しなければならない。

注意点
タマゴタケの亜種に傘の色が異なるものが知られています。暗褐色のチャタマゴタケ、黄色のキタマゴタケ、ですが諭鶴羽山系にはなさそうです。また、傘が赤色のタマゴタケには柄にだんだら模様がない系統があるみたいで、諭鶴羽山系でわたくしも見たことがあります。
タマゴタケが属するテングタケ属のキノコには、猛毒菌がたくさん含まれているのが知られています。諭鶴羽山系でも、致死量が1本と言われる猛毒菌御三家のドクツルタケシロタマゴテングタケがよく見られます。ので、観察して少しでも変に思ったら、絶対に手をださないことであります。特に白いキノコには手を出さないこと
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2014/08/03(日) 10:07:21 | | # [ 編集 ]
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