雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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身近な自然物を利用する。石鹸の木「エゴノキ」
●世の中にモノはあふれかえっています。店に行けば、多種多様なモノが販売され、カネさえ出せば何でも手に入ります。モノは次から次に作られ、消費され、捨てられます。メーカーはメーカーで次々に新商品を開発し、ちょっとでも古いものは型遅れの旧式のものだから、早く捨てなさい、そして新しいモノを買いなさいと、脅迫するような宣伝をしています。経済学者は経済学者で、景気が悪いのは需要が不足しているからだと主張しています。まるで、国民がモノを買わないのが悪いんだと言わんばかりであります。資本主義経済の倫理では、モノをどんどん買って、消費して、捨てて、新しくまた買う、ということが善であります。モノを買わない、大事にする、長く使う、修理して使う、というのは忌むべき悪徳であります。資本の論理ではモノを永く大事に使うのは、ほとんど犯罪なのでしょう…。

●このように現代社会はモノがあふれています。この豊饒の時代にあっては、物資が欠乏するなどということは、現代ではちょっと考えられないわけです。しかしながらモノが豊饒にあるということのほうが、人類の長い歴史のなかでは、異常なことであるということも真理です。モノが不足し、欠乏し、なかなか手に入らない、カネを出しても手に入らないということのほうが歴史的には常態であります。モノが豊富にあるという異常な状態を、当たり前だと錯覚しているのが現代社会であるということも、言えましょう。そうした現代社会のなかでは、物資が何もなかった時代に、人々が身近な自然物とか、あり合わせのモノで工夫して生き抜いてきた技術が、跡形もなく忘れ去られ消え去ろうとしていますが、それでいいのだろうか? とふと思うことがあります…。

●さて、モノが不足し、また、便利なモノが発明されていない頃、たとえば石鹸などまだなかった時代に人々は汚れたものを洗浄するにはどうしていたのか? いろいろあります。灰汁(あく)洗いが代表的なものですが、真っ白な草木灰を水で溶かした上澄み液は強いアルカリ性の水溶液で、けっこう汚れものを洗えます。石鹸の木というものも古くからいろいろと知られています。日本では ムクロジ(ムクロジ科) や、エゴノキ(エゴノキ科) や、サイカチ(マメ科) などです。これらの樹木の未熟な果実には高濃度のサポニンが含まれていて、石鹸の代用品と十分にすることが出来ます。

インドのリタという木は、英語名がそのものズバリで、ソープナッツと言うらしい。ヘナ遊(Henayu)様サイト「無添加天然の石鹸ハーブ・リタ/ソープナッツには天然の石鹸成分サポニンが豊富」 参照。


諭鶴羽山系にある石鹸の木「エゴノキ」
エゴノキ
↑エゴノキは身近な里山の雑木林や二次林にある普通種の樹木。どこにでもあります。

エゴノキの果実
↑びっしりと鈴なりの果実です。果実の長さは10―15ミリで、水で戻した大豆ぐらいの大きさです。夏から初秋ぐらいの緑色の状態の果実を石鹸の代用品にします。

エゴノキの葉
↑葉は互生で、葉の形は楕円形の先端と葉柄側を尖らせた形状で、葉の縁が波打つことが多い。

エゴノキの利用の仕方
晩春から夏、そして初秋までの緑色の果実を利用します。すり鉢にエゴノキの緑色の実を入れて、スリコギですりつぶします。すりつぶしたものをタライに張った水に投入し、よくかき混ぜます。そして10分ほど放置します。すりつぶしたエゴノキの実の残渣が沈殿すると、その上澄み液を採取してエゴノキ石鹸水とします。箸でちょっとかきまわしただけでも、非常に泡立ちます。

エゴノキの石鹸水

エゴノキの石鹸水を使って実際に洗濯をしてみた
茶色く変色するまで汚したタオルを用意して、エゴノキの石鹸水で手洗いという方法で実際に洗濯してました。まず気づくことは泡立ちが物凄いです。石鹸水がぜんぶ泡になるのではないかと思うほどの泡立ちであります。

汚れの著しいタオル
上のものをエゴノキ石鹸水で洗った

洗濯の結果は、かなり汚れが落ちて、茶色いタオルがかなり白っぽくなりました。写真では分かりにくいかもしれませんが、実物を肉眼でみればハッキリと白くなっています。上下2つの写真を比べると、田という字の内部にある布地の色に着目すれば、白くなったことがわかります。茶色く変色するまで汚れた布地が、だいぶん白くなったので、薄いブルーの田という文字が鮮やかになっています。エゴノキ石鹸水はそれなりの洗浄力があるのは、ほぼ間違いなさそうです

(ただし、茶色くなるまで汚れを放置したタオルですので、石鹸で綺麗にするには限界があります。真っ白にするには塩素系漂白剤で漂白するしかないでしょう…)



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今日、ムクロジの実で作ったフォールダーを頂き幼い日を思い出しました。

戦後石けんが無い時代母がエゴの木をお寺さんで見つけ泡立てて使っておりました。

私もFC2でブログを書かせて頂いております。「ひなたぼっこの縁側日記」

戦後の何もない時代を賢く生きた明治の母に育てられた事を感謝しております。

ありがとうございました。
2014/09/12(金) 19:24:36 | URL | ひなたぼっこ #- [ 編集 ]
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