雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
201706<<12345678910111213141516171819202122232425262728293031>>201708
諭鶴羽山系の薬草(2) ハマボウフウ
●自然度の高い砂質海岸に生育しているハマボウフウは、上等な山菜 であり、栽培もされる高級食材であります。料理に香りと彩りを添える名わき役として、たとえば刺身のツマなどに利用されます。ハマボウフウを単品の食材として扱う場合は、他のセリ科の山菜と同様に甘酢との相性がすこぶる宜しいです。著名な料理ブログの 小太郎のまんぷく日記 様もハマボウフウ料理を種々試作されていますが、しっかりと「ハマボウフウの甘酢漬」という一品を作っておられます。 

●また、ハマボウフウは『第十六改正 日本薬局方』に収録されている生薬でもあります。解熱作用や沈痛作用があるとされます。風邪による発汗や、発熱、頭痛、関節痛などに効くとされます。

第十六改正日本薬局方 1570頁より

ハマボウフウの根茎の採集のしかた
結実したハマボウフウ
↑7月25日の状態です。果実が熟し終わり、複雑な散形果序が跡かたもなく崩れ、株元に散乱しています。この散乱した果実はやがて風に吹かれ、砂浜の小動物に蹴散らかされて更に拡散し、砂に埋もれていくことでしょう。
結実したハマボウフウ
↑こちらはまだ散乱していません。まだモコモコと茶色いカリフラワーみたいな状態で、複散形果序の秩序を保っていますが、エントロピー増大則に従ってやがて散乱していくでしょう。

●この上2枚の状態の物が採り頃です。採集時期は夏です。上のものは何年生かは不明ですが相当な古株であります。ハマボウフウは1回繁殖型の植物ではありません。1回繁殖型というのは、その植物が一生の間に1回だけ繁殖する(すなわち1回だけ種子を生産する)ことであります。ハマボウフウを観察すると、5月から7月にかけて開花し種子を生産したのち、盛夏になると枯れてしまいます。で、1回繁殖かと勘違いしそうですが、地下の根茎が生きていて、早春に再び葉を出してきます。複数回は繁殖(種子生産)しているようです。で、資源保護の観点からできるだけ古い物を採取する必要があります。これならば、どうせやがては枯れていくものですから、掘ったとしても自生地の大きな破壊にはなりません。1年生や2年生の若い個体を掘るのは厳として避けなければなりません。

これは未開花のまだ若い個体群
↑未開花株の若い個体群です。このようなものは採ってはいけません。若い個体は盛夏になっても枯れずに、秋遅くまで青々としています。淡路島南部の海岸では氷点下になることはほとんどないので、冬でも青々としていることもあります。(さすがに今年は厳冬だったので冬のハマボウフウはほとんど枯れていました)

掘り上げたハマボウフウの根茎
↑何回か既に繁殖したであろう古株を掘ってみました。根の先端がちぎれてしまいましたが50㎝前後の長さです。径2.5~2.8㎝程度です。水洗いして砂をおとしてから、4本まとめて重さを測ると495gでありました。で、丁寧に先端まで掘ればハマボウフウの根茎は長さ60~70㎝ぐらい、重さは100g余りであろうかと思います。ちょっと見た感じは小ぶりのジネンジョ(ヤマノイモ)そっくりであります。

★これを細かく刻んで半日で一挙に乾燥させればいいでしょう。平安時代から薬草として利用されてきたようでありますから、風邪をひいたときに煎じて服用すればいいでしょう。風邪をひかなくても周囲で風邪が流行りだしたら早めに服用すればいいかもしれません。

ところで、これはキンピラゴボウ(きんぴらはまぼうふう)が出来るのじゃねえか? ゴボウそっくりだ。

ハマボウフウの果実
↑これはハマボウフウの果実です。本種は海流散布の植物なので、この果実は水によく浮かびます。畑で栽培するために果実(種子)をすこし採取しました。ご希望の方にはおすそ分けいたします。ハマボウフウの種子は発芽率が悪いので多めに蒔くとよろしいです。また種子は翌年の早春まで休眠するので、早く蒔いても芽がでません。種子を吸水させ冷蔵庫で3カ月よく冷やして蒔くと、うまくすると秋遅くに発芽するようです。ビニールを掛けて保温すれば早く栽培できます。

    *************************

【ハマグルマが見頃を迎えています】
ハマグルマ(別名ネコノシタ)
↑これはハマグルマです。葉の表面がネコ(猫)の舌のようにザラザラなので別名がネコノシタです。開発の手が加わわっていない自然度の高い砂浜海岸の指標植物ですが、南方系の植物です。北方系のウンランと並んで良好な砂浜の植物として双璧をなしています。
スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック
copyright © 2017 Powered By FC2ブログ allrights reserved.