雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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自然薯掘りのシーズン到来!
待ちに待った自然薯 (じねんじょ) の掘り取り適期が到来!

ジネンジョの黄葉 (標準和名はヤマノイモ)
ジネンジョの黄葉 (標準和名はヤマノイモ)

自然薯 (じねんじょ) の葉が黄色くなってまいりました。そろそろ自然薯の掘り頃が到来ですね! ツルハシを持って山に行きましょう! なお、棒の先に葉書のような鉄器がついた自然薯掘り取り鍬なるものが存在しますけど、あんなものは、関東ローム層だとか、九州南部のシラス台地など、土壌が深くて石が少ないところの専用具です。わが淡路島南部の白亜紀堆積岩層の石だらけの山じゃ全く通用しません! で、道具は土方仕事に使うツルハシですわ!

自然薯の芋をすりつぶして、ダシ汁あるいは味噌汁で延ばしたとろろを、麦飯にかけた山芋とろろ飯は田舎じゃ昔は最高のご馳走でした。東北地方では秋の行事に芋煮会が有名ですが(発祥地は山形村山地方・最上川中流域でしたか?)、西日本じゃ秋11月に集落をあげて自然薯掘りを行い、集会所に村人が集まって皆で山芋とろろ飯をこしらえて宴に興ずるという風習が広くおこなわれました。その宴(うたげ)を何ていうのか知りませんけど、「芋煮会」 みたいな地方横断共通名称はなかったと思います。仮に 「自然薯とろろ会」 と名付けるとしましょう。それは平野部じゃダメですが、平野と山地の境あたりの集落、あるいは山間部の集落じゃ西日本各地で行われていたようで、わが淡路島じゃ旧 津名町 長澤地区 が有名です。リンクの地形図でわかるように、島の中なのに標高が250m前後の高原みたいなところです。淡路島北部の丘陵や山地は花こう岩が風化した水はけのいい土で、石が少なく、地中深く伸長する自然薯の芋の生育に適しています。我輩がおる淡路島南部の和泉層群の石だらけの土よりも品質の良い自然薯が採れるわけで、これが淡路島北部で自然薯とろろ会が盛んな理由でしょうかね? ようするに土質によって自然薯の品質の良し悪しはありますけど、自然薯の分布域は丘陵 ~ 里山 ~ 山地であるわけで、そういうところで自然薯とろろ会が盛んなわけです。


自然薯の分類学上の標準和名は 「ヤマノイモ」 だが、呼び名には混乱が見られます

自然薯は植物分類学上の標準和名は ヤマノイモ であります。一般的には 「の」 という格助詞を省略して 「やまいも」 と呼ぶわけですが、標準和名に 「の」 を入れた理由は何でしょうかね? 植物分類学者が世間一般で呼びならわしている 「やまいも」 をそのまま標準和名に採用したのでは、値打ちがない、学問的な権威が損なわれる、などとでも考えたのかも? あるいは畑で栽培する 「つくね芋」 がふつう 「やまいも」 と称されるので、自生するものを 「ヤマノイモ」 として区別したのかも?

とにかく、ヤマノイモ科の食用芋は名称が混乱しています。丹波篠山の江戸時代からの名産品の 「つくね芋」 が昔から山芋 (時には山の芋) と称されますし、伊勢芋だってつくね芋の系統ですよね! 関東地方の 「いちょう芋」 も山芋と称され、それだから天然のものを自然薯と呼ばざるを得ないわけです。ことさら自然薯と呼ぶのは、栽培種の長芋やつくね芋系統と区別しているわけです。そこで、植物分類学上の標準和名を 「ジネンジョ」 とすれば良かったわけなんですが、「ヤマノイモ」 としたから大混乱です。ということで、本エントリでは、日本原産ヤマノイモ科のヤマノイモを自然薯 (自然薯) と表記します。食べるという観点からは自然薯という漢字表記をあて、植物の形態や生態という観点からはジネンジョというカタカナ表記にして明確に区別します。



芋を掘るまえに、まず 「むかご」 を賞味しましょう!

自然薯のむかごは幻の山菜とまでいわれますが、そんなことはありません。自然薯じたいは人里でも普通に見られます。道路際とか、森林の端のマント植生の中などにジネンジョは沢山自生しています。陽生植物なので鬱蒼と茂った森林内にはありません。そのジネンジョの葉の付け根に丸い小豆や大豆ぐらいの大きさの黒いものがついています。それが栄養繁殖器官の 「むかご」 です。ほとんど流通しないので売っていないだけでありまして、むかご自体は山裾などではどこにでもあります。しかも、簡単に採取できます。自然薯の芋掘りをすると場所によっては怒られますけど、むかごの採取ならば怒られる心配はありません。

自然薯のむかご
自然薯のむかご炊き込みご飯

まさに、黒豆ご飯という印象です。写真の撮り方がまずくて美味そうには見えませんけど、なかなかこれはいけますね! 美味いですよ! むかごの食感は芋っぽくなく、豆っぽい感じです。芋と豆の中間ぐらいでしょうかね。今回はダシをたっぷりと入れて炊き込みご飯としましたが、純粋に赤飯ふうにするといいかも?

北海道式赤飯 (炊いたご飯に甘納豆を混ぜる) にするとかなり美味いかも? むかごは豆っぽいので、うずら豆の煮豆のように甘く甘く炊きます。ご飯は瀬戸内の荒潮のみでおこわに炊きます。で、両方を混ぜ合わせます。たぶん、相当に美味いと思います。まだやってみたことはありませんけど‥。ご飯に甘納豆と申せば西日本じゃ奇異に感じる人もいるかもしれませんが、ご飯とお砂糖はとても相性がいいですわ。それが証拠に、「おはぎ」 という料理は簡単にいえば握り飯に小豆の甘いあんこをまぶしたものですが、美味いですよね! 寿司飯というのも酢に砂糖をタップリと入れますよね! 西洋人に米のご飯を食べさせたら砂糖を振りかけて食べる人もいますね!


淡路島じゃ、むかご採取適期はちょうど今頃です! 遅れないように!


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