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雑想庵の破れた障子
ぺんぺん草に埋もれた山中の雑想庵。 破れた障子の小さな穴から見えるものを綴ります。
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天神丸 (剣山スーパー林道沿い:標高1632m) 山行記
一度は走ってみたい聖地なのか? それとも、日本一の悪路なのか?

剣山スーパー林道
天神丸からさらに奥、カヤノ丸の手前 (日奈田峠の手前) の断崖絶壁です。絶壁に張り付くようにしてスーパー林道は進んでいますが、上も下も絶壁、「ようこんなところに道をこしらえたもんやな!」 という箇所があります。通行するにはちょっと恐いところですが、断崖絶壁に意外に鬱蒼と森林が成立しています。土壌の少ない断崖で巨木が育つ要因は何でしょうか?? ここは秋の紅葉シーズンには筆舌に尽くしがたい美しさであろうと、思われます。
断崖絶壁を縫うようにしてスーパー林道はゆく
断崖絶壁にも鬱蒼とした森林


剣山スーパー林道は正式名称は 「特定森林地域開発林道剣山線」 と言い、上勝町役場近くの起点から 「西日本一の紅葉の名所だ」 とひそかに言われる高ノ瀬峡の終点まで全長87.7キロ、全線が未舗装のすさまじいダート、日本最長の未舗装林道であります。この山岳道路の評価は大きく分かれるところです。来る前に遺書を書いてきましたか? というアクロバット悪路走行を楽しむオフロードライダーに言わせると、「こりゃあ日本オフローダーの聖地だ!」 ということになります。一度は走ってみたい憧憬の道路ということで、関西以外の遠方からでもオフローダーたちがやってきます。たしかに、ナンバープレートを拝見すると札幌とか鹿児島など本土の両端からでもやってきますね。いまや日本全国の山奥の林道にいたるまで舗装が進み、未舗装道路は少なくなりました。未舗装道路はいわば絶滅危惧道路ということでありまして、転倒・転落寸前のスリルを求めるオフローダーたちがビックリするような遠方からでも集結します。

ところが、一般車とりわけ愛車にせっせと艶出しワックスを塗りたくり、車内は土足厳禁とするようなドライバーに言わせると、「こりゃあ日本一の悪路じゃねえか!」 車体の腹を擦るわ、跳ね上げた石でボディは傷つくわ、泥まみれ埃まみれになるわで 「もう二度と来たくないね」 と言い残して帰っていきます。ようするに、この山岳道路は評価は真っ二つに割れます。点数をつけると100点満点かゼロかで、中間がありません。これほど評価が真っ二つに分かれる道路は珍しいです。

スーパー林道沿いに並ぶ連山を登る登山者や、吾輩のように四国のブナ帯~亜高山帯の自然観察をする者は、そこへたどり着くためにスーパー林道を通らさせていただいているわけで、「とんでもない悪路ではあるが有り難い」 という中間評価なのでしょうけど、この派はどちらかと申すと少数派のように思います。このスーパー林道全線を通行したことは過去にただ1回しかありませんが、部分的通行はよくきております。9月9日(土曜日)に、中間地点よりやや終点寄りか? 林道沿いにそびえ立つ天神丸 (標高1632m) に登ってまいりました。


剣山スーパー林道には明らかに中断部分がある

国土地理院地形図 を借用して、その中断部分を図示します。
剣山スーパー林道には明らかに中断部分がある

雲早トンネルであります。このトンネルを抜けて標高差で100m余り、距離で1.3キロ降りたところがスーパー林道の入り口です。上勝町のスーパー林道起点から雲早山の東斜面・北斜面を巻いて進んできた林道はいったん雲早トンネル手前で終わっています。徳島県道253号山川海南線 (これは国道193号の未開通部分であります) を1.3キロあまり降りたところから再開していることになるので、明らかに剣山スーパー林道は中断部分があり二分されています。この中断部分の一般県道もスーパー林道の一部と見なすんでしょうかね? どうみても舗装しているし林道には見えません。スーパー林道開設以前からある道です。だとしたら、全長87.7キロというのは誤魔化しがあって、2つの林道の全長総合計が87キロとなる、ということではないのか? 

剣山地の高所でもまだ紅葉は始まっていませんが、雲早トンネルのツタウルシが早々と色づいています。葉は三出複葉です。これはかぶれる植物なので触らないように。以前にはわが諭鶴羽山でも、このブナ帯のツタウルシがわずかに見られましたが、最近は見られなくなりました。

ツタウルシの紅葉だ
三出複葉

↓ 徳島のヘソ近くから淡路島方向の眺望です。ここは標高約1500m、風が冷たいです。写真では分かりませんが肉眼では薄っすらと淡路島が見えています。赤い実がなる木は オオカメノキ であります。剣山地ではブナ帯から剣山の山頂まで分布しています。標高の低い所にはなく、淡路島にはありません。淡路島にあるガマズミやコバノガマズミの近縁種ですが、オオカメノキには派手な飾り花があるので5月連休頃に咲く花は観賞価値があります。
徳島のヘソから淡路島方向
オオカメノキ
淡路島にあるガマズミの果実は秋遅くに赤熟し食べられます。種子が多くて果汁が少なく食べにくいですが甘酸っぱいです。ごく近縁種なのでオオカメノキの果実も食べられるハズで、波田先生のリンクにも食べられると書いてあります。我輩はまだ食べたことはありませんが、沢山採ってジュースに搾ったらいいのではないか? お酒を召し上がる方ならば、当然お酒に漬けこんで果実酒ですよね!
オオカメノキ

風の広場というところですが、徳島のヘソから大分下ってきたので標高は1325mくらい。むかし色々な工事のさいに資材置き場にしていた記憶がありますが、夏場にくるとテントを張っているのを見ますね。勝手にテントを張っていいのかどうか? ま、いいでしょう。地権者が誰かも不明で許可を取りようがありません。ま、怒られそうになったならばテントを撤収すればいいでしょうね。秋になってススキがぼうぼうです。
風の広場
ススキぼうぼう

風の広場の向こうにみえるのが樫戸丸 (標高1566m) であります。ただしこの山名は国土地理院地形図には載っていません。奥山の美しい花として知られるオオヤマレンゲの自生地の一つです。山頂の近くにあります。
樫戸丸

風の広場から南側の眺望ですが、山しか見えません。一帯は旧木沢村ですが、秘境として有名な東祖谷山村よりもさらに秘境っぽい感じがします。画面右側の向こうの山は平家平 (標高1603m)であります。 画面左の山は山名は? 知りません。地形図に載っていないのですが標高は1433m。
風の広場の南側眺望

風の広場付近から北側の眺望です。北側も山しか見えません。四国は海に囲まれた大きな離島ですが、山間部に入れば四国は海の国じゃなくて、完全に山国です。幾重にも重畳する山波しかみえません。最高所でも2000mに足りませんし中部山岳よりも一回り高度が低いですが、一帯は深い山国です。家に立てこもってあまり旅行とか外出しない人では、海を見たことがない住民もいるのではないか? 画面中央の向こうの山は、阿波国第一の修験道の山、高越山 (おこうつさん、おこーつぁん、標高1133m) です。高越山は、雪の見られない淡路島島民の吾輩が冬に雪を見に行く所であります。剣山スーパー林道は11月末で閉鎖されますから、ここには雪を見に来れません。 3月下旬の剣山スーパー林道の様子 はこんなんですが、閉鎖中のスーパー林道を徒歩で10キロ進入してみました。
風の広場付近kら北側の眺望

ようやく 天神丸登山口 にたどりつきました。淡路島の雑想庵を午前7時02分に出発したのに、もう午後2時18分になっています。7時間もかかっていますが、あっちに寄りこっちに寄り観察したり昼飯を喰ったりしていたためです。まっすぐに来れば3時間ちょっとぐらいか? 山頂まで標高差230m、距離は1キロとないのですが斜面を直登するので意外にしんどい山です。オフローダーたちはみな素通りです。どうやら彼らは自然とか山に全く興味はないみたい。ただ悪路を危険寸前のスリルで走るだけ‥。同じ場所に立っても同じ景色を見ても喋る言葉が違うので、話をしても話題がかみ合いません。外国人と話をするみたいですね! さて、これからフンドシを締めなおして登ります。
天神丸の登山口



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