雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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「ハンゲショウ」の観察(その2) 白化葉が全く見られないハンゲショウの集団があるのだろうか?
●以下の写真は、洲本市由良にあるハンゲショウの群生地であります。昨日、2012年7月6日に観察しました。南あわじ市に在住する有名な写真家のSさんに、「ハンゲショウの写真を撮りに行きませんか?」と誘いましたところ、「よし、行こう」ということになりました。なんと、朝5時から出かけました。今時分は日の出が非常に早く、朝5時半にもなれば十分に明るいのです。Sさんの本業はキャットウォーク服飾デザイナーの仕事をされていて、朝9時にアトリエを開店されます。わたくし山のキノコも一応まだ現役世代です。遊んでいるわけじゃあ、ありません。要するにその日の業務を始める前に写真を撮ってこようという作戦であります。

●ところが、ハンゲショウの自生地にたどり着いたら、天がビックリ仰天して落ちてきて、地面が東北沖地震で動くほどの、大異変であります。驚愕して腰がぬけてしまいそうです。白化葉が全くないのであります。一体これはどうしたことなでありましょうか?? 

白化葉が全く無いではないか!
花はあるが白化葉がない
↑元水田であろうか?と思われる湿地に、薪雑把(たきぎざっぽう)の如く隙間なくハンゲショウが生育しています。とても奇妙なことには、今の時期(花期)にあるハズの “白くなった葉” がまったく見られません。この写真のハンゲショウは花穂が立ち上がり気味なので、開花は終盤という状況であります。サクラでいえば満開を通り過ぎて散り始めと言ったところでありましょう。ハンゲショウは、花のない茎に着く葉は緑一色というのが普通なんですけれども、花がある茎に着く葉がここまで白化葉がないというのは、わたくしは初めて見ました。

本当に白化葉がない
↑この一面にひろがるハンゲショウの群落が、白化葉で埋め尽くされていたら実に壮観でありますが、これでは写真になりません。新聞社に投稿しても採用は望めないでしょう。これでは、「ただの雑草じゃあねえか」と言われるのがオチです。あきらめて、南あわじ市に戻り、南あわじ市賀集の淳仁天皇陵の掘りのハンゲショウの白化葉の写真を撮って、Sさんは新聞社に投稿されたようであります。

白化葉がなぜ無いのだろうか?

●まず、写真のものは日本在来種のハンゲショウです。アメリカハンゲショウではありません。園芸種として導入されて、ごく僅かのようですが販売されているアメリカ原産のハンゲショウは葉が白化しません。アメリカハンゲショウは雄蕊の花糸が長く、花穂が シライトソウ(諭鶴羽山系に普通にある) みたいな風に見えて、簡単に見分けがつきます。で、まず、ここのハンゲショウは在来種であり、栽培品のアメリカハンゲショウの逸出したものということは全くありません。

●ハンゲショウは、若くて成熟せずに花がまだない未成熟株の場合は白化葉が見られないものですが、ここのものはそんなことはありません。たくさんの花が見られます。花盛りであります。花があるのに白化葉が全くないという現象を示しています。

●どんな種でも、その産地により多少は変異があるのは普通だから、ここのものは白化葉を生じない系統なのだろうか?? そういうことがひょっとするとあるのか?? あるいは、遺伝的なDNA塩基配列や染色体の数などに何ら変化はないのだけれども、たとえば日照など気象条件であるとか、土壌のPHであるとか、自生地の沼や湿地の水質汚染だとか、なんらかの環境要因により白化しない場合があるということでしょうかねえ?? 分かる方にはご教示賜りますればありがたいです。

★なお、ハンゲショウの白化葉はあまりにもよく目立つので、ちょっと見た感じでは沢山あるように感じるのですが、葉の数を数えて出来るだけ定量的に観察するならば、意外に少ないものです。地面から生える1本の茎ごとに観察すると、白化葉をつけない茎のほうが多いです。未成熟な茎はもちろん、花をつける成熟した茎でも白化葉をつけない場合がありませす。で、たとえば10本の茎があっても白化葉をつける茎は1本か2本、そんな程度です。しかも1本の茎には10枚~20枚の葉がつき、そのうち白化する葉は1~2枚です。したがって、その群落で葉群全体に占める白化葉の比率はせいぜい1%程度か、1%よりも更に少ないかもしれません。たとえ白化した葉が一面にあるように見える群落であっても、白化葉が沢山あるかのように見えるのは “目の錯覚” であります。ヒトの目というものは、少ない物を多く見て、多い物を少なく見て、物事をありのままに見ない傾向があるように、わたくしは思います…。ようするにヒトの目は節穴なのです…。
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