雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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天神丸 (剣山スーパー林道沿い:標高1632m) 山行記 その2

天神丸の登山口の案内看板です。この看板によると、標高差は約230m、距離は770mということになります。向こうに見える平家平と天神丸はほぼ同じ標高ですが、平家平は徳島県の山では難易度が高く、登頂が難しい山だと言われています。天神丸も昔はそう簡単に登れる山じゃなかったと思われますけど、スーパー林道のおかげで、大した装備もなく経験もなくても簡単に登れるようになりました。そう考えたら、スーパー林道はありがたいわけです。
天神丸の登山口
天神丸登山案内図


登山口から南側を展望すると、那賀川の上流部の最大支流であるところの坂州木頭川 (さかしゅうきとうがわ) の向こう側に、平家平 (へいけだいら、標高1603m) が指呼の間に見えています。剣山地で登るのが難しい山の筆頭だとされます。槍ヶ岳に似た山容というか、ピラミダルな姿の山です。北アルプスの槍ヶ岳は地形学的には氷河地形で氷食尖峰ですが、剣山地には過去の周氷河地形は存在しますが、氷河期にも氷河ができませんでした。で、平家平が槍ヶ岳みたいな山容であっても、氷河でできたのではなく、一帯は日本有数の多雨地帯で多い年には年降水量が5000ミリを越えます。この多雨によって浸食されたと思われます。浸食尖峰とよんだらいいのか?
槍ヶ岳みたいな平家平(へいけだいら)

第一休憩所のところまで来ました。ここまでは傾斜は緩やかです。標柱に保健保安林などと書いています。道標や散策路や手すり・ベンチ等が整備されているから、「下々の者どもは、ここを歩いてよく運動し、健康作りに励みなさい」 とお役人が高みから言っているわけです。われわれ下々の者は無知蒙昧で物事を考える力もなく、高みにおるお役人からこうしなさい、ああしなさいと御指導を受けないとあかんということのようです。農水省の保健保安林指定要領 を閲覧したら分かるように、目的が2つあって、①、良好な生活環境の保全及び形成に資する森林、②、公衆の保健休養に資する森林、を保健保安林と称するようであります。
第一休憩所のところ

木屋平 (こやだいら) 展望所から剣山がよく見えます。
展望所から剣山が見える
剣山にズームイン

ダケカンバの説明プレートです。「樹皮は淡い赤褐色で光沢があります」 ということですがあまりに簡単な説明です。で、僭越ながら吾輩が補足説明します。四国や紀伊半島にあるダケカンバは変種のアカカンバです。ダケカンバは亜高山帯~高山帯の樹木とされますが、剣山地じゃブナ帯上部からたくさん見られます。おおむね標高1400m以上で出現しますが、場所によってはもっと低いところにもあります。ダケカンバは植生が破壊された跡に成立する二次林の中で見られ、巨木のある極相林 (自然林) にはほとんど見られず、陽樹の性質を示しています。剣山山頂付近では、ダケカンバの樹皮がシカに喰われ枯死する木が目立ちます。
ダケカンバの説明プレート
ダケカンバを見上げる


「深山の麗花」 「花木の女王」 とまで讃えられるシャクナゲが出てきました。そういえば、剣山の見ノ越から上にはシャクナゲ (ホンシャクナゲ・ツクシシャクナゲ) がないのは不思議です。剣山スーパー林道沿いの尾根やピークにはずーっとシャクナゲがあります。シャクナゲの自生する山と自生しない山とがあるようです。
シャクナゲが出てきました


急斜面を直登するので、結構きつい。
山頂まであと290m。
山頂まであと290m

山頂まであと220m。
山頂まであと220m

ミズナラの説明プレートです。ブナと同じ高度に分布する夏緑樹です。これも説明が簡単すぎます。剣山地ではブナはおおむね標高800mあたりから出現し、1000mを越えると一斉にブナが出てきます。つまりミズナラもそれぐらいの高度で出てきます。1000mあたりを境にして、低い所にコナラ、高い所にミズナラが画然と棲み分けています。ミズナラはマイタケが出る木としてよく知られています。
ミズナラの説明看板
ミズナラ
ミズナラ

山頂直前、あともうちょっと。
山頂直前

天神丸 (標高1631.9m) の山頂に到着!
天神丸山頂!


天神丸から、東北東ないしは北東の方向

天神丸から北東の方向
天神丸から北東の方向
天神丸から北東の方向


天神丸山頂のツクシシャクナゲは、ヤクシマシャクナゲみたいに見える

天神丸の山頂のシャクナゲは葉の裏に赤褐色の毛がびっしりとあるのでツクシシャクナゲだと思われます。太陽がよく当たるので枝も葉もがっちりと締まっています。樹形が丸くコンパクトでまるでヤクシマシャクナゲみたいに見えます。葉の巻き込みも著しく、強く巻き込むために葉が細く見えます。そのためにいよいよヤクシマシャクナゲみたいに見えるわけです。シャクナゲは花がなくても濃緑の葉は美しく、葉にも観賞価値があります。
天神丸山頂のツクシシャクナゲ
天神丸山頂のツクシシャクナゲ
天神丸山頂のツクシシャクナゲ
天神丸山頂のツクシシャクナゲ


これはコメツガ? それともツガ? 剣山じゃ標高1600mあたりを境にして低い所ではツガ、高い所ではコメツガが棲み分けています。コメツガは亜高山帯の針葉樹ですが、登る道すがら両種があれば見分けるのは容易ですが、天神丸では山頂にポツンと出てきたので判断しずらいところです。葉 (針葉) が短いからコメツガの可能性が高いし、1600mを越えているからコメツガが出てきても不思議じゃありません。とっちなのか確定するのに果実 (球果) を観察したいところですが全く見当たりません。
コメツガ? ツガ?



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