雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽山系の薬草(1) トチバニンジン 生薬名は竹節人参(チクセツニンジン)
トチバニンジンの赤い果実
トチバニンジン
↑シャクナゲ自生地の直前の湿った斜面にトチバニンジンがあり、早いものは果実が色づいていました。写真には3個体写っています。ただし3個体ではなく地下の根茎で繋がっている可能性が少しですが有り得ます。一番手前の物には葉が4枚あります。20枚ではありません。掌状複葉で1枚の葉は5個の小葉から構成されています。てのひら状の葉が トチノキ の葉に似ていて朝鮮ニンジンに近縁種であるからトチバニンジンという名前が与えられたらしい…。

●図鑑類など書物の写真や図をみても、またネットの Googleの画像検索「トチバニンジン」 を見ても、どうやら諭鶴羽山系に自生するトチバニンジンと他の地方のそれとは葉の形状がだいぶん異なるようです。諭鶴羽山系のものは小葉の幅が狭く細長く、すこし華奢というか弱弱しい感じがいたします。


トチバニンジンと朝鮮ニンジンは薬効が異なる
有名で高価な朝鮮ニンジン (オタネニンジン) と同じ仲間の植物でありますから、歴とした薬草であります。ただし、オタネニンジンとは薬効が全く異なるらしい。 イー薬草・ドットコム 薬用植物一覧表から トチバニンジン(チクセツニンジン) を参照。チクセツニンジンとはトチバニンジンの生薬名で、地下の根茎が竹の節のように見えることから言うのだそうです。引用すると、「竹節人参 (ちくせつにんじん) は、苦味が強く健胃(けんい)、去痰(きょたん)作用、解熱作用があるために、胃のつかえ、消化不良、食欲不振、気管支炎などに用います。1日量5~8グラムを、水0.5リットルで約半量まで煎じつめたものを1日3食間に服用します。」

【伊沢一男『薬草カラー図鑑②』89頁には次のように記されています】
<オタネニンジンとの薬効とは別> 地上部の形状はオタネニンジンとよく似ているが、地下の根茎は甚だ異なり、竹節人参と人参 (薬用人参、朝鮮人参) は同じように使用するものではない。竹節人参は苦味が強く、健胃・去痰作用がまさり、人参のように新陳代謝機能を盛んにする作用、強精・強壮、病後の回復などは期待できない。


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トチバニンジンは日本薬局方に収録されている
厚生労働省「日本薬局方・にほんやっきょくほう」 ホームページ
【引用】 「日本薬局方は、薬事法第41条により、医薬品の性状及び品質の適正を図るため、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めた医薬品の規格基準書です。日本薬局方の構成は通則、生薬総則、製剤総則、一般試験法及び医薬品各条からなり、収載医薬品については我が国で繁用されている医薬品が中心となっています。日本薬局方は100年有余の歴史があり、初版は明治19年6月に公布され、今日に至るまで医薬品の開発、試験技術の向上に伴って改訂が重ねられ、現在では、第十六改正日本薬局方が公示されています。」

厚生労働省 『第十六改正日本薬局方』
【第十六改正日本薬局方 1544ページから抜粋引用、画像に撮った】
第十六改正 『日本薬局方』 1544ページより抜粋

●要するに、諭鶴羽山系の谷の奥の湿った樹陰に生育しているトチバニンジンは、ただの雑草ではありません。厚生労働省のお墨付きの第一級の薬草であります。徳島県などでは生薬として栽培もされているようです。このトチバニンジンはシカの 「不嗜好植物」 なので、食害で減ることもなく、良く捜せば山系全体に点々と生えております。

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