雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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貿易統計から見えてくるもの (その1) 中国の大躍進とアメリカの凋落
● 財務省貿易統計 や、JETRO 日本貿易振興機構(ジェトロ) のホームページを閲覧して、山のように発表されている資料をあさり調べて、貿易統計の数字を取得し、政府の言うことなど疑ってかかるという偏見でもって、その統計数字を自分なりに解釈して、次の表を作ってみました。

●財務省の貿易統計は、微に入り細に渡り、精緻と言えば精緻かもしれないが、重箱の隅をほじくるような細かな項目を沢山たてて膨大な資料を作り過ぎています。これでは何がどうなっているのかさっぱり分かりません。膨大な資料を作るのがお役人たちの仕事なのか?? 普通の国民大衆は日本の貿易のアウトラインが大雑把に知りたいのに、細かな資料が山のようにあるので、どうぞごゆっくりと閲覧下さいと親切に言ってくれても、肝心のことがさっぱりわからないのです。お役人たちは膨大な資料と難解な言葉をたくさん並べて、国民を煙にまくのも仕事なのか??

●日本貿易振興機構(ジェトロ)のほうは、まだましです。財務省から提供された原データを、少しは分かりやすくなるように整理したり加工したり、工夫の跡が見受けられます。で、『貿易統計データベース』という頁から主に数字を抜粋取得して、独自に作表してみたのですが、ジェトロはトップページしかリンクをしてはいけないという指示ですから、数字を落穂のように拾ったページを示すことができません…。

ジェトロの『日本の貿易統計データーベース』から数字を拾い、2011年の我が国の輸出入の国別の金額ベスト25であります。
★なお、落穂拾いした元の数字は千円の単位まで細かく示されています。けれどもそんな細かいことを見てもあまり意味がないから、1億円未満は切り捨てました。
2011年 貿易統計より


この表から見えてくるもの

パレートの法則がみられます。 パレートの法則とは、20対80の法則とも言われています。たとえば、会社の売り上げは2割のお客さんによって8割の売り上げの貢献がされているとか、2割のお金持ちが国民全体の資産のうち8割を持っているとか、社会現象でよく見られる経験則です。物理学の法則みたいに厳密なものではないのですが、ほぼ、だいたい、そんな感じかなということであります。上の表では、全部で226の国と地域のデータから、上位25を抜粋してあります。上位25か国で、母集団の226国及び地域の総金額の9割近いものを占めています。見事にパレートの法則が成立しております。

べき分布になっています。金額を階級別に分けて、階級ごとの出現度数を調べると、正規分布ではなくて、かなり、べき分布的になっています。社会現象にはべき分布が普通に見られます。拙稿『日降水量の観測データはべき分布に従い、予想外のことが起こる』ご参照。
輸出金額の階級ごとの国数
↑輸出金額について、0~百億未満、百億以上~千億未満、…、と順に金額が10倍になるよう階級を設けて、母集団の226の国と地域の階級ごとの度数分布を調べました。すると、小さな階級から順に124、56、32、12、2、という数字が得られました。グラフにするとご覧の通りですが、横軸は対数目盛になっています。べき分布的になっております。

べき分布を示す現象はいくらでも考えられます。200万社とも言われる株式会社の規模別の数であるとか、夜空に輝く星の等級と数とか、地震の規模(マグニチュード)ごとの発生数とか…、枚挙にいとまがありません。要するに、ありふれたものとか小さなものは圧倒的に数がたくさんあるのですが、大きなものになるにつれて急激に数が減少し、極端なものは発生数が非常に少ない、ということでありましょう。

中国の躍進と、アメリカの凋落が顕著です。 アメリカとの貿易額よりも中国との貿易額の方が大きくなった、との報道がなされたのは数年まえでありますが、中国とアメリカとが逆転しています。輸出額では中国はアメリカの1.288倍、輸入額ではなんと2.468倍にも達しています。さらに申せば、香港は1997年にイギリスから中国に返還されました。いまは中国の特別行政区です。中国の一部でありましょう。台湾は中国と分離状態ですが中国から完全に独立しているとは言い切れないし、中国と台湾の統一を望む声も多いから、強引に台湾も中国の一部とかんがえると、なんと輸出額は20兆3795億円になります。アメリカの2.034倍です。

日本にとって中国の方が輸出でも輸入でも、アメリカよりも遥かに比重が大きくなっています。かつてはアメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひくと言われましたが、もはやアメリカ一辺倒の隷属追随の時代はハッキリと終っているようです。

日本のアジアとの経済的結びつきが極めて大きいです。表の中でアジアの国々を赤色で彩色しています。とくに輸出のほうではアジア各国が上位を占めています。遠くの親戚よりも近くの他人という言葉がありますが、遠くの大国よりも近隣の中進国といえそうです。経済発展の著しい国をBRICs(ブリックス)などと言うことがありますが、中国(C)を除くと、ブラジル(B)、ロシア(R)、インド(I)の順位はかなり下の方です。

輸出額で、表中のアジア各国の金額を合計すると、なんと35兆3732億円です。アメリカの3.531倍です。輸入額のほうでは29兆0810億円で、アメリカの4.902倍です。
これらをみると、TPPのプロパガンダがいかに嘘っぱちであるかが鮮明です。日本はすでにアジアと深い経済的結びつきがあり、すでにアジアの生長を取り込んでいます。アジアの成長から取り残されるだとか、TPPで開国するだとか、それらは国民を馬鹿にしたような虚妄プロパガンダです。金額の数字からみると、これからその国の生長を取り込むために外交に力を入れるべきは、インドやロシアやブラジルなどではないのか?? TPPは次第に凋落しつつあるアメリカが、アジアの成長のカヤの外になるのを恐れて、元アジアの小国連合を利用して失地回復を狙っているだけではないのか?? という疑念を持たざるを得ないです…。
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