雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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諭鶴羽山系の山菜(その9) 「ハリギリ」
●ウコギ科という分類群には、第一級の山菜がたくさん含まれています。ウドタラノキウコギコシアブラ(淡路島に分布せず)・タカノツメ(淡路島には分布せず)・それから本エントリーで取り上げるハリギリ、などがあります。もしこの世にウコギ科という分類群の植物が存在しなかったならば、春の山菜採りは味気ないものになるにちがいありません…。ウコギ科の山菜の特徴はけっこうアクが強いことがあげられます。それで天麩羅にして食べることが多いです。

天麩羅というものは油を使った揚げ物だと思われがちですが、実は全く違います。「揚げ物」ではなく、「蒸し物」です。溶き小麦粉の衣をつけてネタを封じ込めます。そして沸騰水よりも高い150度とか170度などの高温の油の熱で、一挙に衣の中で蒸すのが天麩羅という料理法なのであります。
アクの強いウコギ科の山菜も、高温で一挙に蒸し物にされるとアクとか苦味なども、かなり温和になります。強いアクが減殺されて適度なアクならば、それは旨みにかわります。ウコギ科の山菜は天麩羅にして食べるのが定番でありますが、その理由はウコギ科の山菜は、アクが強すぎるというのが大きな理由です。

食通はタラノキの芽よりも、ハリギリを好む
山菜好きの連中が、タラノキの芽を片っぱしから乱獲しています。諭鶴羽山系の北斜面の山麓にオニオンロードが東西方向に走っていますが、この道路の両側の法面にタラノキが沢山あります。しかしながら、3日前にオニオンロードをポンコツ車で走ったのですが、95%のタラノキの芽が掻き採られていました。世の中にこれほどタラノキの芽が好きな人が多いのだなと、ビックリしました…。

★ところが、食べなれると多くの人がタラノキの芽よりも、ハリギリの芽のほうを好むようになる、と言われています。つまり、タラノキの芽を採りまくっているうちは、まだまだ山菜の通とは言えないのであります。ハリギリがタラノキよりも上等品であることが理解できて、はじめて一人前の山菜採りなのであります。
ハリギリの若葉
↑4月7日に見に行った際にはまだ小さな芽で採取には早すぎたのに、12日後の本日4月19日に行くともう若葉になっているではないか! 採集適期を見事に外してしまいました。長年ハリギリを採っているのに、こんなにも不覚を取ったのは初めてです。しかたがないから今年は5月中旬に徳島県の 高城山(1628m) にハリギリを採りに行きます。高城山の山頂付近ではハリギリが沢山ありますし、ホンシャクナゲ・ツクシシャクナゲ・アケボノツツジ・アワノミツバツツジなど美しいツツジ属の花見ができます。

ハリギリは暖温帯にも冷温帯にも分布は広いのですが、多いのは冷温帯です。隣の徳島県の山では1000m以上とか1500m前後の高所に多い樹木です。諭鶴羽山系のような暖温帯の標高の低いところにもありますが、めったに見ることができません。長年、谷や尾根を歩きまわっている私でも、ハリギリの木はまだ7本しか見つけていません…。

葉はカエデの葉を巨大にしたような感じ
↑カエデ類によく似た形状の葉です。ただし大きな葉になります。てのひら大かそれ以上の大きさになります。掌状に5浅裂する葉身ですが、7裂の葉も出現します。ときには9裂もあるのですが希です。

樹皮には溝がある
↑径15㎝の太い枝の樹皮です。樹皮に深い縦の溝があります。疎らに粗いトゲもあります。細い枝にはトゲが多くなるのですが、タラノキと比べるとトゲはずっと少ないです。トゲはあっても軍手をはめるとこの木に登れました。写真は木に登って撮ったものです。

やや長けているが、ハリギリの芽
↑枝先にある何とか食べられそうなものを探して、高枝鋏でやっとのことでこれだけ採りました。ザルの下側の物で、葉が開きかけになっている状態がちょうどいいです。ザルの上部の物はやや長けています。

ハリギリの若葉の天麩羅
↑ハリギリの芽、というよりも若葉の天麩羅です。山のキノコの作品。すこし衣を付け過ぎです。衣は若葉の片面あるいは葉先のほうの半分だけ付けるほうが、芸術的になると思われます。(ちなみに中国では、図書館などで書物の分類をする場合、料理の本は “芸術” に分類するそうです)ハリギリの芽はアクが強く苦味も強いですから、天麩羅で食するのが一番いいでしょう。高温で火を通すと苦味がほとんど消えます…。
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