雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽山系の山菜(その14) 夏の青菜の重宝な代用品「ツルナ」
【ツルナは海流により種子散布を行う汎世界種】
●ツルナの濃緑の蔓や葉が広がっております。春先から蔓が伸びておるのですが、梅雨のころが採り頃であります。今時分がいちばん柔らかくてみずみずしいのです。ですが、秋までずうーっと収穫できます。青菜の欠乏する夏にはその代用品として大変重宝します。ふつう砂質海岸に自生する海浜植物で、その種子は海水によく浮かび、しかも耐塩性があり、海流に乗って種子散布がなされます。新しく形成された砂浜には2、3年すると必ずといっていいほどツルナが侵入してきます。海流に乗って種子が広く拡散されるので、太平洋やインド洋の熱帯から亜熱帯、温帯にかけて広範囲に分布しているようで、コスモポリタン(汎世界種、世界的公布種)と言えそうです。

ツルナ
↑今年の春早くに発芽したツルナの個体ですが、急激に大きくなってきました。これぐらいのときが一番柔らかくて採集適期でありましょう。葉腋(ようえき)にまだほとんど花が出来ておりません。花が出てくるとその株はしだいに老化してきて、葉が固くなり食べるのには2等品となります。

ツルナの大群落
↑畳2枚ぶんぐらいもある大株であります。ここの砂浜は最近出来たものですが、砂地に水分や肥料分があるのかどうか不明ですが、この砂浜に生じたツルナは素晴らしい生育ぶりです。

ツルナの花

ツルナの花
↑ツルナの花です。花期というのは無いというか、非常に長いというか、春から秋遅くまで何時でも花が観察できます。伸びていく茎の先の方に何時でも花があります。茎の下の方にはたいてい果実があります。果実は熟してくると黒っぽくなります。秋に黒く熟した果実を採集して畑に蒔き栽培するのもいいでしょう。

【ツルナの栄養価値はホウレンソウに遜色がない】
文部科学省 資源調査分科会報告「日本食品標準成分表2010」について 『日本食品標準成分表2010 6 野菜類』 から抜粋作表しますと、ツルナの栄養成分価値はホウレンソウと比べるとそれほど見劣りするものではありません。したがって、ホウレンソウの欠乏する夏にはその代用品には立派になり得ます。てゆうか、『日本食品標準成分表』に掲載されているということは、ツルナという海浜植物が “立派に野菜である” と文部科学省がお墨付きを与えているわけであります。100グラムあたりの成分は次の通りです。
ツルナの栄養成分

【ツルナは世界各地で野菜として栽培されている】
WorldCrops「New Zealand Spinach Tetragonia tetragoniodes」 というサイトを見ると、中央アメリカのコスタリカで畑でツルナが栽培されている写真が見られます。また、ブラジルのサンパウロで市場で売られているツルナの写真が見られます。ツルナはこのように世界各地で畑で栽培されていて、間違いなく野菜であるといえましょう。海岸の砂浜に行って大いに採取して食べていただきたい。なお、New Zealand Spinach(ニュージーランドのホウレンソウの意味)というのはツルナのことです。

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【ツルナの料理の一例】
ツルナの収穫
↑海岸の砂浜でツルナを採取する場合は、ふわふわと生育が良い株の茎の先を摘みとります。葉が数枚着いた状態の茎の先です。出来れば花とか果実の付いていないものの方がいいでしょう。花がまだついていない若い茎は柔らかくて、アクとかエグ味がほとんどありません。しかし老成した堅い茎のものはエグ味が強くなります。

ツルナの白あえ
↑ツルナの白合えであります。これはわたくし山のキノコの作品です。作り方を伝授しましょう…。

【ツルナの白合えの作り方】
1、海岸に行って、ツルナを採取する。砂浜海岸には、捜せばどこにでもあります。砂浜でなくてもあります。

2、材料は、豆腐半丁・調味料(砂糖大さじ2、味噌大さじ2、塩小さじ1、炒りごま) 豆腐は重しを乗せて脱水する。すり鉢で炒りごまを摺りつぶす。次に豆腐と調味料を投入して、よく摺り合わせる。

3、ツルナ200グラムを茹でて、水に10分さらす。さらすのはアクとエグ味を抜くためです。そしてよく絞り上げる。そして3センチの長さに切る。

4、他の具材、ニンジンの千切り、シイタケの千切り、糸こんにゃくを3センチに切ったものを、ごく少量の油でいためる。他には、竹輪とか油揚げを線切りにしたものを用意する。

5、2で擦り合わせたものにツルナと具材を放り込んでよく攪拌し、混ぜ合わせる。

材料の分量は適宜でありますが、味付けは濃い目のほうがいいかもしれません。というのはツルナはややエグ味のある野菜ですので、濃い味にするとそのエグ味が減殺されます。ごま(ピーナッツとかアーモンドとかクルミなどのナッツ類もよろしい)を使うのも、ゴマの油分と香りでツルナのエグ味を減殺するためです。
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