雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽山系のツツジ属(その3)「オンツツジ」
●オンツツジであります。漢字で書けば「雄躑躅」です。オスのように立派で、大きく、逞しいツツジだという意味でありましょう。オンツツジの開花状況は、今年は極端な裏年にあたっています。表年には、それこそ「すわ山火事だぁぁ!」と思うほど全山赤く染め上がります。しかし、今年はちらほらで寂しいものです…。

オンツツジは 襲速紀要素(そはやきようそ) の植物の一つで、その分布は中央構造線の南側(西南日本外帯)に分布していて、紀伊半島南部~四国~九州の山地にあります。有名な 徳島県の天然記念物 船窪オンツツジ群落 と同じ種類のツツジが諭鶴羽山系にあるのです。船窪のオンツツジは海抜1050~1070mの高所にあるのに対して、淡路島では海抜350~586mの低所にあるので、淡路の方が花期が2週間早いです。淡路では4月下旬からポツポツと咲き始め、5月中旬まで咲いています。満開のピークはここ数年では5月10日ぐらいです。近年は春先が寒いので開花が遅れる傾向があります。

●むかし、船窪オンツツジ群落を観察に何回か行ったのですが、とても立派な観光地になっています。花見の観光客で立錐の余地もないほどの人出でした。出店であるとか屋台が沢山でていました。南あわじ市には花の名所といえるのは黒岩スイセン郷しかないので、新しい花の名所として有望な観光資源であります。諭鶴羽山系のオンツツジ群落として県の天然記念物に指定するように運動し、林道を拡幅、遊歩道や駐車場を整備したら、花の名所とするのは十分に可能でありましょう。有望だという理由は沢山考えられます。南あわじ市の潜在的有望な花の名所として、強く推奨いたします。

オンツツジ群落が花の名所として有望な理由
1、兵庫県では諭鶴羽山系にしか自生していない。兵庫県版レッドデー
  タブック2010でBランクの貴重植物に選定されている。
2、近畿地方でも紀伊半島南部しかなく、観光客供給地の阪神間の住民
  にとっては珍しいツツジである。観賞価値も高い。
3、貴重植物に選定されているけれども、個体数が非常に多い。
4、山系全体にランダム分布するのではなく、特定の狭い範囲に集中分
  布していて、見ごたえがある。
5、将来に、そのオンツツジ群落を後継維持する幼木や実生稚樹がたく
  さん見られる。心無い観光客に少々盗られても大丈夫。
6、既に林道が存在するのでそれを拡幅整備すれば、現地へ行く進入路
  とすることができる。
7、駐車場を作るための緩傾斜の場所がある。平坦地も存在する。
8、付近は諭鶴羽山系の屋根にあたるので、四囲眺望がすばらしい。
9、5月の連休にあわせて開花するので、客寄せの花にちょうどいい。

『兵庫県レッドデータブック2010』でBランクの貴重植物「オンツツジ」

★県版レッドデータブックが言うように、確かにオンツツジ群落がスギの植林のためにかなり破壊されました。植栽されたスギはその後下草刈りや間伐など手入れがされず、ほとんど植えっぱなしの状態です。早晩にスギ林もダメになるでしょう。その兆しが見えています。自然の二次林を破壊し、かつスギ林もろくすっぽ管理しないのでは、ツツジ公園整備に税金を流し込むほうがましでありましょう…。

オンツツジ
↑目が醒めるような情熱の赤いツツジです。別名がツクシアカツツジ。よく育って老成した個体では樹高5~6mになります。ツツジ類としては威風堂々とした大木になる種です。
オンツツジ

オンツツジ
↑枝の先に普通は2~3花つきますが、時には5花もつくことがあります。雄しべは10本。花冠は5中裂しまして、全体はあざやかな赤い色ですが、上弁に濃いピンク色の斑紋があります。
オンツツジの葉
↑葉は枝の先端に3枚が輪生状につきます。葉だけを見るとトサノミツバツツジに酷似しています。

   ……………………………………………………………………
オンツツジの自生地からの眺望 は面積約600平方キロの小さな島とは思えないものです。山岳重畳して、山並みは遥かに続いています。彼方の山は雲霞にかすんで紫色であります。全くの仙境であり深山であります。
自生地から東を見る
↑オンツツジ自生地から東を見た景色です。一番むこうにかすんでいる山は柏原山(569m)です。画面の左側にある山(530mあまり)の山頂付近にはホンシャクナゲが沢山自生しています。柏原山の手前に見える山(544m)の林道にはシイタケがよく出ていました。しかし最近は茸の出る枯損木が朽ち果てたのであまり出なくなりました。
自生地から北を見る
↑画面の中央のやや遠くに見える山は兜布丸山(かぶとやま535m)です。この兜布丸山は島の平野部に最もせり出して近く、平野部を隔てて先山(448m)と対峙してすこぶる良い眺めであります。しかし登る登山道はありません。樹林のなかを藪こぎで登ります…。
自生地から北西を見る
↑一番手前に見えている山(545mぐらい)には兵庫県レッドデータブック2010でBランクの貴重植物のナンゴクウラシマソウの良い群落があります。またヤマツツジのちょっとした群落もあります。この写真では分かりにくいのですが、遥かに播磨灘が見えています。
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