雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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恍惚のネコ 夢見るクロネコの黒ちゃん。
●クロネコであります。黒ちゃんは大好きなマタタビの枝葉を得て、至福の恍惚状態であります。酒呑みが酔いが回ってごろんとだらしなく寝ているようにもみえます。あるいは、何らかの薬物の作用で意識もうろうとしているようにも見えます。満悦に白眼を丸めて(細めて?)夢でも見ているかのようでもあります。

●ネコにマタタビという言葉もあるように、マタタビの発する香り成分には、ネコを陶酔させる生理作用があることが、古くから良く知られています。しかし実際どうなのだろうか? と思い、簡単な実験をしてみました。淡路島南部にはマタタビの自生は少なく、この植物を見かける機会はあまりありません。諭鶴羽山系の北側の谷の奥には点々とマタタビがあることはあるのですが、シカ(鹿)は好んで食べています。シカの嗜好植物であることは確認しています。しかしネコがマタタビの自生地に集まってくるのは、まだ見たことがありません。(ま、谷の奥にはネコが居ないことがその理由でしょうけれども)

7月5日に有名な写真家の里口さんと、諭鶴羽ダムの奥のほうでマタタビの枝葉を採取して、ただちに洲本市由良に走りました。由良はなぜか家ネコや野良ネコの棲息密度が高く、実験場として最適の地区であります。由良の住宅街の中にある広場で、マタタビの枝を地面に置くとネコが寄ってきましたが、それほど喜ぶふうではありません。そこでマタタビの成分がよく揮発し周囲に漂うようにと、葉を手でよくもんで、ちぎって撒いてみました。その結果はご覧の通りであります。

【恍惚の黒ちゃん】
マタタビを得て恍惚状態のクロネコ
全日写連会員の写真家、里口寿信さんの作品であります。

わたくしも写真を撮るには撮ったのですが、画面になにか得体のしれない黒い物体がある…、何じゃろか? というふうな写真になりました。濃淡のない真っ黒いネコで、きわめて写真に撮りづらい被写体であろうかと思いますが、プロ級の写真になるとネコであることが良くわかります。やはりプロとかベテランの写真は上手いですね。


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マタタビの雌花(見かけの両性花)
↑これは自前の写真です。大昔の2004年6月13日に撮った古い写真であります。実が成る雌株に咲く雌花であります。雌花(めばな)でありますが、雌蕊(めしべ)も雄蕊(おしべ)もあって両性花のように見えます。けれどもこの雄蕊に出来る花粉はニセモノであって、生殖能力が無いことが判明しているようです。で、見かけ倒しのニセモノの雄蕊なので、見かけの両性花などと呼ばれています。

●この見かけの両性花のニセモノの雄蕊は、早期に脱落するようで、その場合には雌蕊のみの雌花があるように見えてしまいます。で、両性花と雌花があるかのごとく勘違いしてしまいます。わたくしも勘違いしておりましたので、懺悔の反省をいたしております。庭にマタタビがあって毎日観察したならばすぐ気づくことでありましょうが、そう毎日谷の奥にまで観察にいけませんから、勘違いもしかたがありません…。

では、なぜマタタビの雌株(メスの木)は生殖能力のないニセモノの花粉を用意するのか? それは、マタタビの花には報酬の蜜をだす蜜腺がないためです。オス木からメス木に花粉を運ぶ送粉昆虫にしても、なにかトクがないと来てくれません。そこでマタタビの雌株(メス木)はニセモノの花粉という “報酬 = 御馳走” を振る舞っているのだ、と説明されています。

白変するマタタビの葉
↑これも自前の写真です。昨年2011年6月11日に撮りました。マタタビという蔓植物は、花が咲くころに一部の葉が白変することで良く知られています。雄株から雌株に花粉を運んでもらう仕事をしてもらうために、訪花昆虫たちにマタタビの所在と開花したことをを知らせるためのサインであると考えられています。

●面白いことは、白変するのは葉のごく表面の組織だけで、葉肉を形成する柵状組織や海綿状組織にまでは及んでいません。開花が終わり夏になると、次第にもとの緑に戻っていく回青現象がみられます。マタタビのその株に着くすべての葉にたいして、一体どのくらいの葉が白変するのか? その割合を定量的に調べたいと思っているのですけれども、今年もできませんでした。また来年です。多分1%以下、0.1%のオーダーではないかと見当をつけているのですが、白い葉はよく目立つので、実際以上に沢山あるように錯覚するのではないか??
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