雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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カッキーさんの写真ギャラリー
【特設コーナー】 カッキーさんの写真ギャラリー 2018.04.08、高城山

山を愛し、自然を愛し、シロクマの如くこよなく氷雪を好む北方系 (?) のカッキーさんに、写真はないのですか? とお聞きしたら選りすぐりの写真を1葉見せてくださるのかの思いきや、なんと 12枚の写真 を見せてくださいました。で、ここに特設コーナーをこしらえてギャラリーに展示したいと思います。なお、吾輩が勝手に写真を解説 (怪説かも?) しました。

蒼い空と、白い雪とのコントラストが美しい1枚です。積雪の深さは浅いけど、4月の雪です。春の雪であります。ここは徳島のヘソと言われ、高城山(標高1632m)の東側で山頂直下であります。標高は正確には分かりませんけど、1490mと1500mの等高線の間に位置しています。剣山スーパー林道の進入口からちょうど10キロのところです。徳島県屈指のご来光撮影ポイントでありまして、日曜日の明け方なんかには三脚にセットした一眼レフが林立します。で、コンデジなど出しづらい雰囲気があります。ただ、ここでは標高が高いため紀伊半島の山々を見下ろすようなアングルになってしまい、太平洋の水平線から昇る日の出は撮れません。太平洋から昇るご来光はやはり県南部の室戸岬に近いほうに行かなきゃ無理みたいです。
カッキーさんの写真

スパー林道から高城山の山頂を仰ぎました。こけし風な奇妙な構造物は、国土交通省のレーダー雨量観測所であります。あくまでもレーダー画像による降水強度の推計をやるのであって、実際の降水量を実測しているのではありません。山頂付近には霧氷がついています。青空を背景にした霧氷は絵になります。徳島市内の登山者が異口同音にいうには、霧氷は剣山よりも高城山や雲早山のほうが見事だと言っています。申すまでもなく、霧氷は氷点下の気温帯で雲がかかったときに出来ますが、標高1500mぐらいの高度で低層雲が濃密になるからではないか? 気温がいくら低くても雲が薄ければ霧氷は貧弱ということなんでしょう。そういえば、剣山でも夫婦池 (標高1450m) 付近で霧氷ができているのに、剣山山頂へ登ると霧氷がないという経験を何べんもしています。ようするに、雲海の上に剣山が突き出ているという状況でそうなります。 

ところで、写真をよく見るとお月さまが出ていますね。半月です。これは上弦の月でしょうか? 下弦の月でしょうか? じつは下弦の月であります。下弦の月というのは満月 → 下弦の月 → 新月へと欠けていくときの中途経過です。お月さんだけ見て見分けるのはむずかしい面があるのですが、朝出ているのは下弦の月です。時間帯で見分けるのが確実であります。(上弦の月は夕方から晩に見える)

カッキーさんの写真
カッキーさんの写真

これは、おそらく、徳島のヘソあるいはスーパー林道から眺めた雲早山であります。谷を挟んで向こう側の山ですが、勝浦三山」 (高城山、雲早山、高丸山」) の一つであります。標高は1496m。かわいそうに1500mに4m足りません。本州の中央部じゃ亜高山帯は普通標高1500mより上とされます。標高基準じゃ亜高山帯に4mたりませんでした。なお、剣山地じゃシコクシラベが出てくる1800m以上が亜高山帯とされ、あるいはコメツガが出てくる1700m以上とか、などが言われています。山名は普通は 「くもそうやま」 と読まれますが、地元では 「くもさやま」 という言い方もあるようです。
カッキーさんの写真

剣山スーパー林道です。ここは高城山の北斜面にあたります。ファガスの森と徳島のヘソとのほぼ中間地点でしょうか。標高はここで1400mぐらいでしょう。写真右側の針葉樹はウラジロモミです。標高1000mとか1100mあたりでは、普通のモミと葉の裏が白いウラジロモミが混在していますが、1400mになると皆ウラジロモミです。見分け方はモミは葉の先端が針になっていて痛いのですが、ウラジロモミは痛くありません。剣山スーパー林道は全線すさまじいダートで、残り少なくなった未舗装林道です。日曜日には日本全国からライダーが押し寄せますけど、カーブが多いし、ときたま転落事故も発生しています。くれぐれも安全運転で行くように!
カッキーさんの写真

ファガスの森の裏からみた剣山のアップです。積雪がすくないですね。4月上旬では剣山の北東斜面の行場付近は遅くまで残雪があるんですけど、今年は根雪はほとんど消えてしまいました。今冬は12月~2月は西日本では平年値よりも2度ほど低く、厳冬だったのに剣山周辺では降雪は少なかったようです。降雪 (つまり降水) が多いか少ないかは、厳冬か暖冬かはあまり関係ないのかも? ま、そもそも、ここは日本海側じゃないので‥。
カッキーさんの写真

雲早トンネルであります。ここで標高はほぼ千mです。隧道 (ずいどう) とトンネルはどう違うのか? ま、発音が違いますね。日本語か外来語かの違いもあります。国土交通省 は意味は同じものだと言っていますね。一昨年でしたか、雲早トンネルを補修工事やってから壁面からの水がほとんど出なくなりました。以前はトンネルの壁面や天井から派手なつららが垂れ下がりましたが、補修後はつららが貧弱になりました。ご覧のように貧弱なつららですが、気温があまり低くないということもありますけど、トンネル内に水が出なくなったこともあります。ところで、このトンネルの上の尾根には見事なシャクナゲ群落があります。5月中旬頃にお花見にいいかも?
カッキーさんの写真


紙幣の紙の原料になるミツマタが、徳島県の山中で広範囲に野生化

ミツマタは枝が三つ又に分岐することが名の起こりですが、コウゾと並んで和紙の材料となる落葉低木であります。ミツマタでこしらえた和紙は独特の手触りがあり強靭なので 紙幣の用紙の原料 にもされ、徳島県下でも山間部で栽培され、その生産物が国立印刷局(前身は大蔵省紙幣局) に納入されていたようであります。現在では山間部をあちこち走り回っても栽培しているようには見えませんけど、栽培品が逸出・野生化が進んで山間部じゃいたるところで見られます。神山町、旧木沢村、旧木屋平村、旧一宇村など比較的標高の高いところで野生化しているのを見かけます。標高の低いところではあまり見かけないのは、たぶん、照葉樹林帯では林内の光環境が悪いためではないか? 比較的に林床が明るい夏緑樹林帯で生育良好のようで、野生化しているのは暖温帯上部~冷温帯下部あたりで、標高1300mまで見られます。陽光が当たるところではよく育ち花着きもいいようで、本来はかなり丈夫な植物みたいです。

ここは、神山町の奥です。岳人の森に行く手前の最終集落の大中尾というところです。国道193号の最終地点 (雲早トンネルへ行く道は193号未開通部分) にログハウス風の公衆トイレがあって、そこから橋をわたって林道を進んだ先で、ミツマタの大群落があります。標識では峠を 「たお」 と読ませていますが、これは西日本各地にある言い方です。日本の民俗学の開拓者であり巨人 柳田国男 の考察によると、峠というのは山の尾根筋の鞍部を越えて向こう側に行くものです。鞍部というのは尾根線というか稜線が弓状に撓 (たわ) んで低くなったところでありまして、「たわ」 → 「たお」 ということではないか? (なお、吾輩の解釈も勝手に混ぜています) ちなみに、峠を意味する語は他にも沢山あって、「越、こし」 なんかはそうでありまして、剣山の登山口の見ノ越は木屋平から東祖谷山へ (もちろん逆でもいい) 山越えで行く峠であります。
カッキーさんの写真
カッキーさんの写真
カッキーさんの写真
カッキーさんの写真
カッキーさんの写真


ミツマタはジンチョウゲ科の低木だが、チョウセンナニワズとは近縁

以下の2葉の写真は吾輩の撮ったものです。環境省カテゴリーで絶滅危惧Ⅱ類のチョウセンナニワズです。上の段の写真は2017年5月19日に剣山行場で撮り、下の段の写真はこのあいだ2018年4月3日に西三子山で撮りました。属では異なりますが、同じ科に属するだけあってミツマタもチョウセンナニワズも花の基本設計というか形態はよく似ています。写真じゃ細部が分からないので観察できませんけど。 ジンチョウゲ科植物で淡路島にあるものでは、コショウノキですが手持ちの写真がないので近々写真を撮ってまいります。大日川水系の斜面にコショウノキの大きな群落がありますわ。

チョウセンナニワズ
チョウセンナニワズ


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コメント
コメント
素敵な写真を見せていただき、有難うございました。

これから、柴小屋 ~ 雲早 ~ 砥石権現 ~ 高城の一帯は、百花繚乱の雲上の花園ですね!
タムシバの清楚な白い花はもう終わったかもしれませんが、カタクリ、
アケボノツツジ、ホンシャクナゲ、オンツツジ、ゴヨウツツジ、ツルギミツバツツジ等、
特にツツジ属が豪華で綺麗です。林床の可憐な花たちも目白押しです。


>グーグルプラスにリンク張らしてもらって良いでしょうか?

どうぞ、リンクをお張りください。
2018/04/13(金) 10:51:55 | URL | 山のキノコ #js83eNAU [ 編集 ]
わぉ~拙い写真が立派な解説のおかげで読み物になってますね。文才及び知識が無いので羨ましいです。撮影場所も図星です
グーグルプラスにリンク張らしてもらって良いでしょうか?
2018/04/13(金) 00:01:14 | URL | カッキー #- [ 編集 ]
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