雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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貿易統計から見えてくるもの (その4) 米国も日本も外需依存国などではない。内需国だ。
(その3からの続き)

2010年 アメリカの輸出入額 国別ランキング

●注目するのは、米国の、隣国であるところのカナダとメキシコとの貿易額の多さです。遥か遠くの国々よりも、お隣さんとの経済的結びつきのほうが強固であることが窺えます。アジアでは中国との貿易額が突出しています。とくに輸入額では中国は日本の約3倍です。米国と中国は何かにつけ対立しているかのように見せつけられている半面、経済的な結びつきは日米関係よりも、米中関係のほうが遥かに重くなっていることが窺えます。日本から見ると、日本は米国の属国であり、米国は唯一無二の親分の国(宗主国)のようではあるけれども、逆にその親分から見れば「子分の国はたくさんある」「日本など沢山ある子分の国々の1つにしかすぎない」「諸々の子分の国々の中でやや経済規模が大きな国かな」という程度なのではないか? と、ついそういうことを考えてしまう表であります。ま、米国から見て日本が唯一無二の同盟国ではないハズです。

●この表から読みとれることとして、米国は著しい輸入超過の国であることも挙げられるでしょう。米国は世界全体に対して1兆2775億USドルを輸出する反面、1兆9120億USドルを輸入しています。輸入額が輸出額の1.497倍です。それもほとんどの国に対して輸入超過であります。特に際立っているのは、対中国で輸入額が輸出額の3.972倍もあります。これらがドル安の大きな要因の1つであろうかと思います。米国は大変な貿易赤字の国でありますが、ただ、米国企業はグローバルな多国籍活動をしている企業も多いから、貿易収支の数字をそのまま額面通りに受け止められない面もあるかもしれません。(日本にも米国会社の支店や現地法人がいっぱいあるので)

米国は、かつて、クリントン政権が1995年に政策的に「強いドル」政策を打ち出して、ドル高は世界中から投資(すなわちカネが)米国に流れ込み、米国債が買われ、ニューヨーク市場の株が買われ、カネが回るので米国の経済は活性化し、それは米国の国益であるとしていました。それは最近まで続いていたようです。ところが、オバマ大統領はハッキリと「弱いドル」政策に転換しています。金融政策・為替政策をドル安に誘導して、米国の輸出産業を振興し、金融工学の失敗で傷つき窮地に追い込まれつつある米国経済を建て直すのだ、という意味のことを言っています。ハッキリと輸出増大計画を打ち出し、米国の粗悪な製造物を買わなければいけないのは「日本だ」といわんばかりです。「そりゃあ違うだろう、米国の粗悪品を買わなきゃならんのは中国じゃねえのか?」 と思うのですけれども、TPPの騒ぎを見ても分かる通り狙われているのは日本でありましょう。

●さて、この表から読みとれる大きなことの1つに、米国の貿易額の意外な少なさです。あまりにも少ないなという感じさえします。米国のGDP(国内総生産)は名目GDPで2010年には、総務省統計局のリリースした資料によると、14兆4471億米ドルです。で、米国の貿易依存度を計算してみます。統計資料の数字さえ入手できたら、簡単な計算ですから、何の専門知識も持たないわたくし山のキノコでも計算できます。

米国の2010年 輸出依存度
1兆2775億USドル ÷ 14兆4471億USドル = 0.0884(8.84%
米国の2010年 輸入依存度
1兆9120億USドル ÷ 14兆4471億USドル = 0.1323(13.23%

この数字をみたら米国は内需主導型の経済の国ではないか。とくに輸出から輸入を引いた純輸出ではマイナスの数字となっています。

さらに、米国の2010年貿易日本依存度(?)なるものを勝手に考案して、計算してみました。

米国2010年 輸出日本依存度
605億USドル ÷ 14兆4471億USドル = 0.0041(0.41%
米国2010年 輸入日本依存度
1203億USドル ÷ 14兆4471億USドル = 0.0083(0.83%

日本の比重など、なんとまあ、まことに軽いものでありますね。風の前で吹き飛ばされそうな塵みたいな軽さです。(1%未満

●そこで、日本をはじめ各国の貿易依存度がどの程度なのか? 資料に当たってみました。総務省 統計局 のホームページから、統計データ → 世界の統計 → 第9章 貿易 → 9-3貿易依存度、の順にページを繰っていくとエクセルの表があります。そこにあるデータを貿易依存度の高い順にランキングをしました。

【輸出依存度】 輸出依存度とは、国内総生産(GDP)に対する輸出額の割合です。(単位は%)
2010年 各国の輸入依存度
【輸入依存度】 輸入依存度とは、国内総生産(GDP)に対する輸入額の割合です。(単位は%)
2010年 各国の輸出依存度
↑データの出典は総務省統計局の資料。作表は山のキノコ。

●総務省統計局の資料では、全世界の国々のデータを網羅しているのではないし、とりあえず2010年のランキングを調べただけですが、全く意外なことは、日本の貿易依存度の低さです。表の中でアジアの国を赤で彩色しましたが、アジアの国々の中で日本の貿易依存度の低さがきわだっています。5年間の推移は次の通りです。これで、日本は本当に貿易立国と言えるのか?? 内需国じゃねえのか?? という疑問が湧いてきます。

(輸出依存度)    (輸入依存度)
2006年 14.9%   2006年 13.3%
2007年 16.3%   2007年 14.1%
2008年 16.1%   2008年 15.7%
2009年 11.5%   2009年 10.9%
2010年 14.1%   2010年 12.7%


   **************************

まとめ
●総務省統計局や日本貿易振興機構がリリースする資料に当たって、あれこれと見てまいりましたが、総括してまとめると次のようになるのではないかと思います。

★日本の貿易は、金額的に対米国より対中国のほうが凌駕している。
★アメリカの貿易も、金額的に対日本よりも対中国が凌駕している。
★つまり、中国が世界貿易の勇者として踊り出ている。
★日本はアメリカ一辺倒のままでいいという時代は終わっている。
★意外なことに、アメリカも内需国、日本も内需国である。
 GDPを増やすには、内需振興政策をとる必要があるのが明白。


経済的な繋がりから考えると、日本がアメリカ一辺倒の属国(植民地)の状態ではすでに全くありません。にもかかわらず、野田政権もそうでありますが、歴代の政権が非常な対米従属路線を続けてきたのは何故だろうか?? たとえば小泉ー竹中路線は、事実上のアメリカからの命令書であった 年次改革要望書 を有難くおしいただき、そこに書いてある通りに郵政民営化を進めました。日米の経済的結びつきは、政府が言ったりマスゴミが報道する程には強くないのにもかかわらず、非常な対米追随政策(あるいは世論も)や、その対米追随姿勢の裏返しと思われる中国敵対視の異様さ、これらのことから想像するに、たぶん、次のことが言えるのではないか? 次の3つの米国の利権(利権のようなもの)を米国が狙って、日本人の官僚や政治家などを中間管理職として操り、日本から利益を “カツ上げ = みかじめ料” を吸い取っているのではないか? そのみかじめ料が貿易で得る利益よりも遥かに大きいのではないのか? それが日本を属国属領同然に、米国が日本を間接支配している理由なのだと思います。そうでも考えないことには、あまりにもこの国の対米従属姿勢は、貿易統計から見る結びつきからだけでは、とうてい説明がつきません…。

米国が日本からカツ上げする3大みかじめ料
【みかじめ料1】いまだに占領をつづけている在日米軍を駐留維持するための費用は日本が出しています。国会で予算計上されています。「在日米軍駐留経費負担」「在日米軍の駐留にかかわる経費の負担など」などと意味不明・表現を変えて別々の項目で日本政府に毎年数千億円を(実質的には)請求しています。防衛白書を参照。

【みかじめ料2】日本政府の外貨準備金。為替介入したお金が米国債に化けてアメリカ帝国に事実上盗られています。財務省HPに「平成23年3月末における我が国の外貨準備高は、1,116,025百万ドルとなり、平成23年2月末と比べ、24,540百万ドル増加した」などと書いてありますが、24540百万ドル増えたのではありません。1年間にそれだけ盗られたのであります。1ドル80円として計算すると、1.96兆円盗られたのです。財務省「外貨準備の状況」 参照。財務省は隠していないです。米帝にいくら盗られたかちゃんと書いていますよ。(ただ円高に担ぎあげられてかなり目減りしていることは隠していますが)政府の外貨準備金1兆1160億ドルのうち、1兆0275億ドルが証券で保有です。証券とは申すまでもなくアメリカ国債であります。しかも日本が買わされた米国債は日銀の金庫にあるわけでもないし、売らさせてくれるわけでもありません。売らさせてくれない証拠があります。麻生政権のときの財務大臣の 中川昭一 氏は2009年2月にローマで行われたG7蔵相会議で、昼飯に少し飲んだワインに薬を入れられていて、意識もうろうの会見をさせられて失脚しました。昼食に同席した財務省の職員と新聞社の記者が犯人とみられ、事件の背景としては、中川大臣が米国債を売ることを口にしたためと、取りざたされています。

下手な為替介入などするよりも、日本政府が石油でも何でも海外からどんどん買って備蓄をしろ、それが結局、円高対策になるのだというのは亀井静香氏の主張ですが、米帝に盗られないようにする有力な方法でありましょう。しかし、そんなまともなことを言う政治家も、主流から巧妙に外されるのがこの国の現実です。

【みかじめ料3】小泉政権の時に、金融担当大臣でもあった竹中平蔵氏が2002年10月に、「四大銀行であっても“too big to fail”(あまりにも大きいので潰せない、破綻させるには大き過ぎるとの意味)の考えはとらない」と発言したことをきっかけに下落が続いていた東京株式市場を追い打ちをかけるように大暴落させました。too big to failという表現が時の言葉として話題になりました。大きな銀行を政策的に潰すのだろうか? どうなんだろうか? と竹中発言の真意が議論になりました。ま、結局、日経平均は大底が7606円だったか、大暴落です。

その大暴落の大底圏で日本株(すなわち日本企業の所有権)をごっそりと買ったのは米国の証券会社や投資ファンド会社です。リーマンブラザーズ(2009年に破綻したが)、サーベラス、リップルウッド…などなど。その後竹中平蔵氏は銀行救済政策をとって日経平均は見事に急反転、18000円台まで回復したのですが、これはインサイダーの事実上の株価操作ではないのか? と疑惑が取りざたされています。つまり、宗主国のアメリカ人たちに日本の会社を安く売り渡す手先を竹中平蔵氏が演じたといっても、まったく言い過ぎではないでしょう。

日本人は日本の会社は日本のものと思っている人が多いようですが、東京証券取引所の発表するデータでみると、株主の25%前後が外国人で、その多くがアメリカ人です。世界的に名が通っている会社ならば株主の外国人比率はもっと高くなる会社が多いです。そして、小泉ー竹中ラインがしたことは、派遣労働者法の改正です。その結果、企業の正社員が減り派遣や臨時の雇用者が増えました。つまり固定費の削減により会社の利益の増大化を狙った。日本の会社(株式)を底値で買わさせたアメリカ人たちに、より多くの配当所得が行くような道をつけたのです。小泉ー竹中ラインはアメリカの手先となって、日本人が汗水たらして稼いだカネがアメリカに流出する水路を切り開いたということであります。だから、小泉も竹中も売国奴と言われているのです。話がやや複雑ですが、日本の会社の株主になるという形で、米国は日本のカネをカツ上げしています。そのために『年次改革要望書』で内政干渉まがいの要求をしたのです。以上の記述には、もちろん異論・反論もありましょうが、このような解釈も十分に可能なのであります…。

(ところで、ついでに申せば、橋下徹氏は、氏の維新塾の講師に竹中平蔵氏を担ぎ出そうとしました。しかし世間の反発が予想外に強く、それは引っ込めたのですが、これを見ても橋下氏は売国奴たちの手先であることが分かります。いまだに橋下氏が改革者だなんて錯覚している方がいらっしゃったら、どうか騙されないようにお願いします。)
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