雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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ドボラック法による推定値が当たるか? 外れるか? 20hPa以上の誤差が出たので大ハズレ!(続き)
(前エントリーからの続き)

●台風15号(T1215)は東シナ海を北上し、去っていきました。事前には、観測史上最強クラスの台風だとして、大山鳴動するほどの警戒が呼びかけられました。もちろん、台風は並みの勢力であったとしても、その降雨分布の片寄りであるとか、昔の社会党みたいに牛歩戦術を取られると風雨が長引くとか、災害に弱い低湿地帯を狙い撃ちするとか、悪条件が不幸にして重なると甚大な被害が発生します。したがいまして、台風はその強弱にかかわらず厳重な警戒を要することは、ことさら申すまでもないでしょう。けれども必要以上に観測史上最強だと煽ってはいないだろうか? という疑惑みたいなものを少し感じます。それで客観的な観測事実を書いてみます。

【客観的な観測事実は、934.3ヘクトパスカルです】
●今回の台風の中心気圧はどれぐらいだったかということでは、間違いなく934.3hPa(ヘクトパスカル)と記録されるでしょう。 実際、さっそくに 沖縄県 「名護」 観測史上1~10位の値 に2位として記録されています。2位であります。しかしこれは、あくまでも「名護」での観測統計史上において2位であるというだけのハナシです。しかも観測史上などと言っても1973~2012年のたった39年の歴史しかありません。全国の観測所の統計数字全体の中では多数の中に埋没してしまい、上位10位にも全く入りません。本土でさえ室戸台風の911.6hPa、枕崎台風の916.1hPaの記録があるのです。洋上の島嶼の観測所の記録では、910台や920台は一杯あります。934.3hPaでは全く凡庸な数字で、上位ランクに入り込めません。

名護  特別地域気象観測所での気圧時間変化
↑気象庁観測データを元に、山のキノコが作図した。

【観測された最大瞬間風速ランキングで1位は、44.2m/sです】

台風(T1215)で観測された最大瞬間風速の10傑

●大体において、最大瞬間風速は40メートル止まりでありました。1位の「古仁屋」は奄美大島にあるアメダス観測所ですが、もちろん鹿児島県です。2位の「沖永良部」は沖永良部島にあり鹿児島県です。3位の「天城」は徳之島にあり、これも鹿児島県です。(天城を沖縄県としているのはうっかりミスです)つまり、暴風記録の上位3つは台風が直撃した沖縄本島ではなく、だいぶん離れたところであります。 4位の「伊是名」は沖縄本島の付属の島であり、5位の「南大東」6位の「旧東」10位の「北大東」の3観測所は沖縄本島から約400キロはなれた大東諸島です。 つまり、沖縄本島では最大瞬間風速は40メートルを超えることはありませんでした。これが観測事実なのです。

●最大瞬間風速70メートルの記録的な暴風雨の恐れがあると気象庁が言い、マスゴミが煽るような報道をしましたが、泰山鳴動した割には、ネズミが数匹ていど…… という結果でありました。70メートルの記録的な暴風は杞憂に終わったのは幸いでありました。40メートルならばたいしたことはありません。なぜならば風速と風圧の関係式をみれば明白です。理科系の人には全く釈迦に説法、文科系の人にはこれでも難解かもしれませんが、風圧は風速の2乗に比例する からなんです。 風速と風圧の関係を参照。

70メートルの暴風の風荷重というのは、40メートルのそれの1.75倍(70÷40)では全くありません。3.0625倍です。(70×70)÷(40×40)=3.0625、あるいは(70÷40)= 1.75 → 1.75の2乗 = 3.0625で計算してもいいです。風速が2倍になると風圧は4倍、風速が3倍になると風圧は9倍になるのです。これが、40メートルぐらいまでなら建物がなんとか持ちこたえても、60メートルとか70メートルになると一挙に建物が倒壊させられる理由です。40メートルの予報と70メートルの予報では、実際にその通りになったら被害状況は天地の差が出るハズです。なぜここまで気象庁の予想が外れたのか? 可能性として2つ想像してみました。

1、ドボラック法という台風の風速や気圧を推定する解析法が、まだまだ不十分なのかも?? 気象衛星で写した台風の雲の画像パターンから、隠れている情報を読みとるのを人間がしているために、パターン認識能力には個人差があり、大きく外すケースも出てくるのかもしれません。あるいはそもそも雲の画像から隠れた情報を読みとるのはどだい無理であって、まだまだ、よく分かっていない未知のパターンが色々と存在するとか??

2、昨今の地球温暖化の騒ぎを見ても分かるように、とにかく危機を過剰に評価する傾向が気象庁にはみられます。意識的か無意識的かはべつとして、大きな台風がくると、ついハナシを大きめに言うバイアスがかかっています。地球温暖化で台風が巨大化すると気象庁はHPにも書いているぐらいだから、腹の中では、彼らは大きな台風が来てほしい、それがこないと困るという立場です。で、そのような意図が予報に入り込むのかも??


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【新聞が異常です。新聞が壊れかけています。】
●下に掲げたものは、8月27日付の神戸新聞朝刊に載った記事です。記事が異常です。新聞記事になっていません。本来ならば、新聞記事というのは、事件でも事故でも現象でも何でも、世の中で何があったのか、その日の出来事を、出来るだけ客観的に事実を書くべきなのです。台風が沖縄本島をすでに通過しているのにもかかわらず、予測や過去の統計数字ばかりを書いています。予測ばかりを書いていいのは、競馬新聞と株式新聞だけです。一般の新聞は全国紙でも地方紙でも、締め切りに間に合うという条件がつきますが、締め切りに間に合う段階で収集出来ている「事実」をのせるべきなんです。

「台風は午後9時現在」などという記述があるから、締め切りはそれ以降の時刻であるのは明白です。一般的に、夕方6時にデスクによる朝刊編集会議が行われ、晩6時半から8時半に記事原稿が殺到し、緊急の事件の最終締め切りが深夜の1時とされています。台風は緊急性があるので、当然被害状況など把握のために、晩10時や11時まで対応すべきニュースです。実際に、920hPaが載っているので夜遅くまで新聞社が対応した様子が見てとれます。ところが、夜9時には判明していた情報、たとえば台風の中心気圧が934.3hPaであったこととか、沖縄本島での瞬間最大風速が40メートル程度で、とても70メートルには及ばないとか、したがって予想されたような甚大な被害など全くないなど、きちんと書いていません。

それどころか、既に台風が沖縄本島を通りすぎているのに、観測史上最強だとか、最大瞬間風速70メートルとか、宮古島で908.1hPaだとか、那覇市で昭和56年に73.6メートルとか、恐怖を煽ることばかりを並べています。今回の15号台風が観測史上最強クラスであるかのように見せかけ、読者を誘導する記事にしています。読者を扇動してイメージ操作するタチの悪い記事です。台風が通過して、観測データや被害状況がかなり判明した段階になっているのに、肝心なことはほとんど書かずに、情報操作することばかり書いているのです。

恐らく、ハッキリ言って、新聞社は908.1hPaの記録を更新し、73.6メートルを超える暴風が観測されるのを期待して構えていたのでしょう。ところが期待外れで特筆するほどの被害もなかったので、肩すかしを喰らって、地団太を踏みたいほど残念なのでしょう。そういう新聞社、マスゴミどものハラの中、残念さがありありと透けて見えています。全国紙もひどいですが、地方紙にいたるまで、今、新聞は壊れかけています…。崩れかけています。…。出来うるかぎり真実を報道するという使命を忘れた新聞は、購読者から手厳しい痛棒を喰らわされるでしょう…。

【客観的な事実を報じず、いたづらに恐怖を煽り、読者のイメージ操作に余念がない新聞記事】
台風15号(T1215)の沖縄直撃を報道する新聞記事
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