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雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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キツネは淡路島からは絶滅しています!
淡路島にキツネがいたのは終戦直後まで! 60~70年前に絶滅しています。

昔は淡路島にもキツネがいました。それは間違いないところで、吾輩の出身集落の鎮守のお宮さんには、白キツネ、すなわちキツネの白化個体 (アルビノ) がおって、神様の使いであると村民から崇められていました。それは戦時中ころの話であって吾輩が生まれる前であります。淡路島にはタヌキにまつわる民話がたくさんあるのですが、江戸時代後期に書かれた 『味地草・みちくさ』 という地誌がありまして、それは淡路の歴史を調べるにはまず見なければならない文献ですが、キツネにまつわる逸話が載っています。手前みそな記事でありますが、『味地草』 における白石村の記述について 「キツネの恩返し」  この味地草にあるキツネの話などは淡路島にキツネがおった傍証となりましょう。 ところが、淡路島にキツネがおったのは終戦直後までで、昭和20年代のおわりごろまでに淡路からキツネは絶滅してしまいました。最後の捕獲とか、最後の目撃情報はいつなのかハッキリしませんし確かな情報がほとんどありませんが、80歳前後の何人ものハンターに話を伺ったことがあるんですが、若いころにもキツネなんて見たことがないなあと皆言っています。環境省の基準では、「過去50年間前後の間に、信頼できる 生息の情報が得られていない」 ならば絶滅と判定しているので、淡路島からキツネは絶滅したと断定していいでしょう。判定基準の詳細は → 環境省レッドリストカテゴリーと判定基準

ということで、諭鶴羽山の登山道に設置されている環境省・兵庫県の案内看板はなんとかならんものか? この看板を見たら登山者が淡路の山にキツネがおると勘違いしてしまいますね!


淡路島からキツネは絶滅しています。

何故こんな誤れる看板が設置されたのか、正確なところは環境省(兵庫県)に問い合わせないと分かりませんけど。問い合わせるまでもなく想像がつきます。兵庫県本土側の里山にも奥山にも広範囲にキツネが生息しています。自然歩道は各地に設置されているので、このような看板を兵庫県内に設置する分を一括してこしらえたのでしょう。兵庫県本土側じゃ問題ないんですが、一括してこしらえた看板を淡路島に設置したから、淡路島の個別事情に合っていない、ということでしょう。おそらくそういうことでは?

なお、Wikipedia キツネ の説明には、「日本では、本州・九州・四国の各本島と淡路島[9]にホンドギツネが、北海道本島と北方領土にキタキツネが生息している。」 などと言っていますが、挙げている文献[9]が不適切であります。洲本川水系河川整備計画 という資料の2ページに、「哺乳類については、タヌキ、ニホンジカ、イノシシ、キツネなどが生息している。」 などと書かれていますが、そもそも淡路県民局 洲本土木事務所のこしらえた資料ですが、土木事務所は動植物の生息状況を調査する機関ではありません。なにか大規模な開発などをするのであれば環境影響評価の調査を行うでしょうが、そうであっても土木事務所そのものが生物の調査などやるのではなく、環境アセスの仕事をする会社とか専門家にやらせるわけです。つまり動植物の分布に関して門外漢の機関がこしらえた資料ですから、動植物に関する記述は信用できず、淡路島にキツネが生息する根拠にしてはいけないわけです。


環境省の資料を見ましょう!

動植物の分布とか、生息状況、絶滅危惧性などを調査する省庁はなんといっても環境省でありまして、環境省 自然環境局 生物多様性センター の調査結果資料を見ましょう! 1978年にまとめられたもので資料としてはやや古いですけど、第2回 自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書 を見ます。キツネの項目に次のようにあります。

「本種は、九州、四国、本州、北海道にきわめて広く分布し、生息区画数は9,781.5区画が数えられる。これの全区画数に対する割合すなわち生息区画率は実に60.8%にものぼり、タヌキとともにまさしく全国的に分布していることがわかる。しかし,周辺島嶼での生息例は少なく、わずかに北海道の利尻島と長崎県の五島列島が知られているにすぎない。兵庫県淡路島、北海道の礼文島ではそれぞれ昭和30年代、40年代に絶滅している。

淡路島と礼文島ではキツネは絶滅したと言っています。
25年後の2003年に第6回調査として再度の哺乳類分布調査報告書(平成16年)が出ましたけど、1978年から2003年の25年間で全国的にキツネの分布はかなり拡大したことが判明。けれども、淡路島は依然としてキツネ分布の空白地域です。やはり淡路島にはキツネはいません。

キツネの全国分布メッシュ図 を借用します。

環境省 キツネの全国分布メッシュ図
淡路島周辺を抜粋


淡路島の山にはキツネはいない

2017年8月3日、北麓の平野部から見上げた諭鶴羽山 (標高608m) です。和泉層群の砂岩と泥岩の互層からなる地塁山地の山です。淡路島の最高峰ですが、瀬戸内海島嶼では第3位です。1位は小豆島の星ヶ城山 (標高816m) です。キツネはおりません。
諭鶴羽山
諭鶴羽山

2017年7月24日、大鳴門橋の橋脚から遠望した諭鶴羽山です。標高は低いのですが、夏場にはつねに雲がかかっています。夏場に雲がかかって気温が低く抑えられるので、山頂付近や谷筋にはブナ帯が分布の本拠地である植物が遺存的にけっこう見られます。
大鳴門橋の橋脚から眺めた諭鶴羽山

2017年8月3日、淡路島の中央部にそびえる先山 (せんざん・標高448m) です。麓から見る場所によっては成層火山みたいな端正な山容なので、淡路富士とも呼ばれますが、火山じゃありません。地殻深部から地表付近に貫入したマグマが冷えて花こう岩になったものが隆起した山であります。日本で一番最初にできた山だから先山というなどと言われますけど、それはただの迷信です。先山にもキツネはおりません。
先山



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